*初潮ネタ注意




「ユースタス」
そう声をかけられたと思ったら腰を抱き寄せられていた




…、だるい
なんの罰なのかおれの身体は女のそれになっちまって、それは2週間あろうことか1ヶ月過ぎても元には戻らない
もう隠しても置けないよなと考えあぐねていたある日自宅に乗り込んできた教師にバレ
おれは女として学校に通う事になった。
別に元は男だから制服は男子のもので構わないと言ってくれた教師を余所にトラファルガーと…何故かキラーにも押し切られ女子の制服を着ることになった。
初めはスカートの心許無いひらひら加減に落ち着かなかったが、慣れと言うものは恐ろしい

そんなこんなで多少周りから好奇の目で見られつつも、あまり支障なく生活を送っていた
だが、今日のこの身体にのしかかる怠さと熱っぽさは何なのだろうか
目を閉じればスパークする瞼の内側…

「ユースタス屋?」

机に突っ伏していると微妙な加減で冷えた手が頭に乗る

「…よお、ペンギン」
「ユースタス顔がいつもより白くないか?」
「おれをナチュラルに無視するユースタス屋が嫌いだが大好きだぞユースタス屋」
「……」
「…」
「…」

突っ伏した顔を上げるとトラファルガーとペンギンがいた
トラファルガーが至近距離で顔を覗き込んでくるが生憎おれにはテメェは見えちゃいねぇ(ことにする)

「なんか存在を否定されてる気がしないでもない」
「されているんだと思うがな」

トラファルガーの頭を軽くはたきながらペンギンが弁当を掲げる

「飯、他の奴はもう屋上行ってるぜ」
「あぁ、悪ぃ今行く」
「ユースタス屋…本当に顔色悪いが体調でも悪いのか?」
「…ちょっと、身体がだりぃだけ」
「…」
「…」
「あれ、おれ今無視されてなくない?」
「ああ、お前今存在してるな」

首を傾げてきょとんとするトラファルガーを余所に怠い身体を起こして席を立つ

「……ッ、?」
「…ユースタス屋?」
「あ、いや…なんも」

今なんか…出

「ユースタス」
「は…うお!?な、ペンギン?」

席を立ち上がり椅子から離れた途端に何故かペンギンに背中から抱き付かれ
おれとトラファルガーの時が止まる

「ぇ…」
「テメェ、ペンギン…!」
「ロー、今日は赤飯だ」
「はぁ?」

背後からペンギンにボソボソと耳打ちされとにかく大人しくしておけと言われる。
大人しくもなにも、と困惑していると赤飯がどうのって…何わけ分からん事を

「…赤飯…」
「本当に女なんだな」
「何がだよ」

背後に立ったままのペンギンがおもむろに上着を脱ぎおれの腰に巻付けだした
トラファルガーの友人だけあってペンギンもよく不可解な行動をする奴だ

「今失礼な事言われた気がしたが?」
「声なんて出してねぇだろ」

目に掛かる髪の間からの射るような視線に思わず視線を逸す。そうしてる間に机の下に入れたばかりのおれが座っていた椅子を見ながらトラファルガーは一人納得していた

「そこはおれがやっておくから保健室にでも連れていってやれ」
「悪ぃなペンギン」
「トラ…っ!?」
「ユースタス屋」

手を引かれ思わず身体が傾き手を引っ張ったトラファルガーにもたれ掛かる

「大人しくおれの言う事を聞くか?抵抗するか?」
「あぁ?つーか保健室ってなんだよおれは」
「どうにもなくないだろ」

妙に真剣な目で見つめられ言葉が続かなくなる
一体さっきからなんなんだ…ペンギンといいこいつといい
「ユースタス屋、これ持て」
「あぁ…」

トラファルガーまでも上着を脱ぎおれに持たせる

「んじゃ、行くかユースタス屋」

と、トラファルガーがおれの身体を横抱きにして持ち上げた

「なっ!?」
「暴れるなユースタス屋…それから自分の膝にそれかけろ。じゃねーと襲っちまうぜ?」

ぐっと肩を抱く手に力を込められ、不本意ながら萎縮してしまう。
渋々言葉に従いながらトラファルガーの上着で膝を覆い
危なげない足取りでトラファルガーは保健室へと向かう中おれは大人しく身を委ねるしかなかった







「お前さ」
「あ?」
「本当に女になったみたいだぜ?」
「ああ?どっから見ても」
「初潮、おめでとう」
「………」
「保健室行って、カリファに言えば対処してくれる」
「…」
「ジュエリー屋にも、伝えとくから」
「…」
「…んな、顔すんな」

ユースタス屋に生理が来た。身体は年頃の女なんだから当たり前っちゃ、当たり前なんだろう
だが、ユースタス屋は元は男で…そんなの、そんなとこまで変化しちまうなんてまったく思いも寄らなかった。


「あら…」

保健室にユースタス屋を連れて行き、保健医のカリファに説明するとそう呟いてユースタス屋を衝立の向こうへ連れて行った
おれは丸椅子へ腰掛けて待つ事にしたのだが

小学校の高学年の頃、1、2回保健の授業が男女別になった事があった。
あの頃はなんでだろうとか、女子は俺たちみたいに夢精やらちんこの勃つ仕組みやらを習わねぇのかとか…そんなことを思っていたのだが。
つまり、そうか…女子はこう言う…あれの付け方とかパンツの洗い方とか習ってたのか

「セクハラです」
「っ…いやいや、不可抗力だ。あとおれも勉強になったし」

ボケッとしながらも女子限定秘密の授業をしっかり聞いていたおれは拳を掲げたカリファにセクハラセクハラと連呼された。
お前の格好がセクハラだと言ってやりたい。深いスリットから出た太股やら胸元開け過ぎの際どい格好しやがって

「セクハラです」
「あんたにゃ興味湧かねぇよ。ユースタス屋は?」
「体調が優れないようよ。ベッドにいます」
「そ……ユースタス屋?」

衝立の向こうにあるカーテンをそっと捲ればユースタス屋が…

「あ、着るもんねーのか」
「…返事してから開けろよ」

上にブラウス着てるだけの格好でベッドに座っていた。
スカートを汚しちまってたから仕方ねーか
見慣れない縞縞のショーツからなんとか目を離す

「後でジャージ持って来てやるよ」
「…ん」
「体調悪いか?」
「、…」
「は?」
「なんか朝から…腰が、重いっつーか…腹が痛いっつーか…」
「生理痛ってやつだな」
「…女って、すげぇな…だってよぉ血が」
「いい、言わなくていいっ」
「…」
「…」

目元の赤いユースタス屋が、さっき衝立の向こうでカリファに教わりながら泣いてたんだろうと思うと苦しくなった
おれだって自分がいきなり女になって下半身事情がわけわからんことになったら絶対泣く。
腹の中まで、変っちまったんだな…

「…っ?」
「おれ、優しい男だからさ」

細くて頼りなくなっちまった腰を優しく擦ってやるとユースタス屋は俯いちまった

「自分で言うなバカ」






「…普通炊くか?」
「いっそ本気で目出度いって思えば気分変るかなぁって」
「…なんか食う気しねぇなァ」
「…悪い、無神け…」
「や、そうじゃなくて…女ってほんとわかんねーなぁ…なんであれ見たあと赤飯とか」
「あ、もういい、もういいよユースタス屋っ」






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女体ネタまさかの2回目
実はこのネタが書きたくての女体ネタでした。
女になってびっくりしたり困ったりするのが本人だけではなく周りもだと言う事を書きたかった。
そんなにアレ出なくない?って思うかもですが量は人それぞれってことでっ


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