首輪の紐がほどけてる 承
義理?の兄弟で赤黒
赤司くん(16才)と黒子くん(28才)です
ちなみにショタ赤司くんが出てきています。

あるどしゃ降り雨の日、テツヤは偶然にもはやく帰宅していた。本来ならば勤務時間は夜にまで差しかかるのだが、ここのところ遅くまで会社に入り浸りテツヤを懸念した秘書が、珍しく仕事を切り上げれるように手配したのだった。
そのことにテツヤは、自分の疲労も十二分に感じているせいか、感謝の意を示し、おとなしく帰宅し、すこしばかりの静養をとっていた。
メイドの運んできたカップに口をつけ、甘めのチョコレートを口に含んで、ゆったりとしたソファに身を預ける。
書類ばかりを相手にし、机に向かうばかりでかたくなった身体の筋肉が緩やかにほぐされていくような感覚がわかった。確かに、疲れていたに違いない。

しばらくすると、玄関のほうからやや慌ただしげな音が聞こえてきた。征十郎の話し声と、メイドたちの声。その聞きなれた声以外にも複数の少年の声が聞こえてくる。テツヤは、立ち上がって廊下へと出ていく。玄関へと足を進めるたびに、その楽しげで、自分には縁遠い音が大きくなる。
赤司っちー!と、少年が呼んだのを聞いて、テツヤは玄関のほうへと踏み入れた。

「なんの騒ぎです。うるさいですよ」
じっと玄関のところで濡れ鼠のまま立って騒いでいる少年たちを見下ろせば、征十郎はびくりと反応してこちらを見上げてきた。
きっと征十郎の所属しているバスケ部の部員なのだろう。スポーツをしていそうな体格ばかりの少年たちは、呆けたようにぽかんとした顔をして見上げてくる。
すみません、と謝りながら弁解の旨を告げてくる征十郎に、テツヤは苛立ちを感じながら見つめた。
自分の知らないところで、征十郎は、自分のまったく知らない誰かと、こうやって親しくしている。そのことが、ひどく憎くてしょうがない。突き放したのは自分だというのに。***

部員の黄瀬くん。彼は一番見目の良い少年だった。征十郎の部屋にいる彼と話せば、モデルの仕事もしているのだと言った。確かに、雑誌の表紙を飾ってもおかしくないくらいに綺麗な顔立ちをしていた。
そのことが、自分をどうしても焦らせた。そんな素振りなどひとつも見せてないというのに、もしかしたら征十郎は彼を好いているかもしれない、そんな幻想にとらわれてしまった。
くだらない妄想だとは頭の隅ではわかっていた。けれど、その幻想は払拭されなかった。


夜、またあの悪い癖が出て、何度か交わったことのある男をこの雨のなか呼びつけた。
ゲイらしい男は、こんな悪天候のなか呼びつけても嬉しそうにベッドへと押し倒してきた。シャツを肌蹴させ、丹念に這う厚い男の舌を感じるたびに、テツヤは感情とは関係なく喘いだ。「テツヤさん、今日はこんなもの持ってきたんだけど、使ってもいいよね?」
ポケットから何を出してきたのかと思えば、それはピンク色のローターだった。ブゥン、とスイッチをONにして楽しそうにかざしてくる。
肉棒をぎゅっと握られ、テツヤは身を震わせた。
「お願い…。こんな雨のなかでも、駆け付けた俺に、すこしはご褒美くれてもいいじゃん。テツヤさん……」
男の肉棒が尻肉の間をゆらゆらと行き来して、漏れ出た精液がぴちゃぴちゃと音を立てる。
テツヤは小さく声をあげて、ゆっくりと頷いた。
ずぶりとバイブが尻穴へと押し込まれて、男の興奮した息遣いが耳に届く。
「あっ……いっぅ…!」
異物感に、テツヤは身悶えて男を見上げた。男は震えながらこちらを哀願するように見上げてくるテツヤに、熱でよどみきった瞳を向けて手を伸ばす。尻穴の入口あたりで引っかかっていたバイブを、指でもっと押し入れる。「んぅっ」
「ほら、こんなところでとまってる……。もっと入れなきゃ、つまらないよね?」
「っ……」
「テーツヤさん。どう? 気持ち良い?」
にやにやと舌舐めずりでもしそうな表情で顔を寄せた男に、テツヤは軽く首を横に振ってつぶやく。

