「キラー、うちの船長が来てないか?」
「あぁ…居る。ニタニタしながらキッドの所に行ったぞ」
「そう。悪いなァしょっちゅう迷惑かけて」
キッド海賊が停泊している寂れた漁港。
キラーが船縁に身体を預け束の間の休息をとっていると防波堤から声が届いた。
「そう思うならちゃんと綱は握っておけ」
「あの人はリードはおろか首輪だって付けさせやしねェ。困った人だよ…」
ト、トン。軽快な音を立ててペンギンはキラーが先程まで背を預けていた船縁に飛び移った。
「どいつもこいつも気軽に乗り込んで来るものだ」
キラーが飽きれたように溜め息をつくとペンギンは首を竦める。口許まで隠す襟元と目深に被った帽子の所為でまるで顔が見えなくなった
「武器も向けられねぇから安心してた」
「向けるまでもない。早くあの男を連れて帰ってくれ…迎えに来たんだろう?」
「言ってくれるなァ…。はは、船長のことなんて口実だよ」
船縁に立っていたペンギンはすとんとしゃがみキラーの髪に指を通した
「……仮にも船長をおざなりにするな」
「仮じゃなくて立派なうちの船長だ。少しくらい変なところは目を瞑るさ」
「少し?相当な変わり者だと思うが」
「…そこにはあんまり突っ込んで欲しくないなー」
太陽の光でキラキラと瞬くキラーの触ると意外に柔い髪をペンギンは飽きずに梳いてキラーもまた陽の温かさとペンギンの優しい手つきに心地よさを感じてされるままになる。
「船長の奔放さにはたまに感謝するよ…」
「…違いない」
うみねこの鳴き声を遠くに聞きながらペンギンは帽子をずらして襟元を引き下げた。
キラーが少しだけマスクを上にずり上げ口許が現れるとすかさずペンギンはキラーに口付ける。
「鼻が仮面に当たるな…」
複雑そうに首を傾げるペンギンにキラーは細く笑った。
「おれの知らねぇとこであの野郎…キラー屋としっぽり決めてやがった」
「しっぽりとか言うなオヤジくせぇ」
「ユースタス屋…おれたちもしっぽりぬっぽり愛を育もうぜ?」
「……仕方ねぇなァ(キラーが楽しそうにしてやがるからもうちょいあのままにさせておくか)」
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アンケよりペンキラについてのコメで
「保護者同士、大人の付き合い」
「案外お調子者のペンギン、細かいこと気にしないキラー。似てるようで根本的に違う二人」
「キッド海賊団はみんなほわっとしたイメージ」
※文抜粋
とそれぞれ頂き、自分なりにちょいちょい反映してみましたが…うーん。でもキッド海賊団がほわっとしてるイメージは共感出来るしペンギンが意外とお調子者なのも解ります。保護者気質なのはデフォだと思ってる
しかしペンギンもキラーも偽者クサく、ローさんの扱いが変人にカテゴライズされキッドさんはよくできたお母さん思いの息子さんになってしまったな。