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「青雉さん?!」

「スズ・・・」

そのままぎゅう、と青雉はスズを抱きしめた。
身長差のせいで覆いかぶさるように抱きつく青雉。
スズはその青雉の首元に自然に顔を埋めるかたちになった。

「うー・・・離してください、降ろしてください・・・」

「・・・首元で声出されると、いやらしい気分になるよね」

「!!」

スズは目を丸くさせてびくんと一瞬、跳ねあがるような仕草をみせる。

あんなことを言われると、文句を言おうにも喋るのがはばかられた。

(久しぶりに仕事が早く片付いたからって調子にのって・・・!
うう!腕びくともしない!)

ぐい、と腕を退けようとするが岩のように固く、動かすことができない。

そちらに集中しているスズは青雉の顔がこちらを向いたのに気がつかない。



かぷっ


スズが腕と膝からの脱出法を考えて大人しくなっている隙を逃す青雉ではない。

「っ!!」

スズの無防備な耳を、青雉が咥える。
咥えたそこをぺろりと舐め上げるとそのまま口を下へ移動して耳たぶを甘噛みする。


「ん や・・・ぁ、」


耳からの刺激と、間近で感じる青雉の吐息に、自然と堪えるような声が出る。


「くすぐったっ、い!」

「うん」

「声っ・・・、駄目ですっ」

「うん、わかってる」

「わかってな いです・・・っ!」

スズの大好きな青雉の声が、その振動が、そのまま脳を痺れさせる。

その痺れはじわりじわりと体を蝕んでゆく。


(そんなことされたら、)



(我慢できなくなるじゃないですか・・・)


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mokuji

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