スズは手に持ったタオルを勢いで力強く握りしめた。


「露天風呂な酒風呂で雪を見ながらお酒をくいっと・・・」

「こらこら。お酒は出ないよ。風呂一杯にあるけど」

胸を躍らせて準備をするスズ。
その手を止めてくるりとクザンのほうを向いた。


「そういえば酒風呂は入ってて酔うことはないんでしょうか」

「? そうねェ・・・お酒弱いと駄目なんじゃないかな」


「そうですか、酔い潰れないようにしないといけませんねェ・・・で。はいこれ!」

バッと差し出したスズの手に平べったい包みが乗っていた。


「? 俺に?」

「はい。誕生日おめでとうございます!」


「! ありがとう。へェ、いつの間に誕生日なんて調べあげてたの?」


「サカズキさんとボルサリーノさんに聞きいたら快く教えてくれました」

いつかスズはサカズキにクザンの誕生日はいつなのか聞いたことがある。
その時、たまたま部屋に入ってきたボルサリーノに散々茶化されたのは今も忘れることができない。


(裸リボンにケーキプレイって、もう何が何やら・・・思い出すと背筋がぞわぞわする・・・)


「それにしても唐突だねェ」

トラウマをひっぱるスズのことなど何も知らないクザンは、突然渡されたプレゼントを不思議に思った。

「なぜか今渡さないとダメだと思いまして・・・」

謎の焦燥感。

「この機を逃すと今日中には渡せないような気がしたんです」

「? まァいいや。ありがとね」

「はい!」




「お誕生日おめでとうございます、クザンさん!」

笑いながらもう一度そう言ったスズをクザンは覆い被さるように抱き締めた。





→ プレゼントの中身


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mokuji

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