アルファ
体内に持つ鍵を
爪の先でなぞって探る
鉄の螺旋溝を降りるまで
螺子切で削られた
長く蝕む春色は
紗幕の回廊を美しくする
浅いロジックによく似てた
掲げる秘中に侵された刹那
雫と隙間へ落ちる時
彼方のアルファが
逆さまの渦を手放すならば
見出す楕円に着替えた僕の底辺は
耳朶よりも愛されている
- 4 -
prev
next
- ナノ -