「っ、ん…しつ、けぇ…」
「足りねぇっつったろ」
何度も飽きずにキスをしていたらついにユースタス屋が煩わしそうに額を押し退けてきた。
ムッとしながらぐぐっと顔を寄せると顔を逸され仕方なく耳にキスをしたら「うわっ」なんて声がして
「てめ…離れろ、近ぇよっ」
「嫌だ。まだ…ユースタス屋」
「おまっ、ちょ…う、あ…ッ」
反応が面白くてそれになんだが引けなくなりそのまま耳を食んだり晒された首に顔を埋めてそこにもキスすると身体を跳ねさせてユースタス屋が後退る
「っ…お前なァ…！」
「…ここで我慢しろなんて生殺しだぞ」
「う、わっ…わっ！手が冷てぇっ」
シャツの裾から突っ込んで直に腹を触ると服の上から手を掴みユースタス屋は身体を捩った
「つーかおれがこっちかよ…」
「ダメか？おれは、ユースタス屋を抱きてぇな…ユースタス屋がおれを抱きたいならちゃんと後で抱かれる。だから、」
「ッ…」
「ユースタス屋…」
「ぅ…くそっ…」
眉尻を下げてじっと見つめるとユースタス屋は一瞬だけ俯いて直ぐにパッと顔を上げた。
腹をくくった、そんな顔をしておれの肩を押し返す
「…風呂、いいのか？」
「いい。もう待てねぇし…」
溜め息を吐くユースタス屋が立ち上がって上着を脱いでベッドに腰を下ろす。
「下手過ぎたら途中でひっくり返してやるからな」
「…フフ…いまいちょっと抱かれてもいいかなぁとか思っちまった…男前だなァ、ユースタス屋」
「ハッ…女っぽさ期待してたらひでぇ目に合うぜ？」
「まさか」
覆い被さるとベッドがギッ、と音を立てそっと胸元に手を置くとユースタス屋の目が細まった
「こんなたくましい身体に女っぽさなんて期待する方がどうかしてる…キレーだとは思うけどな」
軽く押すと仰向けに寝転ぶユースタス屋キスをすると口が開き
迷わず舌を差し込むとユースタス屋の手がおれの頭に添えられて撫でるように動く手が気持ち良くて背中がぞくぞくした
「ユースタス屋…俯せにななってほしいんだが」
「いま…女の気持ちが分かった…」
「電気消すか？」
「…どーでもいい」
少し躊躇いながら俯せになるユースタス屋の背中にキスしゆっくりと下の方に場所を移して行く
尻にキスをしたらビクッと大袈裟に身体を震わせるユースタス屋の足ををだめるように撫でると髪の間から見える耳が凄く赤かった
「ぅ…」
唾液を付けた中指を這わすと息を飲むのが聞えて、おれはそれを聞いてない振りをしながらゆっくりと指先に力を込めた
「――…ッ」
「痛いか？」
「…、…」
聞くとゆるゆると首を振り揺れる赤い髪がシーツに広がりパサパサと音を立てる
「ぅ…く」
何度も指を抜き差しして思ったより固いそこを唾液で濡らす
シーツを握り締めながら恥かしさとか気持ち悪さに堪える姿におれの興奮は治まらず
ユースタス屋に負担を掛けないようにとか優しくしたいとか思うのに、痛いくらいに脹れる自身を早く突っ込んで目茶苦茶に動きたかった
「ッ…ユースタス屋！」
「…う！？」
「も、ムリ…悪ィ…ユースタス屋」
「うあ！待てっ…ま…！いー――ッ！！？」
逃げる腰を掴んで引き寄せながら腰を押しつける。
狭い穴に自身を押しつけると先が押し潰されて痛いと思ったのも一瞬、ズルッとカリ括れまでが勢い良く埋まった
痛みからかユースタス屋は声を上げるのも忘れて身体を強張らせながらシーツを強く握り締める
「ッ…あ、…ぁ」
肩を竦めるようにして痛みに震えて耐えるユースタス屋の浮き出る背骨にキスし労るように撫でると背中はうっすらと汗に濡れていた
「ユースタス屋」
「いっ…ぁーっ、あ！」
「はっ、ユースタス屋…好きだ…ユースタス屋っ」
「ん！んっ！くっ…」
くぐもった声で呻くユースタス屋を気に掛ける余裕もなく、背に抱き付きながらひたすら腰を揺らした
ユースタス屋が強張りを逃がすように吐く溜め息も、その合間にこぼれる微かな声とか全部、おれのかけなしの理性を崩すようなものでしかなかった
「ごめんなさい」
「……」
膨れ上がった欲を発散させてふわふわと萎んで行く中。熱が冷めると同時にサーッと青ざめる
どうにか中出しは我慢してユースタス屋の尻や腰にブチまけたおれはちょっと偉かったかもしれない。
そんなことで、褒めてはもらえねぇけど…
「ユースタス…さん？」
「……」
枕にしがみつきながらゼーゼー、と肩で息をするユースタス屋に声を掛けるもなんの反応もなくて
ただ物凄く怒ってるオーラが見える気がする
「ユースタス屋ー…？」
「…、…んだよ」
「大丈夫か？」
「…あぁ、いま…寝かけてた…」
「あ、悪い起したな」
ぐったりと伸びるユースタス屋の汗に濡れた背中とおれの出した汚れを拭うと
ごろりと仰向けになるユースタス屋から目を逸らす。
「…どうした？」
「えっと…またヤりたくなる、つーか…」
「あぁ…」
おれの言いたいことがわかったのかユースタス屋が腹辺りまで布団を被りダルそうに頭を掻いた
「…ユースタス屋」
「んだよ…もう謝んのは聞き飽きたぜ？明日殴ってやるからそれまで待ってろ」
「はい…」
「無茶しやがって…ぅー…くそ、文句言いてぇけど眠い」
ゴシゴシ目を擦るユースタス屋の仕種が可愛くて頬にキスをすると睨まれた
「寝ろよ…明日文句も聞くからさ」
「…覚悟しろよ」
「わかった。おやすみユースタス屋」
へらっと笑うと顔の正面を叩かれた
背を向けられ小さい声で聞こえた「おやすみ」とベッドの半分空いたスペースがおれに与えられた特別なものだった。