開いたのは、ガープの部下が働く部屋の扉であった。

「なんだコビー、こんなとこにいたのか」

「あれ、ヘルメッポさん。中にいたんですか」

開いた扉の間から顔を出したのはヘルメッポであった。
「あぁ暑い暑い」と服の襟元をぱたぱたと扇ぐ。


「お前が遅いから迎えに行こうと思ってたんだぜ?」

「すみません。部屋の中に入ればよかったですね。もう、すぐに訓練所に行きますか?」

「いや、すまん。時間ずらしてくれ。」

ぱん!と目の前で手を合わせ、ヘルメッポはコビーに頭を下げた。

「こないだの遠征の書類、出してないの俺だけらしくて、今から説教されてくる!すまねぇがしばらく時間潰しててくれよ!」

じゃあな、というとヘルメッポはまた部屋の中に戻っていった。


コビーの友人の男は嵐の去るのを眺めていたような気分になった。


「忙しないな」

「うん、時々ね」

自分がそれほどのんびりした人間ではないと思うが、彼と比べるとそうなのではと思うことがある。
モーガンという父を見て育った彼は自分より幾分も辛い思いだってしたのだろう。


「ヘルメッポさん、あれで結構きびきびと働く人だから」

「あぁ、雑用やってたときに見てた。
それはそうとお前、これから暇になったのか?」

「ええ、暇ですよ」

「じゃあ飯!飯食いに行こうぜ!」

「ええ、ご一緒させてください」


そうして二人は食堂へと向かった。


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mokuji


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