「……へたくそ」
テツヤがそう男に言うと、男は多少機嫌を損ねてしまったようで、むっとしたような顔をしてテツヤの肉棒をわしづかんだ。敏感なそこを、力任せにつかまれてテツヤは悲鳴をあげかけたが、やっとのことで抑えた。
そして、後ろから抱き締めるように前を扱う男を睨みつけた。
「痛かった?でも、テツヤさんが悪いんだ……」
べろりと首筋を舐められ、テツヤはぶるりと身体を震わした。萎えかけた肉棒を男の大きなてのひらがつつんで緩やかに刺激していく。その快感を与えるような動きに、テツヤも上擦った声を上げながら吐息をついた。
男は前を扱うことに飽きたのか、にやりと人の悪い笑みを浮かべると小型のスイッチを目の前に持ってくる。ON/OFF。そう書かれたスイッチを、男がONのほうへとズラした。

「! あぁ……ぃぁっ……ひっ………!!」
振動音を立てながら、尻穴に埋まるそれに、テツヤはベッドのシーツにしがみつくようにぎゅっとその布をつかんだ。
奥まで入り込んだそれは、普段男たちが肉棒を入れるのと同じように揺れて、ひとつひとつ快感を与える場所を隈なく当たる。涎をこぼしながら喘ぐテツヤを見ながら、男は自分の肉棒を扱いている。「ああ、いいよ…。テツヤさん……その顔。ゾクゾクする」
「まっ……」
男が感極まった声を出したのと同時に、男の肉棒から勢いよく精液がほとばしった。白い粘液がテツヤの顔に一部かかり、上半身を汚した。
茫然と、テツヤは男の顔を見上げる。お互いに、息は荒かった。

男は興奮したまま、肩を上下させてベッドにあおむけになっているテツヤの腰をつかむと、両足のふくらはぎを上に押し上げて、尻たぶをつかむと、手で押しあけるように中をまさぐる。
「いたぁっ…!」
指を尻穴のなかに突っ込み、ぐにぐにと中をかき回しながら奥に入ったバイブを引っ張りだした。まだ振動音を立ててベッドの上で細かく震えるそれを一瞥して、テツヤを見下ろす。「焦らしちゃってごめんね。けど、ずっと俺のこと呼んでくれなかったんだ…これくらい、いいよね」
にっこりと笑みを浮かべながら男はテツヤの頬を撫でる。
「……別に、かまいません。それより、はやく、入れてください………」
つぷりと男に向かってテツヤが誘うようにその穴を広げてみせ、ねだるように媚びた目を向けた。
男は、そのテツヤの淫らな姿を見て喜んで受け入れた。


その日は、テツヤにとってはひじょうに長いセックスとなった。しばらく呼びつけてなかったせいか、男はひどく粘着したプレイをしてきたおかげで、翌日のテツヤは腰やら背中やら節々が痛くなる目にあってしまった。今度呼びつけるときは、違う男にしよう。
そんなことを思いながら、性欲を持て余したテツヤは、度々男を呼びつけて奥の部屋でセックスに興じた。あれ以降、呼びつける男はなるべく優男ばかりにしている。
昨日も昨日とて、気の弱い男が相手だった。気が弱い男、しかも男だ。性欲にはひじょうに正直なためにセックスのリードはしやすい。こちらが適当に興奮させてけしかければ、男は面白いくらいに流されてきた。
また呼んでもいいかな、などと思って執事が容易した衣服を身につけていると、部屋のドアが叩かれた。執事だろうと思い、「入りなさい」と言うと、少しの間があく。

「兄さん」
征十郎の声が、聞こえた。
テツヤは驚いて、思わずはっと息を飲んでドアのほうを見つめた。征十郎はおとなしく待っているようで、あっちもあっちで同じくらいに緊張しているに違いない。いや、それ以上か?ドアが開けられて、征十郎が顔を見せる。やや強張っている顔は、すこし疲労の色が見えて、やつれているように見えなくもない。
けれど、テツヤは心配する素振りも見せずに忌々しそうな表情を浮かべて「………なんです?」と征十郎に問うた。

