年齢とお兄ちゃんと絵本

そういえばの親父たちの年齢。
・ワンピ公式2年前設定ででクロコダイルが44歳、ドフラ39歳、ミホーク41歳。

キッドくん3歳の時に引き取られる。4歳で18歳のローと出会う。
キッド24の時、ローは38。
キッドを引き取った時の親父sの年齢が公式のままだと、キッド24の時には鰐64、桃鳥59、ミポ61。
ローが5歳の時、鰐が31、ドフラ26、ミポ28。

丁度良さ気です。
つかドフラ26。ローが生まれた時には21…なんだか親父たちの若いころを想像しようとするとくすぐったい気持ちになります。




ある日。キッドがまだ5歳になる前です…2人が出会ったばかりの時期。
鰐も出張に行かねばならず、ドフラもミホークも居なくてキッドをどうしよう?となりました。
鰐は、と言うか、ドフラが一応お手伝いさんとしてつるばあさんにごはんとか洗濯とかお願いしてるけどこんな日に限ってつるも用事が。
お鉢は案の定ローに回ってきます。
「ってことだ…今日はうちのを面倒見てやってくれねぇか」
「…おれが?」
「他のやつはろくに顔合わせてねェからな…頼めるのがテメェだけだ」「…」
「勿論、手当は出す」
「いや…そういうのが欲しいんじゃない。わかった…飯はどうしたらいい。それから明日は」


ローは鰐からキッドの子守りを引き受けます。子守りなんかはしたことがないローです。周りに小さい子がいないので、キッドが初めての小さい子でした。頼まれるのはまぁ仕方ないとしても不安はあります。
でも、ローには消えかかって入るけど覚えがありました。なんだかんだで幼少の頃構ってくれた叔父とその友人たちのことを。
だから、その息子の面倒を見ることも吝かではないのです。だからこそ、お金とかで使われたくはないな…と思っただけで。

つる婆(ドフラたち3人の幼少の頃からお世話になってるつるさん。優しくて厳しい)は午後3時くらいまでは鰐宅にいてくれたはずで。
ローは学校が終わった足で鰐宅へ赴き、インターホンを押します。午後5時前…。
一向に出る気配がないので、ローは怪訝に思いながら預かっていた鍵で中に入ります。「キッド」
玄関から声を掛けながら、リビングへ…すると。
「…寝てるのか」
おもちゃとかタオルケットとか様々なものが散乱した(さみしくてちょっと暴れたのちのふて寝)ラグの上に転がっているキッド。
ほっぺたの涙跡には気づかない振りをして、タオルケットを掛けておきます。
すよすよと寝息を立てているところに起こすのもかわいそうに思った末でした。
玩具など散乱したものを拾って片づけていく中、ふと目に留まったものを拾い上げます。絵本でした。
「キッド…キッド。もう起きろ‥」
「ぅ…んぅ」
「ほら、飯の時間だ」
「ぉ…とぉさ…?」
「……起きな?夜眠れなくなっちまうぞ」
寝ぼけてぐずぐずするキッドを抱き上げて目脂のついた目元を指で拭ってやります。
「…ロー…?」
「目が覚めたか?見てみろ、もう外は真っ暗な時間だ」
室内の蛍光灯に眩しそうにしているキッドを窓際に連れて立ち外を眺める。
「お…、ワニは?」
「仕事で今日は帰れねぇんだ。ドフラもミホークも居ないから、今日はおれと一緒にいよう」
「…」
「嫌か?」
「ち、ちがうっ」
「よかった。嫌って言われたら、おれは今日外で寝なきゃならねぇところだった」
フフ、とローは笑ってキッドの寝乱れた髪を梳きます。あちこちはねていた髪はそれだけで大人しくなりました。
「寝起きだが、腹は減ってるか?まだ減らないなら風呂にしよう」
「ばんごはん、たべる」
「わかった」
手を洗って来よう。自然と、優しい言葉尻になるローはキッドを下ろすと手を引いて洗面台へ。手を一緒に洗い、つる婆が作っていってくれた夕食を食べます。
「ゆっくり食って、食べ物を落とすなよ。服を汚すのは仕方ないが、メシを落として食べれたくなったら作ってくれたつる婆に悪いからな」
「うんっ」
拙いながら、一生懸命自分で食べるキッドに付き合いゆっくり食べるロー。幼保への体験学習に行ったときを思い出しつつの食事と風呂をこなします。
親父たちとは違う、お兄ちゃんとのひと時。まだ距離を測りかねているのでお互い必要以上のお話はしませんがなんとかなっています。
「なぁキッド」
「うん?」
「この絵本が読めるのか?」
「ううん。でもワニがたまによんでくれる」
「…そうか」
ローは夕方、部屋を片付けたときに気になった絵本のことをキッドに聞きました。中身をぱらぱらめくってみますが文字を読まずとも内容を覚えているその絵本は、ローが幼少期、鰐からもらった絵本だったのです。
「ロー、えほんよんで」
「…下手だぞ、読むの」
「いいよっ。でも、ゆっくりがいい…ワニ、はやくよむからいっつもよくわかんねぇんだ」
「わかった。じゃあベッドに行こう」
ローは懐かしく思いながら絵本を広げ、キッドと絵を眺めながら極力ゆっくりと文字を読んでいきます。ローが覚えている限り、ドフラも鰐もミホークも本を読み聞かせてはくれなかったですが、絵本や児童書を随分買い与えてくれていました。本を読むのが好きだったローは、顔を合わせる度に、どこかに連れて行ってもらうたびに本を与えてもらうのが嬉しかった覚えがあります。
そして今そんなオジ共が、我が子に照れくさく思いながらも本を買い与え読み聞かせをしてやっているんだと思うと可笑しいし、感慨深くもなりました。
「ローっ、もういっかい!」
「またか?」
「よんでっ」
夕方寝たせいか、中々眠気の訪れないキッドに付き合い、ローは読み聞かせや、字を教えたりしたのだった。

日曜日。キッドが鰐の元に来てから、鰐がしっかり日曜は休むようになりました。たまに土曜も休んでくれます。部下もほっとしています。
特に何をする予定もなくたっぷり時間をかけて隅々まで読んだ新聞をたたみ鰐はテレビを眺めるキッドを見ました。どっか連れて行こうか、どうしようか…まったりし過ぎて、すがすがしい朝10時だと言うのにちょっと眠くなってきた鰐が考えます。と、そこに。
「珍しいな…アンタいたのか」
「日曜は休むもんだろ」
「人ってのは変わるもんだな」
ローがやってきました。ローが知ってる限り仕事男で年中動き回ってる鰐が日曜の朝に自宅にいてカジュアルな格好をしているというのがとても不思議な光景に見えました。
キッドの為なんだろうな…そんな風に思いながら。
「お前こそどうした?」
「…キッドに」
と、手提げを鰐に差し出します。しかし鰐は首をかしげながら、「リビングにいるから直接渡したらどうだ?」と。
ローは少しだけ渋るも、キッドの元へ。
「おはようキッド」
「!あ、ローだ!」
あの日以来、随分懐いた様子です。ローの足にドーンと駆け寄ってくるキッドを軽く受け止めて頭をなでなで。
「どうしたのっ?」
「お前に渡そうと思って…」
キッドに合わせて膝をついて座ると、持っていた手提げから絵本を取り出しました。
「えほんだ!」
嬉しそうに笑うキッドに、ローも胸に温かいものを感じつつ数冊持ってきた絵本や児童向けのDVDをキッドに渡しました。さっそく絵本を開いたり、DVDを見るんだと騒ぐキッドに鰐は適当な返事をしつつDVDをセットしてやりました。途端にテレビに釘付けになるキッドです。
「気を使わせたか」
「いや…これは、全部アンタらから買ってもらった奴だからな」
「?そうだったか」
「覚えてねェならいいさ」
唯の自己満足ですけど、あの絵本たちをキッド(鰐たちの息子)に譲れてよかったと思うローでした。

ローは日曜でもきっとキッドは1人で家で過ごしているんだろうと思って絵本あげるついでに一応子守りにやってきました。でも鰐がいたので驚いた。
そして、昔もらった本をまだ持っていたことを面と向かってバレるのが気恥ずかしかったローくん。なので家に上がりたくありませんでした。

この後、鰐がローとキッド連れて外ごはんに行くんだと思うとほっこりします。お父さんとお兄ちゃんと弟くんの日曜日。未来にはお父(義父)さんと婿と息子の図なんですけどね。
あれかなー、キッドが小さいのであちこち連れて行くんだろうな。情操教育の為にも牧場だとか水族館だとか。親息子で行くのもなんだから、ローも連れてね。
なんだかんだで、ローも18歳ですし、鰐やドフラ、ミホークたちからすればローも立派な子供ですよね。
ベンチで葉巻吹かす鰐、その横にアイス食べるキッドとロー。
2つのこぶがついたヤクザ上がり…きっと世間の皆様にはこう見えることでしょう。まっとうな(とは言い難いけど)会社の社長ですよ、この人。


幼少のローはドフラから可愛がられたと思います。ドフラは犬の子や猫の子をめでる嗜みがありそうなので、親戚の生まれたばかりのちっちゃいローを見たときには心弾んだと思います。玩具みつけたー!みたいな感じで。
幼少期の頃から面白みがあまりない子でしたが、でもやはり子供です。つついて転がせばそれなりに面白い。そんなローを構い倒すドフラ。
きっと、ドフラを見た瞬間に「げ、またきた…」なんて顔をするんですよ、ローくんは。それがドフラにとっては最高に面白いんですけどね。

鰐はローに本を上げたことがあります。ローは苦手と思っていた鰐が本をくれたので記憶に焼き付いていると言い。
ドフラがローを連れて会社とかにくると、ローのいる前で「ガキを連れてくるな」とか邪険に扱うからこういうのに敏感な子供は居心地悪くなっちゃうものね。だから鰐って怖い、苦手、と子供ながらに思ってたロー。鰐が本を上げた理由もなんてことありません、魔が差したというかなんというか。ドフラがローに本買ってやったら喜んだ、なんて言っていたからそれをほんとにたまたま思い出してさ。
鰐だって、子供の癖に大人しすぎる可愛げのないローが素直に喜ぶだなんてドフラから聞いて想像がつかなくて…つい喜ばせてみたくなったというか。
でも結局、鰐が絵本を上げた時にはローはびっくりしすぎて硬直してしまっていたといいです。嬉しかったのは確かですけどね。

相変わらずミホークが出てきませんね。うーむ。
この絵本の一件でキッドはローを好きになります。単純な「好き嫌い」の好きです。それまでは「会社にいた父親たちの知り合いの人」って認識でした。「本を読んでくれるし、本もくれたし、いいお兄ちゃん」からちょっとずつ甘酸っぱいものに変化していくんだろうな。


んでもって、ちょっとどうにかしたいなあ〜と思っている部分。
出会いは〜の小話で鰐がローを「トラファルガー」と呼んでいて、
我儘言ってよ〜のキッドがローをトラファルガーと呼んでいるのですが、この元々の設定を出す予定ではなかったもので。
トラファルガーンとこの倅というような感じで呼ぶのと、まだ名前を呼びなれないっという初々しいというかそういう感じを演出したかったのですが、こうなって(キッド幼少期部分を小話化)しまっては完全なヤラカシですね。
ちょっとだけ書き直そうか…とも思いつつ。そんな感じで…



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