乙男の心得…

10月と言えばローくんの誕生日です。キッドさんから誕生日プレゼントに素敵なふわもこ帽子をもらって、チューとか、それ以上とかしてもらいました。幸せ幸せのローくん。
土日など、ローくん学校のお休みの日はキッドさん家に足しげく通っております。お掃除したり、ご飯作ったり、お洗濯したり、キッドさんにデート連れてってもらったり。
そんなローくんに、キッドさんは心配事…その一つ。

「こいつ、ちゃんと友達いんのかな…」

妙に乙女思考で、なよっちくて勉強ばっかしてそうで、クラスメイトと打ち解けてるんだろうか…休みの日に友達ではなく恋人を選びたくなるのは、盲目的になっていると考えればまぁわかるといった範囲ではありますけど、それにしたってローから友人たちのこと(と、言うか学校でのこと)を聞いたこともないし…。
と、そんなある日。仕事終わって上司らに誘われ飲み、2件目行く人〜なんて頃。ふと…。
向かいのビルから見知った顔が出てきたのでお酒入ってちょっと陽気なキッドは声を掛けました。

「ロー!」
「!……ユースタス屋っ」

呼ばれたローは知ってる声に顔をきょろきょろさせて、ひらひらとこちらに手を振っているキッドを見つけました。
途端にパッと明るい顔になり返事をするロー。あ、かわいいな…とキッドは連れに断ってローの方へ。
見ればローと同じような学生たちがちらほらと出てきます。
なるほど、ローの塾はここだったか。

「塾だったのか」
「ああ。ユースタス屋は飲み?」
「おう。……あ、ヤベ…声かけない方がよかったか?」

周りの学生が珍しげにローと自分を見てきます。ローは優等生なんだろうとは見当がつくのでキッドは悪そうな兄ちゃん(自分)が声掛けしたのはなんとなくいいことではなかったような。

「え、いや…おれ、は…う…うれし…」

肩にかかる鞄の紐をもじもじといじりながらローはもごもごと…あ、それも可愛いけど傍目にはおれカツアゲでもしてるように見えてたりしない、これ?とキッドは俯いて照れてるローの頭のてっぺんを見ながらちょっとバツが悪いです。

「あー…なんか、食ってくか?こんな時間にこんなとこで会うのもなかなかねェし…それとも帰らなきゃやべぇ?」
「!」

バッと上げた顔をぶんぶん横に振り平気だと答えるロー。

某コーヒーショップにて、軽く食べながら塾帰りデート。夢みてたシチュエーションが叶いローは周りにお花でも飛ばしそうなほど嬉しさを噛みしめました。

「お前も大変だな。こんな時間にまで勉強とか」
「そうでもない…おれは平日の月・火・木だけだし。友達の付き合いで入ったようなもんだから」
「…友達…今日は一緒じゃねぇのか?」
「居残りしてくって言ったから先に出てきた」
「ふーん…」

ちょっとその友達とやらを見たかったなと思いつつ、キッドはふとローの持ち物に目をやりました。

「ん…ああ、学校で友達に貰ったんだ。誕生日のだって」
「へぇ?よかったじゃねーか」
「……うん…」

高校生同士の微笑ましいやり取りにキッドは笑いながら、ローが照れくさそうにするのを見守ります。なんだ、いい友達いんじゃん。心配してたキッドはほっとしながら、ローがなんだろうかと今頃になって中身が気になりました。

「開けんのか?」
「面白いものだって言ってたから…気になってきた」

思考趣向は乙女なローくんですが、普段は見たままクールなローくんを装っているので仲のいい友達にプレゼントなんてもらっても嬉しいと思いつつ別に祝われても…なんて可愛くないことを言ってしまいます。でも長年付き合ってる友達なのと、ローの中身もよくわかってる友人なので関係にひびが入ることはありません。
プレゼントと言う割にはとても簡易的な包装…おそらく100円ショップなどのプレゼント袋に友人自ら包んだであろうそれを開き、中身を取り出すロー。

「……?」
「…ぐふっ、おいおいおい」

コーヒーを啜りながら見ていたキッドはうっかり笑いと共に口に含んだものを吹き出しそうなりました。
ローが首を傾げつつ眺めている結構な男子諸君が見知っているだろうお馴染みの赤と銀による縞模様パッケージ。

「なんだコレ?」
「え、うっそ…お前わかんねぇのソレ?」
「わかんねぇ…なんだ??」
「あ、バカバカそれ以上開けんなよ。もーそれ仕舞え…あんまここでそれ持ってんの良くねェからッ」
「え??」