「これ、兄さんに」
近づいてきた征十郎がてのひらの中に持っていたレコーダーを渡してくる。何の変哲もないレコーダー。いったい、何の意味があってこれを渡してきたのか。
訝しげに征十郎を見遣ると、征十郎はなぜか笑みを浮かべていた。その顔は、ぞっとするほど瞳が笑ってはいなかった。
征十郎のその様子を不審そうに見て、テツヤは疑問を口にした。
「意味がわかりませんね。これをいったいどうしろと言うんです」レコーダーを見下ろして、テツヤはたいして興味がなさそうにつぶやく。
「いますぐじゃなくていいから、聞いてください」
征十郎が淡々とした口調で言う。その表情に、これといった恣意的なものは見当たらない。

「………………征十郎くん?」
いつになく強気な物言いで押しつけてくる征十郎に、テツヤはレコーダーに興味を示した。
あれだけ自分を避けていた征十郎がこんなに接触してくるというのは、いったい何事だというのか。
無言で手のひらにあるレコーダーを見つめるテツヤに、征十郎は一層笑みを深める。

「聞いたら感想を聞かせてくださいね、兄さん」
柔らかなその声に、テツヤははっとして征十郎を見たが、征十郎はテツヤのほうを振り返ることなく部屋を退室した。***

テツヤは、征十郎から渡されたレコーダーの中身を聞いてから愕然とした。あの男との行為が、途中からであるものの、大部分が録音されていたのだ。
レコーダーから漏れる水音、自分の何度聞いてもないだらしのない喘ぎ声、男の興奮しきった声……すべてがテツヤをぞっとさせるものでしかなかった。
これを録音した征十郎は果たしてこれをどうおもって渡してきたのだろうか。大嫌いな兄への、復讐心から来るものなのだろうか。
朝、これを渡してきた征十郎の様子にこれといって大きな異変はなかった。むしろ、落ち着いていて、怒りや憎しみのにじむようなものではなかった…。
手に滲む汗を感じながら、テツヤは家への帰路を急ぐ。運転手に「急いでください、なるべく」と滅多に言わないことを告げながら。いつもなら明日の業務のことなどを考えて過ごす時間が、今日はやけに長く感じた。家に着くと、テツヤは無意識に邸の上を見上げた。テツヤの視線の先には、征十郎の部屋があって、そこから見える赤い瞳を、テツヤは一瞬だけ見た。

「…………………………」
「テツヤ様?どうされたんですか?」
やや不思議そうに、迎えたメイドが見上げてくる。それにテツヤはいいえ、と短く答えて中へと入った。


夕食後、部屋に来るように言い渡すと、ようやく征十郎は顔色を変えた。少し青ざめたようにも見えるその姿は、以前と同じ、兄を恐れる弟の姿だった。そのことに妙に安心しながら、テツヤは自室へと戻った。
いつ来るだろう、いまか、いや、まだか。じっとドアのほうを見つめながら、苛立ちを紛らわせようとメイドに言って持ってこさせたワインを口に含む。こんなときにこんな適当なシチュエーションであけるようなものではないのだけれど、テツヤにとって今はそんなことはどうでもいいことだった。
ゆるゆると酔いがまわりはじめ、身体はすこし火照り始めた。波のように揺れるグラスのなかのワインを見ながらぼんやりとしていると、やっとドアが叩かれて征十郎の声がした。
入りなさい、と告げると、征十郎は思ったよりも殊勝なようすで入ってきた。わずかにこちらをうかがうような色を見せるようすに、テツヤは立ちあがって征十郎へと歩み寄った。

