『その代償』



目が覚めると何かがおかしかった。天井は、変わりない…
ああ、壁がいつもと逆なのか



…逆?

「……っ!」

一気に覚醒して勢い良く起き上がると腕の中にはシロクマのヌイグルミがいて酷く驚いた。
どういうことなのか。そう暫く考えると何となく昨夜のことが思い出された。

「あぁ…」

そうだった、発端はこのシロクマだ。
だがしかしなんで俺はこんなところで寝てしまったのか…
少し部屋を見渡すがその限りでは部屋の主の姿が見えない。
取り敢えずベッドから出――…

「うぐっ」

ベッドから足を下ろしたところでむぎゅっと生温かいものを踏んづけた
次いで苦しげな声があがったので

そろりと、下を見てみる

「…ト、」
「っー…あぁ、おはようユースタス屋」
「…お、おぅ…」

踏んづけていたのはトラファルガーの薄っぺらい腹だったようで、慌てて足を上げる

「ワリィ…踏んだ」
「あぁ、中々痛かったぞ…ユースタス屋でなかったら殴ってたな」
「…どう言う意味だ?」
「……どう言う意味だろうな?」

俺でなかったら…一応、恩を感じてるって意味なのか?
と言うか言った本人が首傾げてやがる

「おい、今何時だ?」
「あー…7時」

携帯を開き時間を確認するトラファルガーを見ながら溜め息を吐く
仕事に行くまでの時間には余裕があった

「身体が痛ぇ…」
「…なぁ…俺」
「いやぁ…ほんと、気持ち良さそーに寝てたな。そりゃあ俺のベポを抱いて寝たんだから寝心地も良かっただろうさ…なぁベポぉ…」

さっきまで俺が抱いてたシロクマ…ベポを抱き寄せながらグチグチと。
正直ウゼェな…口には出さねぇけど


「ユースタス屋」
「あ?」
「俺は目玉焼きはしっかり火を通す方だ」
「…飯ねぇからパンだぜ」
「コーヒーはブラックな」


ニヤッと笑うトラファルガーの背を軽く蹴り立ち上がると何故か奴まで立ち上がって後をついて来ようとする

「…来る気か?」
「なにか見られたらマズいもんでも?」
「…勝手にしろ」



一晩シロクマのぬいぐるみと寝た代償は朝飯となった







(ユ、ユースタス屋っ!?)
(…なんだよ)
(目玉焼きに何かけてんだ…)
(?ソース)
(…!普通しょうゆだろ?!)
(はぁ?普通はソースだろ)
(いや!しょうゆだっ)
(ソースなんだよ!)







今回(も)支離滅裂。
不覚のお泊まりと目玉焼きの件を書きたかっただけ。
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -