↓の続き(R18)

午後5時、菊は時計を見ていそいそといま行っている業務を終えてから、玄関へと向かった。ドアの向こうからバタバタと走ってくる足音と、少年のかすかな悲鳴が聞こえてくる。
菊!と大きな声と共に大柄な少年が飛び込んでくる。

「お帰りなさいませ。アルフレッド様、マシュー様」
にっこりと微笑めば、アルフレッドとマシューも笑顔で返してくる。
アルフレッドは菊に抱きついたまま、腰に手を回していた。その手をさらりとたしなめて、菊はアルフレッドとマシューの荷物を受け取って部屋へと運んでいく。
部屋を開けて、荷物を置いてアルフレッドたちの制服をクローゼットになおしていると、後ろから腕がにゅっと伸びてきて、交差して抱きしめてきた。

「あ…」
「夜はアーサーから言いつけられてるんだろう?酷くしないから、さ」
首筋にくちびるを押し当てられ、あまがみされる。
ん、と菊が声にならない声をもらし、アルフレッドを見上げた。
「今日はマシューもしたいって………いいだろう?」

はっとして後ろを見れば、マシューが頬を赤らめてこちらを見つめていた。熱で潤んだ瞳は見覚えがあって、菊は無意識に喉を鳴らしてしまう。
ほのかな、熱をもった期待が、朝からくすぶり続けたままだった甘い誘惑が蘇ってくる。

「…夕食までなら」

そう言って菊はアルフレッドに抱き上げられた。

2013/02/15 18:39



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