▼ おそわれるやつ3 にこにこと悪びれない笑顔、むしろやっていることと浮かべている表情にあまりにも差があるので、菊は呆気にとられてアントーニョに乳を揉まれているのにも関わらず振り払うこともしなかった。 その態度に、不思議に思いつつもアントーニョは着ていたTシャツの上からブラをつかむと、そのまま上方にズラした。シャツのなかで菊の豊満な胸がぷるんとまろび出て、布地を左右に引っ張ったように窮屈そうに鎮座している。 ぷっくりとした大きい乳とは違い小さめの乳首がシャツの上からつんと尖りを見せている。それに加えてうっすらと隆起した乳輪が、白い薄手のシャツから桃色に透けている。 アントーニョはその尖りを指先でつついた。その刺激に、硬直していた菊がやっと身じろぎした。 「あ、あなた…何をしてるんですか……っ?」 ぱっと離れて腕を交差させて胸元を守るように縮こまり、じろっと鋭い瞳で睨みつける菊に、アントーニョは「あれー?」と首を傾げた。 「だって、そういう約束やん?」 「そうそう。君のかわいい後輩たちに手を出さない代わりにって……」 フランシスが腰かけていた窓のふちからやってきて、さらりと菊の腰に腕をまわすと綺麗に微笑みかけながら菊の顔を覗き込んだ。 「それは…こんなやらしいことではなくて……」 菊は口に出すのも憚られて、俯きがちに視線を逸らした。 落ち着かない様子でちらちらとここから逃げ出せやしないかといまにも駆けだしそうな足を抑えている。なんということだろう、殴るではなく、そういう意味でなにかをしたいだなんて……。 「何を言っても無駄なんだよ。お前は俺らに今日一日従う。そういうことだろ?」 冷たい声が降ってきて、菊は伸びてきた冷たい腕に無理やり顔を上に向かされた。 ぶつかった視線の相手はギルベルト――――猛獣のような欲に飢えた瞳がギラギラと光っている。身体が思わず震えた。 2014/09/16 21:56 |
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