親父の初恋とか

中坊始めたころにはそんなことなんて思ってなくて。ただ単に鰐は若いときに大人びていた鰐に『大人の女』と感じさせて初恋(のようなもの)を抱かせた女性の像ってのを漠然と考えてただけで。鰐は誰かに恋慕じみたものを覚えたのはその時だけで、叶わなかった(叶えなかった)それ。
以降、鰐は女(例外含むを)抱いても身を固めるなんてことは考えもしないのだけど。
んで、その鰐が唯一認めた女って誰よ…と。

理想の人の構想に当てはまったのがイワンコフでした。鰐の理想ありきでイワンコフをあてはめたのでイワンコフはかなり捏造です。
で、女…と言うのは中身が女のイワンコフ。イワさんはニューハーフ。シーメールと言ったところだろうかね…女体バージョンのイワさんに立派なおちんちん生えてる奴でお願いします。
鰐と肉体関係が過去に有ったか否かは伏せておきます。そこが重要なのではない。
イワンコフは鰐が自分を好いてるのを知っていて、また鰐は自分の気持ちがイワンコフに知れているのを知っていた。そういう関係で、かつイワンコフは鰐の弱みを握っている(原作から持ってきた美味しい設定)。鰐はイワンコフが苦手(敵視しているのもあり)で好きで、もうどうしようもねぇなって。切られても繋ぎ止めたい関係で。
鰐は最初からイワンコフが新しい人種の人だってわかってた。見た目良いのに口を開けば残念。でも芯があって自分を簡単にいなすばかりか後ろを向けばからかってくる一癖も二癖もある人。イワンコフ…当時の鰐の手からは、とても遠かったんだろう。
で、鰐が気持ちは知られているのに結局にっちもさっちもどうにもブルドックしている間に、簡単に、あっという間に鰐の前からいなくなったんだろうな。
(原作で言うところの)革命軍を、海外支援とか国を跨いだプロジェクトで飛び回る仕事をするイワンコフとしようかな。
んで、忘れたころにメールとか手紙とかでイワンコフの状況を知ってなんだかんだで助け合うんだろう。お互いビジネスと考えての関係だろうけど。

で、だ。
イワンコフだって年単位で戻ってくるかもしれない。
イワンコフのキャラをすっかりぽっかり忘れているので会話させることすらも難しいのだけど、アポなしで鰐の会社に来たイワンコフ。
鰐は何も語らないけど、遠くの地にいても聞こえてくるものがある。
あれが噂のクロコボーイジュニア…セオリー通り、鰐は不在(珍しくダズも置いて単身で不在)で、キッドくんが居ました。ダズが急にやってきたイワンコフに驚きながら社長不在を告げようとする中、イワンコフの目は赤毛のおちびちゃん(7歳くらい)。

なんやかんやと時間が過ぎて。

鰐が会社に戻ってきました。ダズが出迎えて…長年、社長と秘書をやっていません。秘書の顔色くらいわかります。どことなく落ち着きもないダズに怪訝そうに眉を吊り上げる鰐が、どうかしたのかと問おうとしたとき、社長室の奥(休憩室)のドアが開き、高いヒールのエナメルが艶やかな、すらっとした脚が。

「久しぶりね(口調がわかりません)」

とバァzンと登場するは、まさかのイワンコフ。
まぁ、それはいい…これがいたからダズの調子が可笑しかったのかと(ダズは鰐のこと(気持ち)をそれなりに昔から感づいていたので、本人たちはどうであれな傍にいるダズが気まずく感じている)見当のついた鰐だけど。イワンコフが腕に抱いている、それはなんだ。

遡ること、イワンコフとキッドくんの初めましての時。
「クロコボーイジュニアはあなたね!?」とばかりにオカマのテンションで絡まれ、初めて見る人種に硬直するキッド。
なんとか絞り出した「キッド、7才」と言う自己紹介によくできましたとほっぺにキッス。
あれよあれよと、あわあわするダズも引き連れて(運転手)久し振りにあちこち回るイワンコフ。なじみのお店に行って、服を買い、靴を買い、鞄を買い。その他いろいろ…。
キッドは新しい世界を初めて見ただろうな。イワンコフは見た目女だからわからなかったけど、イワンコフが行ったお店にはお姉さんなんだかおじさんなんだかお兄さんなんだかゴリラかクリーチャーみたいな人間かなにかがいっぱいいたんだと思う。
でも子供ながらに余計なことは言っちゃいけないと言うKY(空気読む)力を発揮して文字通り借りてきた猫状態。
でもオカマさんたち優しかったんだよね、キッドくん。オカマのお姉さんたちとちょっとだけ仲良くなって、仲良くなったら、お洋服(買って)貰っちゃったんです。
外見女でも、長身(ヒールもあるけど元からでかい)でしなやかな身体をしてます。キッドを軽々と抱っこして、大きなおっぱいに凭れるように(バツグンの安心感と安定感にキッドはイワンコフに抱っこされるの好きになった)抱きつくキッド。
その、キッドの姿はふりふりふんわりのエプロンドレスを身に纏っていました。
一瞬、ドールでも抱いてるのかと思った鰐だけどあの赤毛は間違いなく息子のだ…。

「……なんの真似だ」もう、何から言っていいのか。
可愛いでしょ。と笑うイワンコフがキッドを下ろして、キッドくんをしっかりお披露目です。
目を放したら不思議の国にでも迷い込みそうなその姿…妙に唇がつやつやぽってり、血色がいいなと思ったらお化粧までされていました。

最近、ようやくはっきりナマ言うようになった息子になんと言うことをしてくれたのでしょう。すっかり女の子ではありませんか…文句を言いたい反面、これがどう見たって可愛いんだから仕方がない。そっちの趣味はなくとも、我が子だしマジで可愛い。
キッドも男の自分がこの格好をするのっておかしいことなんだろうな、とうすうす思っているから表情もなんかぎこちなくて、それがまた何とも言えない可愛さがあって。
社長、取り敢えずさっきから灰がボロボロ落ちてるので、葉巻を灰皿に捨てて下さい。そう思っても、口には出せずイワンコフとその愉快な仲間たちを止められなかった己を嘆きながら鰐の傍らで申し訳なさそうにしているダズなのでした。(きょうのわんこ)

このあと、後学のため(オカマの勉強ではなく、イワンコフの仕事のこととか)ローを連れて鰐、イワンコフとイワンコフが連れてきた愉快な精鋭達(ボンちゃん他名もなきニューカマー)と着替えを許されなかったキッドちゃんのお食事会があります。
この頃ローとキッドは恋愛感情皆無なので、ローは気の毒そうにキッドを見てるはず。
会食も遅くなって(あとオカマ相手に疲れたので)キッドはおねむに。
黒尽くめのスーツ着た堅気には見えない社長が、ロリっ子を大事そうに抱っこして(時折背中をぽんぽんしつつ)、背の高い派手目な美人(金棒装備)とその他もろもろに囲まれてる姿たるや。
ローも自分も組みの若い鉄砲玉の1人に見られてるんだろうか…とどこか遠い気持ちでいるんだろうな。
差し詰め、孕ませた愛人の水商売女(イワンコフ)と本日誕生日の娘(キッド)を祝いに来た組長(鰐)と右腕(ダズ)とその他大勢ってとこかな。

イワンコフはまた旅立っても、ボンちゃんは鰐の会社に入ります。
実質、イワンコフとの仕事はボンちゃんが繋ぎを担ってるので鰐との関わりも大きく。ボンちゃんが物怖じしないで社長にもフランクにオカマウェイを貫くのを、特になんとも思わず接する鰐。
くねくね、踊っても歌ってもテンション高くても、オカマ口調でも見てるこっちが不安になるくらい鰐はなんも言わないだろうな。普通に会話してるだろう。
オカマバーみたいなところも普通に行くんだろうな…と言うか、イワンコフのなじみのオカマのお店、鰐だって割と贔屓の店かもしれない

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