おばけなんて、おばけなんて

小学生キッドが「おばけなんて、ない…さッ、お…ばけなんて!うっそだ!」
って自分を奮い立たせながら鰐の会社…終業でほぼ消灯済み(非常灯と社員が残って部屋だけ電気ついてる)…の、薄暗い廊下を歩くのを防犯カメラのモニター越しに観たい。と、言うかミホークとドフラが観ている。
因みにキッドはまだ残ってるクロコダイルを迎えにきた…のを口実に、残業してるローに会いに来ました。かわいいね。

キッド「おばけなんて…おばけなん(パキン)…!?」
(家鳴り的な)物音にビクッとしてキョロキョロ。
キッド「……ぉ…おばけなんてなぁい…さ……(尻すぼみになりつつ)」
ヴゥン…
キッド「!?、!?…ぅ…うぅ…」
給湯室で給湯機やら天気製品が唸り、閉ざされた扉からでも静かな廊下には音が漏れ(寧ろ壁に伝って)聞こえてくる。ビクビクが止まらないキッド。
キッド「ちがう…ちがうもん…いねぇもん…」
怖くなって早くローのところ(クロコダイルはどうしたの)へ行くんだ小走りになってパタパタ走るけど自分の足音が響いて、ビィンと反響するのが怖い。けどキッドにはまだ音が反響してるとかそんな難しいのわからない。自分の足音変!怖い!!
無我夢中でだばだは走って…
「おい、こら…」
キッド「…!?ッうぅうぎゃああぁああ!!」
「!?」
肩を捕まれたキッドくん、べらぼうにびっくりして飛び上がり大絶叫。わぁぁあんと廊下に響いた声に残ってた数人の社員もびっくり。(因みにモニターで見てたドフラは大爆笑)
「なっ…うるせぇ!なにやってんだてめぇは!」
「う…ぁ…わにぃ…?」
クロコダイル「ったく…なんだってこんな時間に会社をうろちょろしてやがる!?」
えぐえぐと泣きながら自分の肩をつかんだ正体をみたキッド。
べちん、と頭を叩かれ、すっかり涙と鼻水垂らした顔。そして安堵してびぇえ〜と大泣きし、クロコダイルの足にしがみつく。
うわ、鼻水…と思うけど息子の鼻水くらいもう仕方ない。泣きじゃくるのを片手に抱き上げてなんだなんだと部屋から出て見回りにくる社員と警備員をなんでもないとしっしっと手で払います。
すっかり抱っこちゃん人形と化したキッドにしがみつかれて苦しさも感じるが、気にしても仕方ないので社長室へ戻ります。
秘書、専務室も部屋続きにあり、そこにはローも。
「クロコダイル。遅かった……キッド?」
鰐に提出しなければならない資料作りの為残っていたロー。別件で出ていた鰐が戻ってきたので扉の方を見ると、なぜか息子を抱いている鰐。もしかして用ってキッドのことか?と「?」を浮かべる。キッドの絶叫もここまでは届かなかったらしい。
「…ぐずっ……ぐずっ」
「ぐずってんのか?」
「さっきからこの調子だ…出来たか?」
「ああ。とっくに…あんたを待ってた時間の方がなげぇよ。迎えにでも行ってたのか?」
「悪かったな。違う…しらねぇ間に会社ん中一人でうろちょろしてやがったんだ」
「一人で…?」
なんでまた、と鰐に資料渡しつつ椅子に座ったままクロコダイルの首にしがみついているキッドを見上げる。
「…うわぁ…」
「…、どうした?」
「いや…クロコダイル、そのスーツは帰りがけか明日にでもクリーニングに出せよ」
「……、わかってる」
泣きはらしたぶっさいく(笑)な顔をしてるキッドに苦笑するロー。鰐の肩口はきっと大変なことになっていることだろう。
「キッド、そろそろ降りねぇか…おれはまだ仕事がある」
「……」
「はぁ…。…ローに行け、ローに」
「おいおい、クロコダイル…」
「ロー…?」
「…‥チッ、なんだって泣いてんだ…そもそもこんな時間に何してた」
キッドのうるうるの瞳で見つめられ折れるロー。鰐にキッドを寄こされて仕方なく抱っこしてやる(そして顔をきれいに拭いてやる)ぐずぐず言いながら、鰐を迎えに来たと言うキッド。ローはそうか、と頷き返しながら背中をポンポン。
そして鰐はまだ帰れそうにないのでローにキッドを送らせる。手を放しても子ザルのようにしがみつくキッドに根負けして、会社出るまで(駐車場に着くまで)ローはずっとキッドを抱っこ。
結局、キッドがまた泣きそうにぐずるので帰れなくなったローはお泊り。なぜかドフラいねぇし、子供一人にさせらんないから仕方なく。キッドが離れないのでお風呂もベッドも一緒に。
キッドはローといれて嬉しいけど、おばけ怖い。トイレも行けなくてぐずるキッドにローもなにがあったのかと聞いて、大体の(人気のなく薄暗い社内が怖かった、お化け怖い)ことを察する。仕方なく、トイレもついていく。
でも、自分がトイレに行こうとするのにまでついてこられて…
「ど、どこいくんだよぉっ」
「どこって…便所だよ。トイレ」
「おれもいくっ」
「お前はさっき行っただろう…すぐ戻ってくる」
「いやだぁ!ベッドのしたからなんかでてきたらどうすんだよっ」
「…でてこねぇよ…」
流石に困ったローさんの一夜でした。