「さて、呼ばれた理由はあなた自身がよくわかっていると思いますが」ちらりと征十郎を見ると、わずかに動揺していた。
「はい。わかっています」
それでも声は毅然としていて、テツヤは笑みをもらしてしまいそうなのを抑える。
「………なぜ、あのようなことを?」
「兄さんが、あんなことをしているのがどうも不思議でしょうがなかったので……それを録音して兄さん自身に聞いてもらおうかと」
悪びれるようすもなく言った征十郎に、テツヤはわずかに眉を動かした。酔いがまわってきた今、テツヤは高揚する気分を抑えれずにいた。
にっこりと意地の悪い笑みを浮かべると、テツヤは征十郎に微笑んだ。

「悪趣味ですね、征十郎くん」
楽しげに微笑んだテツヤに、征十郎はにらみ返した。
「兄さんの方が悪趣味だと思いますよ。見る度に、違う男ばかりとセックスしている」征十郎の瞳に走ったわずかな燃えるような激情の色に、テツヤはごくりと喉を鳴らして見返す。ワインを飲み過ぎたせいか……アルコールが、平生さを失わせる。
熱くなる身体を感じながら、テツヤは息を吐く。
その間にも、だんだんと興奮してきたようすの征十郎が恨みがましい視線を向けながら言葉を吐く。

「ねえ、兄さん。これでも、兄さんのことは尊敬していた……小さい頃、拾ってくれたのは兄さんだし、いまこうやってお金に不自由のない生活をできるのも兄さんのおかげだったから……。…………けど、いまはもう違う。残念だよ、兄さん」
それだけ言うと、征十郎は容赦なくテツヤの腕をつかんでベッドに押し倒した。二人分の身体を軽々受け止めたベッドが、すこしも軋まずにいる。テツヤは、こちらを激しい目つきで見下ろしてくる征十郎を見上げる。

「軽蔑するよ、兄さん……こうやって色んな男に押し倒されて、セックスすることが好きなんだろう」
征十郎の指先が、テツヤの頬に触れる。
ずっとずっと望んでいた指先に、テツヤは払うこともせずに受け入れる。
触れたその箇所が、熱をもったようにテツヤは感じた。

「結婚しないのも、男が好きだから?」

征十郎には、まだ自分の病気のことや、引き取った理由などは告げていない。そして、いま、テツヤはそのことを言う気にもならず、ただ面倒くさくてそっぽを向いて素知らぬふりをした。
「……………さあ」
むっとしたのがわかり、テツヤはちらりと征十郎へと視線を移す。すっかり欲を含んだ、男の瞳がそこにはあった。

「兄さん………」
自分を抱いてきた男たちと同じ、その欲情にまみれた声にテツヤは歓喜した。
……そうだ、これが望んだこと。自分はずっと、征十郎に抱かれたかったのだ。その美しい人が、自分に触れるのを、ずっとずっと待ち望んでいたのだ。
その喜びとは反対に、声だけはやけに冷ややかだった。

「…………僕を抱きますか、君は」
そうでなければいい。
そんなことを思いながら、テツヤは征十郎へと手を伸ばした。征十郎の赤い唇が、自分の首元に寄せられたことに、歓喜と怖れをテツヤは抱いた。
これが望んだ結果だと、思いたくはなかった。


征十郎の片手が、そっとテツヤの下肢へと伸びていく。すでにゆるく硬くなってしまったそこを触って、驚いたように征十郎はテツヤを見下ろした。「……びっくりしました?」
薄く笑みを浮かべるテツヤに、征十郎は顔をしかめて「べつに…」と言った。
こんな状況でも反応してしまう自分に、もしかしたら嫌悪しているのかもしれない。征十郎はおそらく、女はもちろん男を抱くのは初めてなのだろうから。
たどたどしくなりがちな征十郎に、テツヤは身体をすこし起こすと征十郎の性器を布越しに触った。形をたどるように、ゆっくりと撫でながらまだ柔らかいそれを刺激するように緩急をつけて触る。

