紫杏詩

三日月の航路と眠る理由と
真空の夜に呼応する巡回
冷気を帯びた揺らぎが循環して
帰る所を忘れてしまった僕達の唄

無数の星は波の飛沫(しぶき)のようで
時の音ずれは花びらのように舞い落ちていく

永遠を探している
永遠に探している

コンパスの中の一瞬を繋いで
望まないまま見る静かな暗闇より

仰ぎ見た一粒の強い輝きが
このうたかたを嘲笑う様を
強く焼きつけたいと願う僕らの唄

通り過ぎる深い夜を吸い込んだ
肺の中で燻る言葉にならない痛み

いつまでも君に
伝わらなければいいのに