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町に出ると、すでに昼をだいぶ過ぎているためか、飲食店には人がまばらにいるだけだった。
「ドフラミンゴ、なんでも頼んでいい?」
「フッフッ、好きなだけ食えばいい。」
「やったー!じゃあね、これとこれと、あとこれ!」
スズがメニューを指さしてウェイターに注文した。
「俺にはチョコレートケーキをもってこい」
「うそっ」
誰が予想しえたであろうか、ドフラミンゴの口から、チョコレートケーキという単語が出る。 それだけで、チョコレートケーキという言葉が訳の分からない外国の言葉に聞こえてしまう。
「チョコレートケーキ頼むドフラミンゴなんて私知らないや」
「そうかァ?たまには甘いモンも悪くねぇぜ」
「私はもとから大好きだもん」
「フッフッ、だから甘いにおいがすんだよ、お前は」
「うん?そうなの?」
スズは自分の腕をくんくんのにおう。
「あ、ドフラミンゴのにおいがする」
「あぁ?」
「ほら」
向かいに座るドフラミンゴへ、腕を寄せる。 ドフラミンゴはそれに鼻を寄せてにおいを嗅ぐが、いつも通り、スズの誘うような甘いにおいしかしない。
「フッフッフッお前のにおいしかしねぇじゃねえか」
「おかしいなぁ」
スズは反対の腕もくんくんと嗅ぐ。
(やっぱり、ドフラミンゴのにおい・・・)
嗅ぎなれた安心するそのにおいにうっとりとした。
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mokuji |