「…ユースタス屋の匂いがする」
『戸惑い』
朝飯を食わせてもらって、ユースタス屋が仕事に行くのを見送ってから部屋に戻ってきた。
本当は普段朝飯なんて食わないけど、なんとなく
なんとなーくユースタス屋を困らせてぇとか思って朝飯を食わせて欲しいと遠回しに言ってみたら意外にあっさりと承諾をくれた。
目玉焼きとハム、トーストとコーヒー。それからリンゴ。
リンゴを切ろうとしているユースタス屋に「ウサさんにして」と俺なりに可愛く言ったら、額に青筋を浮かべながらなんとウサギのリンゴにしてくれた。
3分の1の大きさに切り分けられたリンゴのウサギは太っていてそれはもう可愛げも無かったが。
しかし、リンゴって結構腹が膨れるよな…
腐る前に処分しようとしているようで、また2個持たされたし。イジメか。
部屋に戻ると腹はいっぱいだし、昨夜は床で寝たせいか寝足りない気もした。
実際夜明け前に寝たから眠いのは当たり前だけど…
昨夜はユースタス屋が寝てた俺のベッドに俯せに寝転んで枕に顔を埋める
さっきベポを抱き締めた時にも気がついていたが
これはユースタス屋の匂い…
ユースタス屋の部屋と同じ匂い
「っ、…ちょ、ありえねぇ」
顔と……チンコが熱い
うわ、ヤベ…これは
「っ…、」
否定しようと頭を振ってもユースタス屋の匂いが鼻を掠める気がして、どんどん下に熱が集まる気がする
ムクムクと肥大して次第に下着を押し上げて行くそれ
「は…クソっ…」
オナニーなんて中坊以来だ
しかも…おかずに男をなんて…
あー、なんなんだ
そんなに溜まってんのか俺は…!
「やっちまったよ」
ハハ、と半笑いをしながらティッシュを丸めて少し先のゴミ箱に投げる
続け様に2回も自分で処理してあれだけ香ってたユースタス屋の匂いは俺が自分で出したアレによって消えていた。
枕やベポに顔を埋めても全然ユースタス屋の匂いはしなかった。
なんかがっかりしてる俺。
オナニーってこんな虚しくなるもんだったかなぁ…
「つーか、…次…顔合わせ辛ぇかも」
壁の方を向いて溜め息をつく。
そう言えば、ユースタス屋もこの壁に添ってベッドを配置してたな…
倦怠感に身を任せ目を閉じる
もう、寝よ
あぁ、そう言えば、昨夜はユースタス屋の寝息とか寝返りした時の寝顔とか気になって眠れなかったんだよな…とか
まどろみの淵で思い出してみた