![](//static.nanos.jp/upload/tmpimg/35650/33.gif) ![](//static.nanos.jp/upload/tmpimg/35650/33.gif)
「さて、と。そろそろ楽になりたい?」 よっこいしょ、とクザンはスズの膝を退け、両の脚の間に自分の体を割り込ませた。その様子をスズはぼーっと眺める。 「私は、別に大丈夫ですけれど...楽になりたいのは、其方でしょう?」 先ほどの仕返しとばかりにそう言い返したが、実のところ身体は疼いてより強い刺激を求めている。尻と床板の間の少し不快な感触はまさしく快楽からくる粘液によるものだ。 スズのささやかな反抗に微笑みで返事をしたあと、クザンは右手中指をスズの秘部、豊かな肉の中にゆっくりと埋めた。 「あ...」 体内を侵す自分以外の物質に背筋が粟立つ。 スズの性感帯がどこかなんて、クザンにとっては愚問である。幾度となく抱いて知り尽くした身体だ。けれども回り道をするように指の腹で目的とは別の場所を撫でてやれば彼女は「もっと」と催促するような困った顔で見つめてくるのだからたまらない。そもそも、クザンに彼女の快感のツボを指で弄るつもりなんて毛頭ない。指なんかで先にそこへ到達してしまっては面白くないのだから。 挿入した中指は抜かずおなじく右手の親指でピンと張った肉芽を押しつぶした。芽がくにゃりと折れるのと同時にスズが嬌声を上げる。 「ッやぁ...ん!」 一瞬にして彼女の身体が強張る。何かに縋り付きたくて、両の膝でクザンの身体をぎゅうと挟んだ。 「もう一本増やそうか。」 「ふぁ...。」 薬指を追加で挿入する。きつく中指を締め付けていたにもかかわらず蜜所はすんなりと薬指を迎えいれた。 中に入れた指は引っ掻くようにして抜き差しし、親指で芽を弾く。そうするとスズの身体は面白いように跳ねた。 「あ、ぁ...クザンさっ...や、だ..」 嫌だなんて方便。 「っふ...あ、んッ...やめ、て」 やめてほしいだなんて微塵も思ってないくせに。 まだ打ち消すことのできていない理性がそうさせるのか。スズの口からは否定的な言葉がぽつぽつと漏れる。 この言葉を信じて指の律動を止めてしまえば「止めないで」って言うくせに。クザンは一層深く指を差し、引き抜いた。 「ひゃ、んッ」 スズが脚を身体に引き寄せたことで白い太ももがクザンの腕と体をを抱きしめる。 「ほら、じっとして。」 空いた左手で彼女の二の腕と床板を縫い付ける。 「....クザンさん。」 「....そんな目するな。」 スズの上にのしかかって、だらしなく下がった瞼にかぶりついた。そして目じりにたまった涙を舐めとってやる。 「....まだ煽る気か?」 入れたままであるが動かしていない指を物欲しそうに締め付けるスズ。もしこの指が自分の雄だとすれば、そう考えるとガスを流し込んだように体の奥で火が猛る。彼女の望むままに彼女の一番感じるところを押してやれば電気を流したように短い痙攣のようなしぐさ。 「あッ!!くぅ...ん....」 しばらくして、くたり、と脱力したので「もしかして」とクザンはスズに尋ねた。 「いっちゃった?」 嬉しそうに聞く彼を「バカ」とささやかに罵倒してから向けられた質問に対して否定の言葉を述べた。 「びっくりしただけです。突然、卑怯です。」 彼女が真っ赤な顔を隠してそんなことを言うから、クザンの加虐心はボンと爆発した。 スズに挿入していた右手を引き抜き彼女の目の前に持って行ってやる。指だけではなく掌にもたっぷりの粘性の液体がまとわりついていて、それは彼女の否定しきれない現実。スズはその手を凝視しながら口を半開きでわなわなと震えた。口の端からは消え入るような音で「それは」だとか「違う」とか拙い弁論の切れ端が漏れていく。もちろん説得力は皆無だ。 別にさっきので達していても達していなくてもどちらでもいいのだけれど。 見せていた手を血がたまって硬くなった陰茎に置いて、粘液を潤滑油のように塗った。 「いれるね。」 彼女の頬を擦り寄せたくなるような太ももを割って、自分の腰を彼女の体に押し当てる。 ぬめる肉の中心に先を押し当てて、心地良い圧力のかかるなか奥へと差し入れる。ほんの1ミリ進むごとに「待っていました」と言わんばかりに締めてくるのがまた愛らしい。 「んっ....。」 「痛くない?」 「だいじょぶ。」 いつもより高い声音が彼女の腕の下からくぐもって聞こえる。そうやってスズはせっかくの可愛い顔を隠すものだから、クザンは遮る腕を掴んで彼女の頭の上に退けた。 「スズ。」 「ひあッ....」 不安そうにきょろきょろと視線を泳がせるスズに声をかけてから身を押して一番奥を突くと、パチンと長い睫が降りて涙を拾ってからヒクリと上へあがった。出来のいい絵画を見ているようで月並みの「綺麗」という言葉が浮かんだ。
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mokuji |