成長の記録

3歳「ぐずっ…っ………ふ…ぇぐ…(せんせいきらい。ともだちじゃない。ごはんのじかんきらい。ぜんぶイヤ。ぜんぶキライ)」
※貰われる前、人嫌い(大人嫌い)

5歳「きょうねー、ワニがねー、ふふふっ。そんでー、でねー、おれがねー」
※今の生活環境に慣れ、お喋り期

8歳「もーッ。おれこういう(会社などのパーティー)のイヤだって言ってんのに!あのおっさんとかおれが話わかんねェと思って悪口すっげー言うんだ!それにっ…それに…(ローが女の人としゃべるからいやだ)」
※ちょっと生意気。情緒が育まれてきました

13歳「別に女装がしたいんじゃなくてローだって本当は可愛い子がいいんだろうしでもだってそれじゃあ…ううう。…なんで本当にスポブラ買ってくんの…おれ女になりてェんじゃねぇのに………けど、ローが…その…着ても、いい……けど、…・・」
※恋愛を覚えて試行錯誤の日々。

17歳「ロー。え?ちげぇよ…今日は親父直々のバイトに呼ばれたからガッコからそのまま来たの。えー?親父が寂しがってわざわざおれを?んなわけ…だったら、嬉しいけど………んー、じゃ、今日は家に帰る。あ、クリーニングとなんか荷物届いてたから受け取って、荷物は仕事部屋の机に置いといた。スーツはクローゼットに掛けといたから。あ、そうそう…パジャマとかタイマーかけて洗濯しといたから帰ったらちゃんと出して。忘れんなよ」
※大人と子供の狭間で行き来。


高校生になったキッド君は義務教育終えほとんど自由になりました。
それまではローのところに泊まるのは原則土日祝、外でデートも遅くまではダメ。ローに関わることで学校休むのはダメ(ただ気分的に学校行きたくないなどのずる休みは可)。
最終的権限は鰐にある。ロードフラが良いといっても鰐がダメと言えばダメ。
義務教育中は文字通り勉強に励む。等の約束事がありました。

でも中学を卒業すれば鰐は余程の馬鹿をしない限りキッドくんの自由となりました。
高校はキッドの意思で。勿論親父たちは高校くらいは行ってほしい思いが、勿論ローにもありました。
キッドも普通に高校は行くことを考え、父親たちやローの通った名門ではなくともそこそこのところへ。
学校に行かせてもらっているということをしっかり理解してるキッドは成績もそこそこをキープして高校生活をエンジョイ。
でも中学の時と違うのは、ほぼローの家に入り浸り家にはたまに帰るくらいになったことでしょうか。
ですが不純で爛れた生活ではなく、ローの不順で廃れそうな生活をキッドがしっかり支えてやっています。
この頃になるとローは仕事が楽しく、恋人であるキッドにはさびしい思いもさせるのだけどなんだかんだ言って成長の著しいキッドです…ついつい甘えが出てきました。
でもキッドも、もう何もできないジレンマにやきもきしなくてもいい歳になりました。ローの世話を焼くのもこれはこれで。
伊達に幼いころから忙しい仕事をそれでも楽しそうにこなす父親たちをッ見てきたわけじゃありません。
そんな父親が大好きで、そんな恋人が大好きです。

と、恋人の世話ばかり焼いていたキッドですが。
そう言えば最近家に帰らず鰐と顔あわせたのはいつのことだったか…キッドに手がかからなくなってから以前の様に仕事をするようになった鰐。
キッドが幼い頃も、忙しいときには数日会えない日がありましたが合間を縫って家に帰ればいた息子が今は、いるかいないかわかりません。
携帯電話とかありますがなんかわざわざ今日は帰るのか、とか聞くのが…親心的に、はばかられます。自由にしろと言った手前…いや、けして淋しいとかではなく。
大体自分が早い時間い家に帰ることが少ないし、だから息子も恋人のところに行くのだろうし………そう言えば、おいダズ。あの仕事あったろ。キッドにやらせろ。どうせ暇してんだろ。

なんて。

仕事を頼むついでに久々に息子と顔を合わせた鰐。この年頃はちょっと見ない間に雰囲気や顔つきが変わります。少し大人びたな、また身長伸びたか?などと息子の成長を見ながら、しかし鰐の方も仕事があるのでいつまでもここで一緒に過ごすわけにはいきません。
ちょっと会話できただけでもよかった、となんとなくほっとしながら鰐は後ろ髪引かれながら去って行きました。

「まだ終わらねェのか」
「バイトの奴?終わったぜ?」
「こんな時間までなにしてんだ」

仕事を済ませ、いないとわかっていてもキッドのバイト部屋を訪れた鰐。
が、まだそこにいたキッド。腕時計を見ると20時過ぎ…ローは少し前に帰ったような気がするのに。

「ベラミーがぐしゃぐしゃにした紙、伸ばして並べてた」
「…ローは」
「? 帰ったんじゃねー?」
「テメェはなにしてんだ」
「親父待ってたんだよ…親父こそいつまで仕事してんだよ」

ぶー、と口を尖らせながら非難を向けるキッドに、ちょっとだけたじろぐような気持になる鰐。なんか用でもあるのかと思っていると、鞄を掴んで椅子から立ち上がるキッド。

「今日晩飯どうすんの?おれさー」

ちょっと照れくさそうに鰐の横に来て、ご飯連れて行けと言うキッド。今日は久々に家帰る。そんなことを言って、親父は?なんて上目使い。
ああ、いつからこんなに目線が近くなったのだろう。
昔だったら首いっぱい反らして見上げてきたもんだけど…なんて感慨深くなりつつ。
久々に親子二人で。

「ドフラミンゴいまどっかの島行ってんだろ?旅行?」
「さあな…大方、ウチの会社とは関係のねぇ仕事だろ」
「夏休みさ、キラーとか誘って海行きたいんだけど。親父、ミホークに船借りてくれよ…んで2日くらい休み取って」
「……わかった」

ご飯食べて、他愛ない話をして。成長したキッド君は親父たちの扱いももうお手の物です。昔は「親父たち休みとか…無理だよな」と、自分では強請れずに、父親がどっか連れて行ってくれるの任せでしたが、今ではもうおれの為なら1シーズンに2日くらい我儘聞くよな?といった具合です。
ちょっと強引な我儘が嬉しかったりするんですけどね、親父たちは。

家に帰って、ただいま、おかえり、おやすみ。おはよう、行ってきます。そんな会話があったかい。
3日くらい、鰐も早く帰るのを心がけてたのでキッドは家で過ごすけど、こんどは恋人の方がちょっと淋しいオーラを漂わせてくるので、キッドはやれやれ…と思うんだろうな。
親父も恋人も困ったもんだぜ。

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