俺とユースタス屋は
今、向かい合っている。



「おら、顔かせ」
「なんだユースタス屋、喧嘩売りか?そんなのおれが負けるに決まって…あだっ」
「くだらねぇことはいい。…ん、終いだ」
「痛い痛いっ…もう少し優しくしろよ…」

ペタッと少々荒い手つきで頬の傷に絆創膏が貼られ手当てが済んだ
指は右手の人差し指の第1関節から指の付根までを歪に切っていて、思いの他深い傷。

曲げると傷が開くからと、多少血が止まってから消毒液をぶっかけられ、ガーゼで覆われてテーピングを施された。


「傷はどうだ?」
「暫くすりゃ血も止まんだろ。縫うまではなさそうだが…腐って指が落ちても俺の知った事じゃねーよ」
「「…」」

なんだか物騒なことを言われたな…
それよりも。
さっきからユースタス屋と親しげにしている金髪の奴
前髪が長くて良く顔が見えねェ…キラー、とか言う


「…トラファルガー、と呼んでも?」
「どうぞ。……皿、片付けてくれてアリガトウゴザイマシタ」
「いや…。俺はキラーと言う…キッドと同じように接してくれて構わない。因みに俺とキッドは幼馴染みだ」
「…」
「聞きたかったんじゃないのか、俺達の関係を」

口許に笑みを浮かべてキラーとか言う男は俺を見下ろした。
と、言うか見下してやがる…

今手当してもらったばかりの手で握り拳を作るととうとうキラー屋は喉で笑い出した

「…冗談だ、そう敵対心を燃やすな、トラファルガー…煽りたくなる」
「テメェ…」
「お前らなにコソコソ話してんだよ」

訝しげに割り込んでくるユースタス屋に別にと口許で笑うキラー屋
何を考えてやがる…

「ただ、トラファルガーも一緒に飲もうと誘っただけだ」
「ッ!?」
「はぁ?つってもまだそいつ未成ね」
「大丈夫だ…酒は飲める」
「…だ、そうだぞ」
「テメェらなぁ…」








「っ…」
「大丈夫か?」

目ぇ、回る…

飽きれながらも招いてくれたユースタス屋達と、初めてに等しい酒の飲み会
これまで甘い酒を舐めるくらいだった俺なのにユースタス屋の作った軽食の美味さと、キラー屋が俺に合わせて振ってくれる話題も手伝っていつの間にかかなりのアルコールを飲んだ
ふわふわぐるぐるして最初はアルコールのせいで痛みの酷かった指の傷も今は全く痛みを感じねぇ

「かなり酔ってるな…身体揺れてるぞ」

キラー屋が俺を見てる…?
う、あ…視界がグニャグニャしやがる

「こいつ顔に出ねぇな…ザルかと思っだぜ。おい、トラファルガー?」
「ぅ…あ、ちぃ…」
「あー、バカ…脱ぐな脱ぐな」

ユースタス屋が苦笑してる
なんでだ、キラー屋…が、なんか…
あ、すげぇ眠い…






(ちょっと待て、コラ…寝る前に水飲めトラファルガー)
(んんー…ユースタ、んぐ……)
(ったく…世話の掛かる野郎だぜ…)
(ユー、スタァス屋ぁあ)



 ̄ ̄ ̄
更に次回へ



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -