おもらししちゃう子だれだ?

父親が出来てうれしくて、擦れてた気持ちがちょっとずつほだされて、あるとき急におもらししちゃうキッドくん。
4歳半ばとかだろうかね?ある意味気が抜けて赤ちゃん返りではないけれどそんなのに似たようなものになって、ある朝です。
まだ一人では寝れないキッドくん。鰐のダブルベッドで一緒に寝てるんですが、鰐が起き上がってみるとなんだか、寝間着の裾が湿っぽい。
「あぁ?」となって布団めくるとまだすよすよ寝てるキッドの下のシーツから巨大な大陸図が。
「!?」鰐の時が一瞬だけ止まります。布団をはがれたのでキッドくん寒くなって目が覚めました。
「ぅー…さむぃーー…」
寝起きで愚図りながら寝返りを打つキッド。でもちょうどキッドが目を覚ましたのでこのタイミングは逃せません。鰐はキッドのわきに手を入れ抱き起します。
「んん〜〜っ」
「キッド」
「まだねるぅ」
「テメェ、これどうするつもりだ」
「んーー?」
これ、とシーツを指さされ首をかしげるキッドですが、下肢の違和感とシーツの湿っぽさにドキン!と胸が跳ね上がります。しっこしちゃった!頭の中が一瞬にしていっぱいになりました。
「お、おれじゃないもん!」
「おれがしたってぇのか?」
「うっ…ふぇ…うぇえん…おれじゃないもぉおん…っ!!うぇぇええんっ」
キッドの頭の中には怒られるって言うのとお布団におしっこしちゃったって言うのとで犇めき合い、あっと言う間に泣き出してしまいました。
こうなってはまず怒ってもさら泣くだけだし、と言うかもう何を言っても頭には入らないだろう。
鰐は朝っぱらからキッドの鳴き声と、おねしょ布団を片付けなきゃならないということで頭が痛い。ため息をついて、泣きじゃくるキッドを立たせて濡れた服を脱がします。どっちみち風呂に入れてやらなきゃ済まないので全部脱がせて片手に抱っこ。あえずベッドシーツを剥いで、片手にキッドの汚れた衣服とシーツをつかんでお風呂へ直行です。
「朝っぱらから何泣いてやがるんだァ?キッド」
「ぐずっ…う…」
「寝小便しやがったんだよ」
「寝小便!フッフッフッ…!ダーッハッハッハ!!やるじゃねーかキッド」
風呂から出た鰐はタオルでくるんだキッドを起きていたドフラに寄こし、自分の髪を拭きつつ葉巻を吸います。ちょっとだけ頭痛が緩和されたような…気がする。
「フッフ!そのくれぇで泣くんじゃねェ」
キッドの身体を拭きながらドフラは慰め、鰐はシーツを干します。ベッドマットはどうしたらいいんだろう…途方に暮れるばかりです。

ほんと、この後にもあと2、3回やらかす程度です。おねしょ癖が直らないわけではありません。この後から、鰐、ドフラ、ミホーク(偶に)のシーツの下には厚手のパッド敷くようにしたのでおねしょ対策はしてあります。
あと、普通のおもらし(トイレ間に合わない)のも考えたいですね。多分会社でだといいよ。

