あの赤と視線が交わった瞬間おれは骨までしゃぶり尽くされた。
逃げる暇もなく捕食され
内側から外側からどろけていく




「おら、口閉じてねぇで開けろ、舌出せ」

散々殴られ鼻の中も口の中も自分の血で充満してる。腫れて舌に触れる内側の頬肉と切れた口端が重く痛む
口に溜る血や唾液、鼻から下りる血を吐き出したいが口を開いたら絶対悍ましい事が起る。
眼前に突き付けられる怒張しきった男の性器が先を濡らしてぬらぬらと光りおれの唇を狙う

「トラファルガー。顎砕かれんのと歯ァ全部折られるのどっちだ?」
「ぐっ…がはっ!!?」

赤く濡れた唇をつり上げユースタスが笑い同時に動く脚がおれの右肩を蹴り上げた
体内の空気が全て抜けたような圧迫と衝撃に息が詰まり、開いた口から嚥下することも出来ず溜めていた唾液と血が混ざり合ったモノをビシャリと吐き出す。
粘度のある唾液が口から滴り落ち、それを気にする余裕もなく酸素を求め息を吸うと唾液や鼻からの血が喉や気管に絡み思い切り噎せ咳き込むがタイミング良く開いた口いっぱいに熱の塊が押し込められた

「歯ァ立てやがったら本当に顎砕いて歯ァ抜いてやるからな」
「げっ、ぇ!がふっ…ぐんんッ!!グッ、エ…っ!うぇえっ!」

滑る口腔から喉の奥までずるずると行き来する自分と同じ男の性器。舌に押しつけるように腰を好き勝手に揺らすユースタスを今直ぐ殺してやりたいのに手は背後に拘束され動かせず左足は膝を砕かれている。何よりも先程蹴られた右肩や胸元が酷く痛んだ
どうやら鎖骨と胸の骨を砕かれたらしい
せめて睨んでみたが殴られて瞼が腫れ上がり潰れた右目と痛みから出る涙が溢れる左目だ。なんの効果も期待出来なかった

「が、ぁ…う…ッ…あぶっあ…ぅええッ!」

堅く張ったカリが喉を抉り嘔吐く度に締まる喉がぐきゅぐきゅと妙な音を出す
嘔吐く度に胃がせり上がり酸が食道や喉を焼くといよいよヤバい。
鼻は乾き固まった血で通りが悪く口は言わずとも悍ましいモノで塞がれたまに入る酸素も僅かなものだ。
嚥下出来ない唾液が唇と性器の透き間から顎や性器をダラダラと伝い絶えずに流れ糸を引き落ちる

「オ、ェ…ッ!ぐ、う…うげぇえっ…!!」

酸欠でふと身体の強張りが一瞬解けた
ばしゃばしゃと胃から駆け上がった反吐が性器を咥えたままの口から吹き出て対面するユースタスの服や性毛を濡らし自分の顎や服にもベタリと這い落ちる
白くスパークする視界とガンガン鋭く痛む頭に思考を飛していると逆流する反吐の酸味に混じり喉にぬとりと絡む液体が注がれた

「うっ…!」
「吐くんじゃねェ」

髪を掴まれ顔を跨ぐ様にしながら根元まで突き立てられた性器で口を塞がれる。
鼻先に反吐に濡れた性毛と下唇に睾丸を押しつけられながら喉を上下させた

「っ…そのまま、大人しくしてろ」

目を細め、強く掴んでいた髪を放しその手で優しげに頭を撫でるユースタスは少し頬を染めている

「……ッ!…、が、…!!」
「ん…は、…」

食道に直接流し込まれる液体の正体を通りが悪くとも微かにする刺激臭により知る。上向きにされて開いた喉にユースタスの小便が流し込まれ、臭いだけではない刺激に再び胃が痙攣し出す
嘔吐けばたぷたぷと尿が上がってきて必死で嚥下しようと喉を動かせばユースタスは微かに声を漏らし、排尿を終えるとわざと舌に性器を擦り付けそれを抜き去った

