Happy Halloween !



鈍く光る橙色のものををかぶり、廊下を急ぎ歩く。
窓から吹く潮のかおりを含んだ風に黒いマントがはためいた。


(おっ…と!)

手に提げたカゴからキラキラした紙に包まれたチョコレートが落ちた。

貴方は即座に拾い上げてカゴに戻す。


(よし、)

貴方はカゴをたいそう大事に胸に抱きなおした。












バァン!!

「トリック・オア・トリート!!」

勢い良く開かれた扉の向こうには歪な口元をしたカボチャ頭が仁王立ちをしていた。
手にはお菓子の詰まったカゴを提げて。


「すみやかにお菓子を出してください。さぁ、さ。お菓子を出してくださいよ。」

カボチャ頭は部屋の主にカゴを突き付けた。

これ以上どこに入れるのか。山盛り沢山になったカゴに部屋の主は苦笑する。



「よくもまァ、こんなに。」

「クザンさん。トリック・オア・トリートですよ。早くこの部屋にあるだけのお菓子をここへ!」

カボチャ頭の目がギラギラと光る。


「お菓子・・・ねェ。君の机の中くらいにしかないんだけどなァ。」

ちょっと探してくる、と部屋の主は隣接する自室へと向かった。


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mokuji

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