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ドフラミンゴの後をオーナーがついていき、二人が上の階へ行ってからしばらくすると 男の野太い叫び声と女の甲高い叫び声が聞こえてきた。 そして男数人とその連れの女たちが階段から転がるように降りてきて、そのまま一直線にホテルのドアへと向かい、外に出て行った。
一部始終をロビーでみていたスズは、上の階で何があったのか大体見当がついていた。 ドフラミンゴがきっと彼らを追い出したのだろう。 一目散に逃げて行った彼らはおとといからこのホテルの一番高い部屋に泊っていた海賊たちだった。
海賊たちが出て行ってからだいぶ経って、オーナーとドフラミンゴが階段を下りてきた。 オーナーは腕まくりをし、たくさんのシーツやタオルをかかえていた。
「またせたな」
そう言ってドフラミンゴは先ほどのようにスズを抱きかかえた。
「お、おろしてください!!」
また先ほどのように抗うスズだったが結果は同じで、腕はびくともしなかった。
オーナーの心配そうな視線をあびながら、ドフラミンゴはそのまま階段をのぼり、 このホテルで一番大きい扉を開け部屋にはいった。
部屋は綺麗に掃除されており、ベッドシーツや備え付けのタオルは新品のものになっていた。
(オーナーが片付けたのかな)
そう考えていると、スズはポイっとベットへ投げられた。
びっくりして自分を投げたドフラミンゴのほうへ目を向けようとすると 目の前にドフラミンゴの顔があった。
「フフッ!綺麗な目だ」
あと少し近づくと鼻がぶつかってしまう距離でドフラミンゴは話す。 スズはその場から逃げようとするものの、手足はがっしりと押さえられて動くことができない。
「無駄なことすんな。逃がさねぇよ。フッフッ」
「な、なんで私を・・・」
「あん?そりゃあお前が可愛いからだろ?」
「そんな、他にもっと」
もっと美人で可愛い人なんてたくさんいる、と言いかけたところでドフラミンゴからのキスによって口をふさがれる。 頭を押さえる腕は、顔をそむけることを許さない。
キスはとても深く、濃く、長く、スズの頭の中を痺れさせるのには充分だった。
「っ・・・」
スズは鼻で息をするのも忘れ、重なり合う唇の隙間から酸素を獲ようとする。 しかし、満足に獲られず、苦しさの余りドフラミンゴの胸をドンドンと叩いた。
「っは、あ、」
唇が解放されると同時に、スズは大きく呼吸をした。 その姿を楽しむかのようにドフラミンゴは静かにそれを眺めた。 彼の腕はスズの胸を弄り、スズは顔を赤くして背けた。
「やめて、ください・・・」
「無理だな」
「だ、めっ です・・・」
「駄目なワケねぇだろ」
「・・・いやですっ」
「じゃあ、存分に嫌がりな」
ドフラミンゴの腕はどんどんと下へさがり、スズのスカートの中へ侵入し、太ももを撫でまわす。 自分よりも暖かいその手が気持よくて、スズは声がでそうになる。
それでも耐えるように震えるスズへ追い打ちをかけるように、ドフラミンゴはスズの首に口づけた。
「逃がさねぇよ。俺が満足するまでな。フッフッ」
その後、スズはずっとドフラミンゴの部屋に囚われて肉体労働を強いられることとなった。
ドフラミンゴがホテルを出る日、 女を俵のように担いで歩くピンクの毛玉のような人間がシャボンディ諸島のあちこちで目撃された。
end.
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