アルファ


体内に持つ鍵を
爪の先でなぞって探る
鉄の螺旋溝を降りるまで

螺子切で削られた
長く蝕む春色は
紗幕の回廊を美しくする
浅いロジックによく似てた


掲げる秘中に侵された刹那
雫と隙間へ落ちる時
彼方のアルファが
逆さまの渦を手放すならば

見出す楕円に着替えた僕の底辺は
耳朶よりも愛されている


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