大笑いしそうになるのをなんとか苦笑するにとどめてキッドはローにそれを早く仕舞えと促します。
まったく、ローにそんなもん寄こす程度のおちゃらけた友達もいるんだな…と自分の交友関係を思い出しました。軽く2〜3人は愛すべきアホとも言える友人が思い浮かびます。ローもそんなアホな友人に遊ばれてるんだろうなと思うと可愛くて可愛くて。

「お前、今日どうしても家帰らねェとダメか?」
「え…と」
「家来ねぇ?」

テーブルに肘をついて前のめりになりながら、キッドは下からローを見上げるように誘ってみる。見る見るうちに頬を染めるローの返事に満足そうに笑って、温くなった残りのコーヒーを飲みほした。

ローを持ち帰ることにしたキッドはローにしっかり夕食を食べさせてきました。こういう風な夜デートは初めてだった…とローはほわほわした気持ちです。

「さて…ローくん」
「う…え?!ユ、ユー…んぐっ」

パタリと玄関のドアが閉まり、早々に施錠までするキッド。ローが惚気てぼんやりしてるところに、ローの経験上あまりよろしくない笑顔を浮かべたキッドがにじり寄り反射的に及び腰になるローを捕まえていきなりデープなキスをお見舞いしてやります。

「んんっ、っ…ン…!」

キッドのペースで卑猥すぎるキスの嵐。少しアルコールの香るキッドに舌も引っこ抜かれそうなほどに吸われてローは目は回るし腰は砕けそうだしで思わずキッドの服を縋るように握りしめます。
キスをしながらずるずると引きずられるように歩まされ、これ以上進みようがないと脹脛にベッドの淵が当たりました。
尚も奥に追いやられ、とうとうベッドの上に尻もちをついたローはそれだけでは許されずキッドにののしかかられて押し倒されました。
髪をくしゃくしゃに混ぜ返されながら、舌の付け根も上顎も舐めつくされる。

「ロー」
「…っはあ………ゆ、すたす…ぁ…」

もう、いっそ捕って食われたいと思えるほどふにゃふにゃにされたローは自分に跨ってるキッドを見上げます。あんな獣みたいなキスをしておいてそんな優しい笑顔とかやめて反則過ぎる…。

「おー、若いって素晴らしいよな」
「うう…ッ」

キッドとのキスで痛いほど勃起してるロー。制服の上からチンコを擦られてうっかり暴発しそうになったローは腰をのけぞらせました。

「よっと…おー。お前の友達趣味がいいなー悪い意味で」
「う…?」
「せっかくなのでお兄さんがコレの使い方教えてやるよ」

ローが友人からもらったプレゼントの袋をあけ物色するキッド。みれば定番の1つだけではなく3Dタイプのものまで見繕ってあります。
これで心起きいなく使い捨てタイプの定番を使える…そう笑ってキッドは1つを開けました。

「……」
「ちょっとは察したか?」

いくら物を知らないといっても、この状況でキッドがそのプレゼントを使うとか言い出せばなんとなくエロ目的の物だったのかと想像に安いです。
これを寄越した友人のバカ面を思い出してイラ立ちもしますが、実際エロ目的だとは気付けても使い方がわからないのは本当で、興味と不安が入り混じります。なにをされるんだろ…。

「お前、オナホっつってわかる?」
「…あ」
「流石に知識はあんだな」

その単語を聞けばいくらなんでも理解しました。オナホール…キッドはパッケージを見ただけでそれがなんであるのか分かったと言うことは見る人が見ればわかるということで…お店で出してしまった自分を悔やみます。

「ま、テ●ガだからいいだろ…パッケージ的に。キャラ物だったら悲惨だけどな」
「クソッ…って、ユースタス屋!もうわかったからおれ…ッ」
「あー?もう開けちまったよ。いいじゃん使ってみりゃ」

ベッドにテ●ガを放り投げるとローのズボンを脱がせに掛かるキッド。ベルトを外しフェスナーに手をかけます。
抵抗も虚しく下半身をひん剥かれて腹までシャツを捲られました。

「これ、使い捨ての奴な。他のは繰り返し使える奴だから楽しめよ。そんかわり綺麗に洗えよ?」
「うう…ユースタス屋も使ったことあんの?」
「まァな。で、これ玩具だからよ…濡れねぇわけだ。だからローション使うんだぜ?ケチっても自分が悦くねぇだけだからたっぷりな」

