「大丈夫だ息はしてる」





トラファルガーに酒を飲ませたのがいけなかった。
そう後悔しながら己の痛む拳とパンツ一丁で俯せに倒れるトラファルガーを交互に見る。

「いくらなんでも殴り飛ばすのは関心しないぞ、キッド」
「るせぇな…」

びっくりしたんだ、と言い訳をせざるを得なかった。
そうと言うのも…



「ユースタス屋、ゆーすたすやー…ユー」
「絡んでくんじゃねェよ…」
アルコールですっかり出来上がったトラファルガーは普段と全く変わらない、良く見れば少しだけ眠たげな目をしてるような気もするが、そんな表情で無駄に俺の名を呼びながら絡んで来る。
少々どころではない、かなりウザく感じる
しかも、本当にパッと見では普段と変わらない顔でふにゃふにゃした言動や呂律の回っていない様は正直気味が悪い
あからさまに迷惑そうにするとトラファルガーがグッと眉を寄せて「ぅぅう」などと唸り出した

「むし、すんなよユースタス屋ぁあ」
「あぁあ?」
「おれが…」
「はぁ?」
「……、いる…だろ」
「いる?なに、が…」

酔っ払い相手に真面目に応対していると不意にぐに、と唇に何か触れた

「…ッ」

ガコッ!
今起きた事を理解するより思わず先に手が出て加減なくトラファルガーの右頬に拳を叩き込む

「…、うわっ」

はた、と我に返った時には伸びて床に突っ伏したトラファルガーの息をキラーが確かめていた





「…見てたか?」
「トラファルガーがお前にキスしたところをか?」
「……ああ」
「見たぞ」
「…だろうな」

声も上げずに口許だけで笑うキラーに何も返す気力もなく脱力感ばかりが増し、ぴくりとも動かないトラファルガーを軽く蹴った
ムカつきは増すばかりだ

「なにが悲しくて男とキスなんぞしなきゃならねぇ…」
「酔っ払い相手だ。初めてを奪われたわけでもない、許してやれ」
「テメェの事じゃねェからって…」
「まぁ機嫌を直せキッド」

カラカラと今度は声に出して笑うキラーの脛を蹴りビールを一気に煽った
くそ、気分悪ィ…!






(何か掛けてやったらどうだ?風邪を引かせるぞ)
(放っとけ。おれの知ったこっちゃ…)
(風邪を引いたトラファルガーが真っ先に頼るのはお前だとおれは思うけどな)
(…)
(それこそ、おれの知った事ではないが)
(……胸糞悪ィ野郎だ!テメェもコイツも!)






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キラーのキャラが…
トラファルガーがやらかしました



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