もういくつ寝ると


年末、わざわざ実家に帰省するなんて面倒臭いローとキッドはせっかく(恋人同士)だし一緒に過ごそうかと約束をしたのがローが大学の冬休みに入った日だった

「ユースタス屋、餅と蕎麦は買わなくていいぞ」
「あ?なんで」
「送ってくれるって。餅は大量に送ってやるって言ってたから覚悟が必要だな」
「…」

2人して少しゲンナリとする。トラファルガー母は、おおらかと言うか…少々、懐が広過ぎる気があり
不定期に送られて来る生活物資は箱一杯がうどんだったりラーメンだったり…とにかく一種類を目一杯送りつけてくるのだ。
蕎麦はともかくとしても餅がどれ程届くのかある意味では楽しみであり、朝昼晩それも一ヵ月以上を餅を食って過ごさなければならない事を考えれば今から胸焼けを起こしそうだった

「…ま、なんにしても有り難ぇけどな」
「只、ダシとかは自分でどうにかしろって言ってたぜ。うちの蕎麦手打ちだからな」
「おう。」



数日後、荷物が届きました


「…お前、家では大食らいキャラでも作ってたのか?」
「バカ言えユースタス屋。俺が作ってたキャラは世界の創造主=俺、くらいなもんだ」
「中2病は筋金入りか」

10kgの餅に蕎麦、そして別の箱にはおそらくお歳暮でもらったものであろう缶詰やハムやらがゴロゴロ入っている

「まぁ…全部日持ちするからいいか…」
「お。ユースタス屋にもあるな…ん、貰っとけ」
「は?…なっ!貰えるわけっ」
「いんだよ、受け取れ」

食品そっちのけで箱の底をあさっていたローは漸く見つけた二つの内一つの封筒をキッドへ差し出す
首を傾げつつ中を見るなりキッドは驚きそれを突き返していた

「早ぇけどお年玉だってよ。」
「なんで俺まで…」

へらっと笑いながらキッドへとそれを押し付けて
ローは自分の分をひらひらとさせる。

「また来年も俺の面倒見てくれって言う意味だ」
「…余計、貰いたくねぇよ…バカ」

キッドは苦笑し、少し照れくさそうにしながらもありがたくお年玉を受け取ると顔を伏せる
ローがくしゃりと頭を撫でると鼻をすする音が聞こえた



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
親への近況報告に「大丈夫、ユースタス屋がいるから平気だ」と、毎回答えるロー。
トラファルガー母は安心しきってキッドに任せてます。
息子が増えたわ〜って感じ。
因みに恋人だとはばれてないです。

キッドは早くに家族の温かさから離れていたので久々に感じる温かさにちょっぴりじんわりしちゃったみたいです(フォローせんと伝わらないという^^;)


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