「ッ…え…!ゲフッ、ゲホッ…う、ぇ…」

ユースタスの身体が退くのも待たずに胃で揺れる尿と精液と胃液の混じった汚水を吐き出した。
何度も繰り返し空になった胃がヒクヒクと動くが嘔吐くのが止まらず唾液だけが何時までも滴り、粘膜が刺激されたのか涙と鼻水まで垂れた
やっと落ち着き鼻を啜ると血の固りが下りて来てそれを最後に吐瀉物の上に吐き出して力なく俯く
頭を、上体を起こしている事すら辛かった

「まだ終わっちゃいねェんだぜ、トラファルガー」

肩を蹴られ呻きながら仰向けに寝転がされた
背に縛られた自身の両腕に乗り上げているのが痛くて辛い。
ぼうっとする意識を遮るようにユースタスの声がして視界が陰る
全裸になったユースタスが胸元に跨がり相変わらず頬を染めながらおれを見下ろした

「トラファルガー」

囁くように吐息混じりにおれの名前を呼びいつの間にかまた勃起させている性器を顔に擦り付ける
ニチニチとカウパーの滑りが音を鳴らし顔中が濡らされて行く

「舌出せ…引っ込めんなよ」

突っ込まれた指で舌を引っ張り出され、そこにユースタスの口がパクリと食らい付く
じゅるじゅると唾液を絡ませながら座れ食まれ噛まれる

「ん、ん…」

唇や歯もしつこく舐めやっと満足したのか口端の血を舐め取ってから顔を放した

「まだ、舌…そのままだ」

蕩けたような目をし引っ込めようとした舌を指で撫でる
そして腰を浮かせたユースタスはおれの顔を跨ぎ性器やら尻の穴を晒し息を荒くさせながら鼻先に座り込む

「ッ……」

全体重出はないがそれなりの重みを顔で受け、ひたりと顔に乗る睾丸や出した舌や唇に当たる会陰、何よりも息がし辛くくぐもった呻きを上げる

「苦しいかよ…テメェが頑張りゃ、早く済む。しっかり舐めろよ」

上ずり震える声に興奮を滲ませるユースタスが少しだけ体重を浮かせゆらゆらと腰を揺らす
乾いた舌を1度口内に戻し濡らすとベロリと会陰を舐めユースタスが動く度に舌の上を通る箇所へ舌を這わした。
悶えるような腰の動きに顔面を圧迫されながら、それでも舌を動かし変わらぬ息苦しさと込み上がる何かに目頭が熱くなり
目に止まり切れなかった水分がぼたぼたと耳の側に落ちる

「ッ、…は、…」

ヒクヒクと喉が動き胸が上下する。
しかしそれにも構わずに何度も舌を濡らし舐めた
暫く会陰や睾丸の付根を舐めさせられたが揺らしていた腰を止めおれの口の上にはユースタスの尻の穴がある

「捩じ込んで…舌、中まで……トラファルガー…」
「ん、く…」

早くと急かされ流石にためらいながら舌を伸す
舌先に一筋ずつ皺を感じながらぐにぐにと尖らせた舌でつつくと自分の意思でやっているのかユースタスの尻の穴が収縮し、窄まったヒダが伸び縮みする度に舌に絡み付く

「はァ…も、とだ…」
「…ん…、…」
「あ、あ!ひ、…っ」

いい加減に舌が疲れるが尻の中まではまだ濡らしきれずにいて考えた末に口に溜めた唾液を穴に唇を寄せて吹入れると尻に水の入った事にユースタスが悶えるがキレて殴るでもなく気持ち良さげに涎を垂らしていた

「はぁ…すげ、ァ…あ…とらふぁ、るが…」

何度か繰り返し唾液を入れ舌先が中に入るようになるとユースタスはまた腰をずらし睾丸を舐めろと催促してきた。
全身の痛みに朦朧としながら睾丸を口に含み軽く吸い付いたり食んだりする
その間ユースタスはおれの腫れ上がったり血で滲んだり涙や鼻水やらで汚ぇ顔を恍惚とした表情で見ながら自分の尻に自分の指を何本も突っ込んで掻き回していた

