『あん!あっ、あぁんっ』
『やぁっ!もっとぉっ…』
『そこっ、あ、あ、イッちゃう…イッちゃうっ』




耳障りな高い女の声が届きキッドは意識を浮上させた。
ホテルの部屋に入って早々に欲情してきたローにされるまま早くも本番を迎えその後心地よい疲労から寝入ってしまったようだ
1時間程だろうか深く眠っていたのだがふと、女の喘ぎ声のようなものが耳に届き覚醒を余儀なくされた。

チカチカと瞬く光とキャンキャンと高い音声。その出所を見ればこちらに背を向けソファに深く腰掛け、栗色の緩く毛先を巻いた女があられもない声を上げ恥部を晒している場面が映されたスクリーンを斜めった視線で観ているローを見つけた
気遣いと言う言葉を知らないのか…と、言うよりもわざとなのだろう煩い音量でアダルトビデオを観賞している

「…何観てんだよ」
「よお、起きたか」

裸の腰にシーツを巻き付けたキッドが声を掛けるとローは少しだけ振り返りながら座れよと招く。バスローブくらいあるだろうがローは全裸だった

「そこじゃなく、ここだ」

座れという言葉に素直に応じ隣りに腰を下ろそうとすればローはそれを制しぽんぽんと自分の太股を叩く

「……」
「キッド」
「…チッ」

渋々と言った様子でローの膝に背を向け座り、相手が座れと言うのだからとこのさい遠慮なく体重を掛けてもたれかかった

「恋人放っぽいて寝るなよ」
「るせぇな…」

腹部に手を回しぎゅっと抱き締めながら耳元で笑いを含ませて囁く声に少しだけ罰が悪そうにしながらキッドは唇を尖らせる

「…つーかなんだよこれ」
「暇つぶしだ。全然抜けねぇけどな」
『あ、ん…ふぁあ、おっきい…っ』

ロリ声とでも言うのだろうか。スピーカーから舌ったらずの甘えた声が先程から垂れ流されキッドはゲンナリする

「キッドのチンコのがでけぇなァ」
「…」
「…おい、そこは黙るんじゃなくて"ローのも大きいよな"とか言うのが恋人として普通だろ」
「何が普通だ…」
「並じゃねェだろ?」
「何の話、だッ」

ゴッ!と後頭部で顎に頭突きをし痛そうに悶えるローを内心笑いながらリモコン操作で映像と音をプツリと消し相手が飲んでいたのだろう飲み掛けのビールに口をつける

「んっとにテメェは癖が悪ィなユースタス屋」
「んぐっ…バカ、零れたっ」

ローは唸るような低い声を出しながら赤い髪を掴み強引に振り向かせると傾けていた缶ビールの口から黄金色の液が流れキッドの肌に落ちしゅわしゅわと音を立てた
それをローの舌が辿り滴と皮膚を荒々しく吸い上げる

「ンッ…あんま、首に近ぇとこに付けんな」

ピリッと走る痛みにローの不機嫌さが伺えキッドは適当に頭をぽんぽん撫でると口にビールを含みローの唇を奪った
端から微かに零しながらちゅぷちゅぷと互いの口腔を行き来させ微かな発砲と舌に絡むアルコールと苦味を味わう
やがて温く薄いアルコールと苦味の残るだけとなった液体をローがキッドの口腔に残るものまで嚥下し唇が離れる

「ふ、…これで許せって?」
「十分だろうが…腰に当たってんだよ」

クス、笑いキッドは向かい合わせに座り直しローの主張し始めたペニスを掌で擦ればヒクリと跳ねローが微かに息を詰めた
その反応に気を良くしキッドが捏ねるようにペニスを扱けばパクパクと開く尿道からカウパーが溢れにちゃにちゃと音を立てる

