confusion


虹彩に刻まれたカノープスの記憶
瞳孔で辿った
眠る水中花のありか
企てた計画は
たった今アンドロメダの果て

口火を切るのが常
囁けるアルビレオが
潜水士と交わる合図に合わせ
湖の辺(ほとり)へ裸足で出向く
無数の光と重なりながら


震える冷気だけが解き放つスピカの孤独を
一つ残らず張り詰めた糸で繋いでいく

俺は何も言わずに祝砲を撃った
シリウスを感じたあの日に向けて





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