付属のローションをホールの中に絞り出しながら説明するキッドにローは複雑そうに顔を歪めます。

「ユースタス屋…やっぱ」
「つべこべ言わねェの。ほら…入れるぜ?」
「ッ……ふっ」

筒を宛がい、キッドが焦らすように少しずつ性器に被せていく。粘りのあるローションの滑りと纏わりつき性器を締め上げる様なホールの感触。

「………」
「どうだ?」
「……そんなに、いいとは思わねェけど…」

確かになんとも言えない心地ではある。ローが人肌を知らない頃に出会っていたならたちまち虜になってしまっていたかもしれない…けれど、キッドの身体を知っている今では興奮下にあってもローションとホールの冷たさが気になってしまいました。

「そうか?」
「う、あッ!」
「んだよ…強がりか?」

ヌプヌプ…キッドがホール揺らせばを空気を含んたローションが卑猥に音を立て、体温と馴染み始めたホール内に思わず声が漏れたロー。
キッドとのセックスと比べるわけではないが、これはこれで本当に…

「くっ、う!ま、って…ユースタス屋、待ってっ!」
「早ェよ…まだ入れたばっかだろ?」
「ううあっ!」

ちゃくちゃくちゃくちゃく、ホールを小刻みに上下させキッドはローの表情を眺めながら時折ひねりを入れたりしながらローを翻弄します。
セックスは抱かれる側に収まってはいても主導権は殆どキッドが握っているので、自ら上に乗り腰を振ってローを追い詰める際にもローの表情は良く見ている。
でもセックス中、キッドもそんなに余裕があるわけではないので素面状態で快感に溺れたローを眺めるのは新鮮でした。
疲れるのはホールを使う手だけであるし、とはいっても手淫とは違うので掌にローが達しそうなのか否か、それも伝わってこないので仕草や表情で見分けるしかなく。

「も、もっ…!イ、…ユースタスっ」
「んー?いいぜ、好きな時にイケよ」
「あ、あ、あ!ンン!ッ!」

ローが身体を震わせ達しても尚も激しくホールを動かすキッドにローは堪らずその手を掴みストップをかけました。

「はぁ!はっ…っ…」
「あ?なに、イった?」
「う、…んっ!」

ぬぽんとホールを取り去るとポタポタとローションにまじり白濁が滴りローの太腿に落ちる。キッドはそれを見ると納得したように頷いて数枚ティッシュを引き抜いて滴ったそれらとローの性器にまとわりつくローションを適当に拭いてやりました。

「悪くなかったろ?」
「い、今さわっな!」

欲を放っても芯を持っている敏感なそれを触られてローは焦ったような声を出します。意地悪なキッドはそんな反応をされたらもっとからかいたくなるもので、ローのチンコの先に唇を寄せると尿道口を吸い上げました。少しだけ残っていた精液が舌に広がります。

「友達にお礼言っとけよ?下手に怒ると馬鹿にされるだけだから余裕ぶって澄ましとけ」
「〜〜〜〜!」

快感で涙の滲んだ目元をごしごし拭いながらローはぐうの音も出ません。
と言うか、キッドと言う恋人がいるのでホールにお世話になるつもりなんかこれっぽっちもなかったし、たまにキッドを思い出してもむらむらしても右手と仲良ししてるだけでよかったのに!
流石のローも切羽づまった欲を晴らしてしまった今…冷静ながらも憤りがふつふつと。

「お前から風呂に――…っと!?」
「おれは満足してない!」

キッドの腰回りにタックルするように抱きついたロー。その勢いにキッドも驚いて体勢を崩しました。
上に制服のシャツを着ただけの何とも悩ましい姿のローに乗られ、さっきまでホール相手によがってた余韻の残る表情で見下ろされ、喉が鳴りました。

「…やっぱりおれがイイって?」
「最初から、ユースタス屋以外はイヤだ」
「……くそ…可愛い顔しやがって……」

本当はおれが抱いてもいいはずなのに…とキッドは自分の理解しがたい趣味に苦笑が漏れます。
ローを抱けるくらい可愛いと思う反面それをせずに自分が抱かれるとは…でも、まぁイヤではないわけで。


「あ、く…っ」
「そんな…イイか?」

背後から聞こえる悩ましい声にキッドは鼻にかかる声で笑う。キッドに突っ込んでとても気持ちよさそうに溜息を零すロー。そんな声を出されては愛おしさが大きくなるばかりです。
そこらへんの女を差し置いて、面が可愛いわけでもないおれを恋人にして抱きたいだなんで。そんなおれってよっぽど罪な男か?なんてキッドは一人考えます。考えながらもそんなこと思う自分に対して笑ってしまいますけど。