「んは…ァ…」

満足したのか指を引摺り出すとおれの唾液やら腸液で濡れた指をおれの口に入れ舌を追い捕まえると爪を立てたり舌根を突いたり喉奥に触れたりと遊ぶ

「テメェの泣いた顔すげぇゾクゾクする…」

ガリガリと奥歯の歯茎を引っ掻かれ直ぐに血の味がする
ゆっくり去る指は少しふやけて血と唾液に濡れていたが、ちゅぱちゅぱと幼稚な音をたてながらユースタスが自ら舐め取った

「ハハッ…流石に勃ってねぇなァ」

今は下腹部に跨がるユースタスが血や反吐や体液で汚れたおれの上着を胸元までまくり
殴る蹴るの暴行で色の変った腹を舐め、同じ様に汚れたズボンの上からぎゅうぎゅうと性器に触れてくる

「おい、勃たせろよ…不能だなんて言いやがったら噛み千切るぜ」

荒い手つきでボタンを外しジッパーを下げ柔らかいままのおれの性器を引っ張り出すと焦れるように眉を寄せねだるように声音を使い性器を握る手を上下に動かす
それでも変わらない柔らかな皮を下に引き、張出す先に口付けて窪む僅かばかりの穴に舌を潜り込ませようとでも言うのか舌先をうねうねと押し当て睾丸や竿を揉み擦って必死になるユースタスを半分欠けた視界で見た
口の回りを唾液でベトベトにさせて鼻息荒くおれの性器にしゃぶりつくユースタスの姿

「ふ、む…ん、ん…ん、ッ」

全身が痛み今にも上を向いてひっくり返りそうなおれの目玉と意識が下肢に溜る熱とユースタスの微かに聞こえる声に引き止められている
ジリジリと点る快感に腰を振りたいが膝の砕けた方の足はもう太股の半ばから感覚がなく足先が何処にあるのかも見当がつかなかったし、息をするだけでも死にそうに痛む右の上半身は自ら動かす気にならなかった

「あぁ…トラファルガー…」

反り返りカウパーを垂らすおれの性器にユースタスが愛しそうに唇を寄せるといそいそと腰を跨ぎ、垂直に立たせたおれの性器を爛れた様に柔らかくジクジクと潤んだ尻の穴に埋めていく
つっ掛かる度に抜き差しし角度を変え自分の重みを利用し底無しに深い直腸へ、性器の長さいっぱいに咥え込んだ

「ぁー……」

ユースタスは自分の尻がおれの腰骨に触れると深く息を吐き出しうっとりと宙を仰ぐと口許に笑みを浮かべた
ぎゅう、と性器に直腸壁が纏わりつき微かに蠢く

「は、ふ…ハァ!あっ…ん!」
「ぐっ!ぅ、ッ!ッ!」

ユースタスは跳ねる様に身体を揺すりおれの性器と戯れる
ユースタスが腰に乗る度にその振動が痛めた箇所に響き、また自分の身体の下敷きになっている腕がミシミシと軋む
指先は冷えたような感覚しかせず、ただ居心地悪そうに骨の継目や腱が悲鳴を上げた

「トラファ…見ろ、…はぁ…すげ、イィ…!」

後ろに手を突き身体を支えながら足を広げておれの性器を喰い絞めている尻の穴を晒すユースタスを痛みを堪えながら首を動かして見てやった

「は、は…ッ…出せよっ…なんでも、い…からっ…小便、でも、なんでも…は、ァ…トラファルガァ…ッ」

ずるずると性器を出し入れする尻の穴が裏返り真っ赤な壁がちらちらと見え隠れする。
気持ち良さそうにだらだらと精液を零し尻の穴を窄める様はおれの性器から何かを搾り出そうと躍起になっているような必死さが伺えて

「…ース、……屋ァ…ッ」

堪らずに呼んだ名は血や酸でイガつく喉のせいで掠れた音にしかならなかった




ドクドクと性器が脈を打ちキツく窄まる穴に注ぎ込む
ユースタスはおれの脈が治まると動きを止め性器を突っ込んだまま上に座り込んだ
そしておれを見下ろし、体重を掛けず掌をおれの胸に翳し身を乗り出すと顔を寄せて囁く

「テメェは、おれの、だ」

諍いは随分前に吐き捨てていた




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書いてて楽しかったけど
トラファルガーじゃない…
ユースタスでも、ない

オリキャラ^^?




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