malus


ここで無限を知って
夜の帳が降りる時を数えた
目を閉じたまま眩しさを浴びて
燃えるオレンジに歯を立てるような

それは七重の鉄壁に似てるから
ここで無間に爪弾く艶音
世界は、
僕は、
あなたは、
いつも四隅の犬を従えているのだろう

怖いもの知らずの君は笑い
訳知り顔で歌ってる
“ここと向こう側には違いなんか無くて
覚めない夢幻が
私達の触発した琴線を飲み込もうと
口を開けているだけ"


僕は鼓動のリズムを頼りに
無弦の音を聴き さ迷って

いつしか疲れ果てて眠るまで
束の間の果実を食み
満たされない空腹の
ひとを失わない為の飢餓を行く



- 3 -


prev next


- ナノ -