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ドフラミンゴは1番GRに用事があると言ってホテルを出て行き ホテルのロビーではスズとオーナーが二人きりになった。
「オーナー、さっきの人誰だったんですか?」
先ほどのオーナーの態度が気になったのでスズは尋ねた。
「ああ、このホテルの経営者さ。わかりやすく言えば、僕の雇い主だね。」
「スズちゃんの雇い主の雇い主」と言うと、オーナーはタバコの煙をぷかっとはいた。
「そうなんですか。私はじめて見ました!最初、ホテルの前に怪しい毛玉が転がってるのかと思いましたよー」
「もこもこしてらっしゃるからな。でもそんなこと本人には言うなよ。俺が言ったことも絶対言うな。 あの人は王下七武海の一人だ。気に障りでもしたら殺されるだけじゃすまないぞ」
真剣な顔つきで話すオーナーにスズは背筋がぞくりとした。
「き、きをつけます!」
「しばらく滞在されるだろうから、すまないがいつも以上に丁寧に接客してくれ。」
「は、はい・・・!私、買い出しいってきますね!!」
あまり怖がっていてもよくないと思い、気分転換ついでに買い出しにでることにした。
スズがボンチャリを漕いでいると視界の端にピンクの塊が見えた。
(す、素通りしたい・・・)
気づかれぬように通り過ぎようとした瞬間、自分の腕が意思に反してドフラミンゴのいるほうへとハンドルを向けた。
「な、なに?!ぶつかっ・・・きゃああ!」
ボンチャリがドフラミンゴにぶつかりかけたとき、ボンチャリのブレーキを手が勝手に締め急停車した。 その反動で、スズはボンチャリから落ちてしまう。
「うっ・・・いた、くない?」
なにかもこもことしたものに包まれて地面に衝突したような痛みは全くなかった。
「フフフッ!会うなり胸に飛び込んでくるたぁ、大胆なことしてくれるじゃねぇか!」
愉快そうに笑う声が頭の上から降ってきたので、スズはそちらに顔をあげると さっき見た金髪とサングラスがそこにあった。
(ドフラミンゴ・・・!)
「わざわざ迎えにきてくれたのか?フフッ!」
スズの髪を艶めかしい動きで指に絡めなら、長い舌で唇をなめた。
「すみません!!あの、大丈夫ですから降ろしていただけますか?私、重いでしょう?」
「こんなモン重いうちには入らねぇよ。」
そういいながら、ドフラミンゴは地面へと降ろしてくれたのでスズがホッとしていると膝の下に腕をいれられてまた持ち上げられてしまった。 俗に言う、お姫様抱っこをされてしまったのだ。
「!!?」
「フッフッフッ」
恥ずかしさのあまりばたばたと腕の中でもがくスズ。
(何!?これ!腕がびくともしない!!)
スズのような普通の女性が七武下海の一人に力で勝てるわけもなく、 いくら足掻いても全く意味をなさなかった。
ドフラミンゴに抱きあげられたまま、スズはホテルまでの道を引き返すこととなった。
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mokuji |