「…、…う、わ?」





朝…寝返りをうつと何か寝心地が悪くて目が覚め、二度寝する気にもなれず素直に起き上がって洗面所へ。
洗濯や寝相が悪くて伸びてしまったのか、やけに服がだるだるな気がする…
と、欠伸をしながら洗面所の鏡を見ておれは夢をみてるのかと叫びたくなった

「うっそ…だろー…?」

ははは、と笑いながら自分の胸元を触れば手からはみ出す程の脂肪の塊を掴む事が出来た。
喜べない。掴みたくない…俺の胸は脂肪じゃなく筋肉で出来ていたはずっ…!

「…!」

慌てて、時には朝からすこぶる元気な姿を見せてくれる時もあるアレを服の上から触って確認した。

「無ぇし…なんだってんだよ」

呟く自分の声が、少しだけ高いような気がした

「夢、じゃあねぇのか…覚めろよ…」

自分の頬を軽く叩いても痛いし、顔を洗ってさっぱりしても俺の声は高いままで、胸もあった…が、チンコはなかった。






「って、わけだがどうしたらいいんだ?」
「よし、ユースタス屋、おれに全てを任せろ。天国へ連れて行ってやる…いや、おれとイこうっ」
「1人で地獄にでも逝って来いアホファルガー。そして戻ってくるな」
「フフ、ユースタス屋ぁ…初めてだからな、とびきり優しくしてやるよ…ハァハァッ」
「聞いてねぇだろテメェ…つーかウゼェ!」

容赦のないアッパーに「痛っ!?」と叫びを上げたのはユースタス屋の方だった。
身体能力はさほど変わらないようだが、腕は見るからに非力そうな細腕でそりゃユースタス屋に殴られ続け鍛えられたおれを殴ったら悲鳴の一つも上がるだろう…

しかし、うん絶景かな絶景かな。

「ユー…」
「おい、トラファルガーちょっと黙ってろ!キッドはこっちに来いっ」
「…ジュエリー屋…」

ユースタス屋のTシャツから浮き出ている魅惑のボタンをピンポンしようとしたらジュエリー屋の蹴りが背中に飛んできた。
しかし、一番酷いのはおれが倒れる勢いのまま、抱きつこうとしたのを飛び退いたユースタス屋だと思う

…まぁ、さては置いて。



今日も愛しのユースタス屋と会えると信じて遅刻しながらも学校へと行ったのに、ユースタス屋は学校へ来てなくておれは1日すこぶる機嫌が悪かったのだが
『キッドから放課後家に来いって言われたけどお前なんか知ってるか?今日休んでるだろ』
とジュエリー屋がキラー屋に聞いているのを偶然通りがかったおれは、しっかりとその会話を聞いていたのでジュエリー屋と共にこうしてユースタス屋の部屋へ来たのである

「つーかボニー…なんであいつ連れて来てんだよ」
「ウチが知るか!ウチが来たときにはお前ん家の玄関前に立ってたんだから仕方ないだろっ」
「まぁまぁ、ところでユースタス屋」
「宥めてんじゃねーよ!お前がややこしくしてんだっ」







「で、起きたら女になってて、わけわからんから取り敢えずウチを呼んだと…」
「おう…ボニーだけを呼んだつもりだった」
「そんなに見つめるなユースタス屋…勃つだろ?」
「…千切るぞ」
「すみません」
「しっかしなぁ…ウチだってわかんねぇし…でも本当に身体は女になってるな」
「クソッなんなんだよ…直るのかこれ?」
「直るとか治るの問題なのか?」
「…」
「…」
「…取り敢えず、ウチが出来るのは服貸すとか…そう言うのだけだぞ?いつまでもその格好でいるのは色んな意味でダメだろ」
「仕方ねぇだろ、ズボン全部ウエスト合わねぇんだよ…」
「その格好で胡座をかくな!」
「っ…!(ハァハァ)」
「トラファルガーもガン見すんな!」

ユースタス屋のTシャツ一枚、生足に胡座…!魅惑の見えそうで見えない絶対領域が目の前にっ…!
ジュエリー屋がいなかったら絶対ヤってるのにっ

「……っ邪魔だぞジュエリー屋っ」
「ウチが何をしたっ!?とにかくっ…キッド、もしかしたらすぐ戻るかもしれないし…暫く家でじっとしてろ。」
「…おう」
「ドレッドにも伝えるからウチとドレッド以外家ん中に入れるなよ?」
「キラーは?」
「…キラーはダメだ。危ない」
「ユースタス屋…おれもキラー屋は危ないと思うぞ」
「お前が言うなっ!お前が一番ダメなんだよっ!」
「なんだとジュエリー屋。おれこそ一番安全だ。言っておくがまだ1度もユースタス屋とセックスしてないし」
「な…!?」
「は…!?…マジで?」

マジです。お付き合いして3ヵ月も経つんですけどねぇ…

「トラファルガー…お前が可哀想過ぎて涙が出て来る…」
「フフ、ジュエリー屋…おれもだ」
「テメェら…!」
「キッド…」
「その目はなんだボニー!」

真っ赤な顔でジュエリー屋に掴み掛かるユースタス屋を和やかな目で見るおれ…
そろそろ神になれるんじゃないだろうか。


「…さて、おれは帰る。ユースタス屋が風邪ならおれが看病してやりたいと思って来たが、そうじゃないしな。」
「…」
「トラファルガー」
「ジュエリー屋、ユースタス屋を頼む…おれがいても出来るのはあの胸を揉む事だけだからな」
「至極役に立たねぇな」
「フフ、酷い言われようだ」

悪態をつき顔を逸らすユースタス屋にいつものように笑ってジュエリー屋と少し話してから部屋を出た。
ジュエリー屋がいてよかった…2人きりでいたら、とか…そう考えたら
ユースタス屋の非力な腕が少し疎ましかった



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女体化ユースタスのプロローグ
だったんですけどまとめきれず会話文の多いものになってしまった…
ボニーの喋りが分かりません。
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