小1、2くらいかなァ…ローがバイトに来てて、ローに遊んでほしくて鰐に黙って会社訪れたキッド。
トイレ行きたいなー、でももうちょっと我慢できるからあとちょっと我慢してから…とローと他愛ない話をするのが面白くてトイレを先延ばしにしていたキッド。
しかしいい加減行かなきゃ…と思った矢先。こんなときに限ってローのとこに鰐が来ました。
慌ててキッドはかくれんぼ。こういう時に限ってなかなか出ていかない鰐。
ローも鰐がキッドに会社に来るなと言ってるのを知っているので「キッドが来てるぞ」なんて告げ口はできなくてキッドが隠れている限りはしれっとしながら鰐と話をしています。
それはいい、それはいいけど、人知れずキッドくんにピンチが。
もう、じたばたしたいくらいにはおしっこしたいです。ちんちん押さえながら太ももすり合わせながら「ワニはやくどっかいってー!」と胸の中で叫んでいます。
怒られるの覚悟で出て行こうか、もうすぐ鰐がいなくなるのを信じて待つか、貧乏ゆすりのように体を揺らしながらもうちょっと、もうちょっと!と堪えます。
「ああ、それから…」と、鰐がまだ話を続けようとする。バカー!!と父親に悪態をつきたくなる、もうちょっとだけちんちんの先が濡れてるような気がする。
汗もでる、鼻水もでる。ずずっと、鼻をすするキッド。
鰐「この取引――…(鼻をすする音が聞こえた)」
ロ「……(鼻をすする音が聞こえ、咎めるような鰐の視線から目を逸らす)」
「……おらぁ一旦戻って資料を取ってくる。お前はこれをやってろ」
「…わかった」
音を吸収するための絨毯に靴底がこすれる音、バタリとドアの開閉する音。
しめた!やっと鰐が出て行った!と急いで隠れていた机の下から這い出て
「ローっ!おれトイれぇ…‥ッ」
泣き出しそうな顔でローに訴えかけたその時、仁王立ちの鰐の姿がキッドの目に飛び込む。
「てめぇ、キッド!あれほど……」
「!?ッ…う……うぅ…」
血の気の引いた顔の、おっきな生意気な目からボロッと涙がこぼれると同時に悲しくも音を立てる水の音。ズボンに広がる染み、絨毯にしみこみ広がる大きな染み…。
「―…っ…うぇ〜〜〜っん!!!」
「…我慢してたのか……」
「…こンの、バカタレめ…」
おもらしした突っ立った格好のままえんえんと泣くキッドに、あちゃーと眉を下げるロー。
きっと己がいるから出るに出れなくてトイレ我慢してたんだろうと瞬時に悟った鰐。額を押さえて思わず怒りを飲み込んでしまいました。
「うあーんっ」
「あー…ほら、泣くな。そこで靴脱ぎな…靴下も…ほら、早く」
泣くキッドを宥めながら汚れた衣服を脱がして、キッドの脇の下に手を入れ、腕の力だけで抱きながら社長室の奥まで連れて行きます。同じフロアで遠くなかったことは幸いでしたが、キッドは運ばれている間フルチンでした。ローの小走りに合わせてかわいいおちんちんがふるんふるんと悲しく揺れています。
シャワーで流し、拭いてやったのはいいけれど、ここにはもうキッドの着れる服は置いてないので仕方なくローが重ねて着ていたシャツをキッドに着せました。襟首から肩が抜けそうですがまぁ仕方ない。
一仕事終え、キッドに服を着せてやるためにしゃがんでいたローの首にキッドがしがみついてきます。ローはトントンと背を叩くもキッドが離れるそぶりを見せません。仕方なく抱き上げて、シャツの裾がめくれてうっかりローの腕にキッドの生尻の感触がしますが、この時のローは特に何とも思わず風邪ひきそうだからと裾を直して抱きなおします。ただ、子供の薄い皮膚、肌、生尻は軟くて気持ちの良いさわり心地だとはおもいました。
そんで、現場(笑)に戻ったロー。愛が割らずキッドはぐずり、鰐に怒られるとビクビクしてます。
「ああ、悪かったな」
「いいや…どうするんだ、ここ」
「清掃を呼んだ…ったく…帰ったら尻叩くからなァ…キッド」
「ふぇえんっ」
ますますローの首にしがみ付いて縮こまるキッド。
この後、ローに連れて帰られる道すがら、すれ違ったドフラに爆笑され、不機嫌になるキッドくんでした。


おまけ
「ローがワニとはなしするからだもん!」
「ああ…そうだな。悪かったな…」
「ローがドフラに言うからだっ」
「それも悪かったよ…」
「うぇえーん」
「泣くな…ほら、着替えしよう。パンツどこだ?」
鰐宅に戻ってから、理不尽に八つ当たりされるローさん。苦笑しながら八つ当たりを受け流して、今夜鰐が帰ってきてからのことを考え怯えているキッドを慰めます。
「おれも会社で遊んでたから、おれも悪いよな…一緒に謝ってやるから、もう泣くな…な?」
と、約束通りあとでちゃんと鰐に情状酌量の余地を求めてあげるローさんでした。
鰐も自分のせいでキッドが漏らしたんだろうな(でも無断で会社に来たキッドが悪いんだけど)と思うとあまり強く怒れないだろうしね。


鰐がキッドの尻叩く〜といった理由ですが。おもらしを怒りたいのではなく、勝手に会社に来たことを怒ってます。
おもらしは怒ってもしかたないですよね。
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