「……っ………」
「あ。暴れないでください。乱暴にしますよ」
するりとその白魚のような手をすべり込ませて、まだ柔らかいそれをてのひらで包み込んだ。その大きさにテツヤは興奮しつつ、その気になるようたちあがらせる。先走りがすこしだけ指を濡らして、布越しでもわかるくらいに形を変える。「どうです…僕の手で勃っちゃった気分は?」
見上げると、征十郎は快感から目のふちを赤くしてこちらを睨んでいた。うっすらと滲んだ涙が、ひじょうにそそられて、テツヤはぞくぞくとする背筋をとめられない。
爪を立てないように裏筋をこすってやると、びくりと身体を揺らす。
布越しに苦しそうなそれをテツヤはそっと出してやって、ゆっくりと口に含んだ。唾液を絡ませながら舌でなめると、征十郎は声を抑えたいのか、真っ赤にそまった顔で苦しそうに顔をしかめて呻くような音を出した。
我慢しなくても、と思いながらじゅるじゅると吸いながら手も使って触ってみると、「に、さ…ァ……!」と頭上から声がした。
片手が頭を離そうともがいているが、力が入りきっていないために意味をなさない。ひと際強く吸うように口をすぼめながら、出し入れすると、突如として青臭い味が口に広がった。粘り気のある精液を、口から垂らしながら飲み込むと、テツヤは征十郎を見た。
征十郎の頬は赤く染まり、射精したばかりの快感からか、肩を上下させて放心しているようにも見える。

「まだ、ですよ」
ベッドの上で座り込んでいる征十郎に跨ると、いつの間に脱いだのか、テツヤは下肢を晒し出していた。真っ白な細い太ももが、征十郎の太ももとこすれる。

「もっと付き合ってください。抱いてくれるんですよね」
射精したばかりの肉棒を触りながら、テツヤは征十郎を見下ろす。
すぐに勃ちあがりはじめたそれを触りながら、楽しそうに笑う。

「征十郎くん、初めてだから戸惑っているんですね。大丈夫ですよ…君が知らなくても、僕は知ってますから」硬くなった性器を、自分の後穴にあてがって、すこし苦しげな声を出してテツヤは腰を沈めた。
さっきとは違う、自分の性器を包むテツヤの内部に、征十郎は思わずテツヤの腰を引き寄せた。

「あっ…んぅ……! あぁっ…ん…」
引き寄せられたせいで、テツヤは内部の肉棒が敏感な部分に当たり、思わず悲鳴をあげた。
そしてそのわずかに力が緩んだ隙を、征十郎は逃さなかった。
すぐにテツヤを押し倒すと、繋がったままゆっくりと押し進めた。

「っ――! やっ…ああぁっ……!!」
「兄さん………」
痙攣しているかのように、身体を震わしながらテツヤは目の前の征十郎の身体にしがみつこうともがいた。足先がベッドのシーツをこするように動かされ、あまりにも力んでいるせいか足は血の気がない。征十郎が動くのと同時に、喘ぎ声をあげながらテツヤは涙で濡れた瞳で征十郎を見上げる。
上気した頬、悩ましそうにしかめられた顔に、テツヤは見惚れていた。

「もっと…もっとぉ、奥にぃ……!! 征十郎くっ…!」
「兄さん……!」
征十郎の腕によって抱き寄せられながら、テツヤは律動に揺れる。
後穴を穿つ肉棒からの刺激に翻弄されながら、生身の肉体の温かさに歓喜した。

やがて、征十郎がわずかなうめき声と共に射精をした。
絶頂を迎えたばかりだったテツヤのなかに、どろりとした熱い精液が注ぎ込まれていくのを感じていた。
「あっ…………ナカに、」
恍惚の溜息をはいて、テツヤは射精後の浮遊感でぼんやりと虚ろな瞳を征十郎に向けた。ベッドのシーツはふたりの行為のせいでぐちゃぐちゃになっており、シーツにこぼれおちた精液が染みになってしまっている。
ちらりと征十郎を見ると、その部屋の惨状にすこしはまずいと思っているらしい。わずかに焦りが見える。

「………シーツ」
ぱっと征十郎は顔をあげてテツヤを見た。
「ぐちゃぐちゃですね。……今日はここで寝れません」
そっと手を伸ばして、征十郎の腰あたりをさすった。口元に笑みを浮かべて、覗き込む。

「今日は、君の部屋で一緒に寝ませんか」
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PIXIVより再録

このまま終わりたい…ラストをどうするかとても迷っております。


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