「…笑ってる…?」
「ん?別に…半分はてめーのこと考えてたんだよ…ぶーたれんな」
「ぶーたれてねーよ」

背中に抱きついてくるローの声は不機嫌そのものなのに、とキッドは後ろに手を回してローの頭を撫でました。
それだけで自分の体内で跳ねるローの自身を感じるとなんだかわからない優越感があります。

「あ」
「あー?」

ただ突っ込んでるだけでなく、早く動くなりなんなりしてほしいとキッドが思っているとローが背後で動く気配が。首を反らして振り返ってみると、さっき使ったテ●ガを拾う手が見えました。

「……」
「!?おいッ、おまえなにを黙って…」

ローの手が下肢に触れたかと思うと、キッドのチンコに何かが触れます。なにか、とは察しが付くもののギョッとした勢いで自分の股の間を覗きました。

「テメェ……意外と良い趣味してんじゃねーか…」
「だって折角あるし…」
「んっ…」

ヌウゥッ。ローが使ったままのホールがキッドの性器を包みます。まだ十分にローションの滑りはありますが、これにはローの精液も交じっているわけで。
それをローがわかっててやってるのか、わかってないでやっているのか…。

「あ、っ…ユースタス屋…すげ…」
「ぅ…っ、は…そー、かよっ…」

キュウ、と性器を絶妙な加減で締め付けるホールにキッドが感じれば収縮する体内にローまで心地が良いようでいまにも達しそうな声を出している。
調子をよくしたローがホールを握る手を動かしながら腰を使ってくると、キッドは後ろも前も堪らずに、自らも腰を揺らしホール内を擦りあげ後ろで銜えるロー自身を締め上げる。
巷では本物よりもオナホの方がイイなんて奴もいるが、キッドはローと付き合いだして最近ではその本物の女を相手にすることもなかったので疑似でも膣内を模したそれはとても気持ちがよかった。
勿論、慣れ始めた後ろも悦くないわけがなく。

「くぅう!あーっ、あっ…ロー、ちょっ…ああ!」
「ンン!はぁっ…ユースタス屋…ユースタス屋…っ」
「おまっ、待ってって…マジ、あ!ああっ」

夢中になり過ぎているローにはキッドが動くのか動かすのを止めろと言うその声が届かず、キッドはローが気づかない間に数回達してしまった。
前の刺激で出る欲と、後ろを突かれて断続的に続く絶頂感。快感が過ぎて視界がチカチカするキッドはいつもの余裕などなく初めて本格的にローに喘がされてしまいました。
抜き差しするたびホールからは行き場を失い逆流した精液と泡立ったローションが落ちます。

「うぅ…!ユースタス屋…っ!」
「はぁ…あ…」

ローが達するまで、そんなに時間がかかったわけではないのですがキッドには十分長い時間だったと思えました。
ローも1度イっているとはいっても普段以上に蠢き、締め付けの強い体内に翻弄されキッドの乱れっぷりにもほとんど気が付かないほど。
終わったころにはキッドは喘ぐ声も掠れ、チンコも萎えきっていました。


「〜〜〜〜っ、もベんなあ゛い…!!」

キリキリとほっぺたを抓られ、ローは痛みに半分泣きながら謝罪の言葉を述べます。ベッドの上で正座をしながら。イき死ぬかと思ったキッドは元は自分の所為だとわかってはいてもローへの八つ当たりは止められませんでした。
それでも罵声は飲み込んでほっぺを抓るだけにしてやっただけで、優しい方だと思ってほしいです。

「ったく…しかもたっぷり中出ししやがって…満足かこのヤロウ」
「…あい…とても」
「はぁ…。ま、たまにゃあいいか…。ここまで使えばこいつも満足だろうぜ」

無造作に投げ転がされたテ●ガを眺め、キッドは気怠げに欠伸をしました。
ローもキッドの視線につられるようにそれに目を移し、暫くしてカーッ!と耳まで真っ赤になりました。

「おい…お前今更アレにおれとお前のせーし交じってるとか思って恥ずかしがってんじゃねーよな」
「…!!」
「…マジかよ」

飲ませんぞコラ。そんな低い唸りにローがむっと口を堅く結びました。
でも、キッドのだけだったらぜんぜん…。自分のが混じってるから嫌なだけで。
ローがヒリヒリと痛む抓られた頬を擦っていると、わしわしと頭を撫でる手が。
何だかんだで機嫌を取ってくれるその手にトキメキながら、ローは少しだけテ●ガありがとう…そう、思いました。

ただし、友人にはそれ相応のお返し(仕返し)をしようと心に決めながら。

   

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