『可愛いと思った』


「次…顔合わせ辛ぇかも…」



とか、思ってたのに
あれから3日後

「おい…ボケッとすんな」
「あ、悪い悪い」

今、俺はユースタス屋の部屋でうどんを茹でたりしている。
実家からうどんが送られてきたがこれ…1人で食えってか?と言う量。取り敢えずユースタス屋にでも分けようと部屋を訪ねた
この3日は軽く挨拶をする程度に顔を合わせていただけだったのでなんとなくドキドキしながら…


「これ、お裾分けだ」
「ああ…サンキュー。うどんか」
「実家から大量に送ってきた」

なんとなーく目を泳がせながら話す俺。
ユースタス屋がものすごく睨むように俺を見てる気がする…

「ちょっと訊くが」
「!…な、なんだユースタス屋」
「なに吃ってんだよ…お前、うどん自分で茹でられるか?」
「…ん、そう言えば茹でたことはないな」
「なら、お前暇だろ?ちょっと上がれ」
「え、なんだ?」
「うどんの茹で方教えてやるよ」






「お、ユースタス屋…吹いてきたんだが?」
「火加減弱めろ。うどんは差し水すんなよ」

ユースタス屋と並んでうどんを茹でる俺。
…ユースタス屋のいる右半身が妙に擽ったい

「そろそろだな…最後に火強くしてそしたらそのザルに移して水で洗え」
「洗うのか?」
「麺の滑りを取んだよ」

うわ…うどん面倒くせぇ…

「握り潰すなよ」
「それは保証できねぇ相談だ」
「相談じゃねぇ、忠告だ」
「俺は指図されるのは苦手だぞユースタス屋」
「いいから黙って洗え」
「はい」

パンッと頭をはたかれながら初めて滑ったうどんの麺を触る…んー、なんつーか変な感触だ。
隣りではさっきからユースタス屋がうどんに付属していた汁に更に味を足したり葱を切っていた。
慣れてんなぁ…

「滑り取れたぞ」
「………ま、いい。卵いるか?」
「いる」

若干、ボロボロに千切れたうどんをユースタス屋は見なかったことにしたらしい
うん、別に殴られたりけなされたりするのを待ってたわけじゃねぇけどな、断じて


「あ、卵は半熟にしろ」
「…お前、この前は火が通ってんのが好きって言ってなかったか?」
「目玉焼きはな」
「わからねぇ…」

ユースタス屋は眉間に皺を寄せながら首を傾げ丼にうどんを入れて汁を張ると葱をちらし半熟の卵を落として俺に差し出す

「箸はそこだ」
「おう」

テーブルについてユースタス屋が来るのを待ってからうどんを啜る

「…ユースタス屋」
「あ?」
「もしかして猫舌か?」
「…熱いのが苦手なだけだ」
「フフ、猫舌なんだな」

ズルズルとうどんや汁を啜る俺に対してユースタス屋はいちいちバカ丁寧に息を吹き掛けて食べている。
汁に至っては中々飲めずにいるようだし可愛いな…






















可愛いって、なんだ…?




可愛いってなんだ?!
眉間に皺寄せて目の敵のようにしてうどん食ってる奴を見て可愛いだとっ?
こんな凶悪顔…

「トラファルガー?」

かわっ…!
首傾げるとかっ…
あ、ヤバい…俺

「おい…お、ぅわ…トラファルガー?」
「な、ぁ…?」
「鼻だ鼻!鼻血っ」


あぁ。
俺、ユースタス屋のこと好きかもしれない…











(おい、うどん茹でんので上せたのか?)
(あ…あぁ…)
(ったく、おら)濡れタオルを乗せ
(…冷たいぞユースタス屋…)
(我慢しろ。つーか首まで赤ぇな…大丈夫か?)
(………)







トラファルガーが自覚しました

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