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ゼー・・・  ハー・・・


喉をえぐられた。


「ん あ、 は・・・っ」

濁音混じりな苦痛。

なんと息のしづらいことか。
体中の痛みを頭で感じながら必死に肺を働かせる。

(・・・だめ、落ちちゃだめ)

えぐれ、落ちようとする肉をあった場所に押さえつけ海軍制服のネクタイで巻き付けた。

(まるでスカーフだ。なんて不格好)

彼女はそれでも開いた瞳孔を敵に向ける。
最大の威圧を込めて睨んだが、敵は止まりそうにない。

血濡れた両手を左右に広げた。


(勝ちだけじゃ満足しないの?まだ、殺すの?)


そっちが向かってくるなら、自分はそれを討たねばならない。

そのためには血濡れにならねばならない。



スズは自分の身体の傷を周りにいた人間に移した。


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mokuji

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