「ッ、…ユ、スタ…っ、はァ…ッ」
「口で、してやろうか…?」
「ふん、やけに…サービスがいいな」

カウパーで濡れた指を赤い舌を覗かせて舐めながらキッドは挑発し、ローはその挑発に簡単に乗る。ニヤリと唇を歪めながら

「…テメェ…、何考えてやがる」

主導権を取り損ないキッドはあからさまに眉間に皺を寄せて警戒する
ローは笑顔のままわきに置いていたそれを引き寄せてキッドへと見せた

「お前っ、それ…」
「スケルトンレッドのローター」
「そーじゃねぇ…ッ」
「予想はしてただろ?ラブホ行くっつったからには」

ひたりと丸い先をキッドの臍へと軽く押し当て摘みを捻る。
途端に低いモーター音が響き微かな振動が臍を刺激しキッドはヒクヒクと腹を波打たせた

「ッ、…腹、むず痒ィ…」
「気持ちいいだろ?臍触られんの好きだもんな、お前」

好きじゃない、と否定をする前にローの2本の指が唇を割り口腔へと滑り込ませたためキッドは渋々、節ばってごつごつしたローの指を舐める
ニヤニヤとあからさまな笑みを浮かべるローのペニスを再び握り亀頭をこね回しながらも自分のデリケートな部分への負担を考えればこそ丁寧に満遍なく唾液を絡め指を濡らした

「テメェ…煽り過ぎだユースタス屋」
「ん、は…」

開いた口から赤い舌に送り出されながら指を抜くと唾液の糸が伸びローはプツリとその糸を断つと赤い舌に吸い付き濡れた指をキッドのアナルへと這わせた。
周囲に唾液をまぶすと先刻の情交でも暴いたアナルはまだ柔らかくローの指は唾液による潤滑もあり2本ともすんなりと入り温かい内壁に包まれた

「んん…ん」
「ん、は…」

直腸を擦られキッドは微かに腰を揺らしながらローの口内に舌を差し入れ上顎や舌根、歯列を舐めながら熱く脈を打つローのペニスを緩慢な動作で扱く
その内アナルが解け切ったのかキッドが臍に感じていた微弱な振動が遠のきアナルへとそれは場所を移した

「う、ぅあっ」

くぷっと簡単にローターはアナルへと埋め込まれくぐもった微弱な音がぞわぞわとキッドの背を撫ぜる

「ッ…ん、ふ…」
「一番弱ぇのにしてある。辛くはねぇだろ」

頬を撫で目を細めるとキッドは小さく頷き異物感を感じながらもローの膝から降りると床に膝立ちになり広げられた足の間に顔を埋め先程まで手淫していたペニスを根元から先までゆっくりと舌で辿りぱくりと先を口に含んだ

「む…、う…」
「顔見せろ…」

キッドのサラサラと目元や頬を隠す赤い髪を軽く梳いてから耳へと掛るとペニスを頬張りキッドはローを見上げてうっとりとした表情を見せた

「…そんな尻が気持ちいいか?」

キッドを見下ろし面白く無さそうに問うローにキッドは喉まで咥えていたペニスから口を離すとそれに頬擦りをして見せた

「ローの、でけぇのが好きだから」
「ッ……!」
「おわっ」

びゅるっと勢いよく精液が飛び出しキッドの顔や髪へと降り注ぐ
狙ってやったキッドだがまさか暴発するとは思ってなかったのか驚き目を丸くしていた
しかし一番驚いているのはロー本人である

「バッ…質悪ィぞユースタス屋…!」
「お、おうっ…悪ィ…」

赤面し唸るローにキッドは反射的に謝るがそのキッドまでもが赤面してしまう。
耳まで赤くしたローを見るなんてキッドには新鮮で、口には出さないが可愛いとまでも思ってしまった

「…ロー、好き、だ…」
「ユー…!」
「ん、…ふ、む…」

この際だと変なスイッチの入ったキッドはローのペニスを舐め尿道に残る残滓を吸い出すと再び喉まで咥え込み頭をを上下に振り脈打つ血管に舌を這わす

「…もういい、キッド」
「んん…ッは」

赤面の治まったローはキッドの口腔からペニスを引き出し、苦笑いを浮かべる

「腰にくるとか言うレベルじゃなかったぞ…さっきのは」
「テメェが言って欲しそうな顔してたから言ってやったんだ」

先程見ていたAVの事を言うキッドにローは否定はしないが、と肩を竦めキッドの手を引くと向かい合う様に膝を跨がらせる

「あんな台詞がいいのか?テメェは」
「普段は呼んじゃくれねぇ名前まで呼んで貰った上にあんな顔されちゃあ…俺だって我慢利かねェよ」

釈然としない表情のローはキッドの尻鷲掴みにすると左右に開きローターのコードが伸びるアナルへとペニスの先を押しつけた

「っ…まて、ローター抜けよっ」
「フフ、訊けねぇな」

ローらしくニタァと唇を引き笑うとズブズブとペニスを埋めていく

「うあ、奥、…っ」
「借りは返すぜキッド」
「ト、ラファ…!」
「もうローって呼んじゃくれねぇのか?ふふ…まぁいい。んじゃ、頑張れ」

それきり全く動こうとしないローにキッドは舌を打ちゆるりと腰を揺らた。ぬくぬくと上下に腰を揺らすとその度にローターが不規則に内壁に当たりなんとも言えない焦れったさを感じながら、もっと強い刺激が欲しいと夢中で腰を振り没頭しているとビクリと身体が強張った

「ハァ、ハァッ…は、…はあ…アアッ?!」
「んん…ッ…俺にもすげぇくんなこれ」

不意に腹に響く振動が強くなりキッドは無意識に異物を押し出そうと直腸を収縮させるがローのペニスを締め付けるだけで、ローのペニスにもローターの強い振動が伝わりクッと眉を潜める

「あ…ぁあっ」
「どうした…、動けねぇか?」

ぎゅうっとローの肩に顔を埋め動こうとしないキッドに焦れてローが軽く突き上げると無理だと左右に首を振った

「ロ…も、ム…っふぁあっ、あっ…ううっ!」
「っ…仕方ねぇな…」
「いっ、あ…はぁっ!ぁあっ」

キッドの中にあるローターがペニスを刺激するローも限界が近く荒っぽくキッドをソファへ押し倒すとキッドの身体がずり上がる程に強く腰を振るう

「ひぁっあ!あ、く…ふっ…ン!」
「はァっ…!は、ッ…!」
「んんーッ…く、ぁうう!!」

高まる射精感にぎゅう、と前のめりに身体を曲げローの身体にしがみつくと追っていた快感が身体を駆巡り体内を突かれる度にキッドは吐精し2人の腹を濡らし
キッドの射精に伴い動く腸壁に揉まれ程なくしてローも体内へと精を放った

「あ…ぁ…ひ、…と、ら…!」

腹の深くをジンジンと焼く未だ振動を続けるローターの刺激にキッドが悶え身を捩るとローはペニスを抜きキッドの足を胸元に付くほど曲げさせる
ペニスを咥えていたアナルからはローターのコードが伸び泡立ったローの精液で濡れている

「自分で出してみろ…出すとこ見てぇ」
「ッ…く、そ…テメェ…んっ、ひ!」
「早くしろよ。もっと意地悪するぞ?」

くん、とコードを軽く引っ張ったり緩めたりを繰り返しながらキッドを急かし今は窄まっているアナルにフーッと息を吹き掛ける

「うあ!?やめっ…く、ぅ…」

目元を染め悪態を吐きながらキッドは腹に力を込め息むとぐじゅっとローの放った白濁が押し出されて行く

「っ…ん、ん…!」

柔らかいアナルが開き赤い粘膜を覗かせるとくぐもって聞こえいたモーターの音が甲高く聞こえ始め盛り上がったアナルから白濁の液に塗れたローターが頭を覗かせ最後に再び息み直すと勢い良く飛び出てソファへと落ちた

「ふはっ…あ、は…はぁ…」

ローターが抜け落ちるとぐったりとソファへ身体を預けるキッドがゆっくり深い呼吸を繰り返す

「フフ、…頑張ったなキッド」

ローターのスイッチを切りローはキッドに覆い被さると汗に濡れた額にキスし鼻先を擦り合わせる

「…も、無理だ…ちょっと休ませろ」
「あぁ…朝までまだ時間はたっぷりあるからな」

リップ音を気前良く鳴しキスをするローにキッドは帰りに立って歩けるだろうかとぼんやりと考えながら乳首を弄り出す手を爪を立て抓った


朝は、まだ遠い





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初めてのラブホ大学生パロで
表面はノリノリで内面は緊張、ことが始まればお互いラブラブ
エロ度数はおまかせ

とのリクエストでしたが、(…)
キッドさん割りとノリノリな感じで誰これに。



一万打フリリク企画
'10-3.30UP
かな様リクエストありがとうございました!


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