後日、ニヤニヤ顔のドフラがPCでキッドの夜の社内大冒険動画をローと鰐に見せるんだと思う。始終、キッドが歌ったり独り言いったりビクビクしたりしているそんな動画。そして鰐に肩つかまれて大絶叫するところまでがバッチリ。

「てめぇの差し金かドフラミンゴ」
「フッフッフ…親父を迎えにいきてぇって可愛いこと言いやがるからよ…ちょっとしたお使い≠ウ。可愛い子には旅をさせろって言うだろ」
「通りであんなに泣きじゃくってたわけだ…大変だったんだぞ、便所にまでついてくるしなかなか寝ねぇし」

お化けと間違われ複雑に思う鰐と、あの日の夜を思い出してため息をつくロー。
キッドはまだ「おばけ怖い」が抜け出せずに、鰐かドフラのベッドにもぐりこんでます。でもまんざらでもねぇんだよ親父sは。

ここから設定いろいろ。


このキッドには父親3人いると言いましたが、あと一人のミホークはパパポジションではあるけど別に邸宅を持っていて、キッド達とは住んではいないです。
序でに言うと、キッドが暮らしているのはキッドが小学校に上がる頃にクロコダイルが建てた豪邸手前の一軒家。
ドフラミンゴは勿論あちこち家や部屋を持ってたりするけど、キッドが可愛いのでクロコダイルの所に転がり込んでいる形。(もっと言うと鰐桃鳥寄りだったりする)
父親達、特に鰐は忙しいけど息子の行事は欠かさない。桃鳥は優秀な部下がいてくれて嬉しいぜフッフッフッな感じなので割りと遊んでます…部下大変。

この頃(キッド5〜10歳程までは)、ローは特にキッドを特別にどうこう思いません。
ドフラ(叔父?)と社長(鰐)の息子くん。よろしくしてやってくれと言われたので、親戚の子供くらいの扱いです…子供の相手とか特に得ても不得手でも…な感じで。
キッドくんの一方的な憧れや好意がローに向いているだけ。
キッドが積極的にロー好き好き!をしだして最初は子供相手に…と思ってたけど、だんだん子供とか抜きにキッドが必至で好いてくれてるんだな…と思って、おれ変態かよ…とか自虐的に笑いながらもローもキッドを受け入れて、そして好きになればいいよね。
せめて高校生くらいになるまで我慢しようと思ってたローですが、早々とそんな思いは打ち捨てました。(小)中坊キッド相手に本気で恋愛をしているローさんの出来上がりです。
キッドくんととても親しく接する間にもうこれは手放されん!いや、手放してなるか!と美味しく大事にいただきました。鰐には殴られ桃鳥から頭ごなしに詰られるよりももっと重くのしかかるような説教をくらい、鷹の目は我関せずのようでいて陰湿ないじめを食らったけれども、それにめげずにキッドとの交際宣言を。
ま、なんだかんだでローを婿に迎えるのには申し分ないし、キッドがローを好きなのは幼少期から見ててわかることだったのでいずれそうなるのは別にかまわなかったのだけど、いかんせん早いだろうが!ってことで。しかももう手ェ出してる(言わずともキッド見ればわかる)とか何事だ!?って親心です。せめてマジで高校上がってからとかならよかったのに…。
ローは大学に行きながら、もう鰐の会社で使われていました。その前からバイトもしていたしね。初めからここに就職すると決めていたけど、大学に行ったのは単にローがまだ勉強したかったからです。ローは暇だから勉強しようってタイプっぽいし。

中、高キッドの家庭教師も兼任すればいいんだ。上の中、下、くらいには成績キープするようにってのが交際条件に入ってればいいよ。
別に成績に煩いのではなく、堕落しないようにってことで。
ローのことだからちゃんと上の中にキッドをキープさせているはず。
中学卒業までは休日のお泊りはよくとも平日は禁止、ローに会うためだけに会社に悪戯に来るの禁止、等と誓約があるといいね。
高校生になったら割と自由だよ。高校生縛り付けておくと逆によくないからね…突然プッツンして愛の逃避行とかになったらドフラミンゴが爆笑死しちゃう。

キッドがローとの交際のために成績を落とさず、生活態度も割と真面目にして過ごしてるんだろうと思うときゅんきゅんする。

ローを婿に迎えても、キッドを嫁に行かせることになっても、鰐の会社を継ぐのはロキドではなさそうだな…と思う。つか、鰐もドフラもそんなつもりはないといい。鰐はきっと死ぬまで現役だし、会社を継いで行けるような人材の4、5人、きっと用意してるはずだ。
ローはずっといい役職で働くもいいし、起業してもいいし。キッドは働かなくてもお金には困らないけど、本人がそれでは嫌だと思ってるので給金は悪くともやりたい仕事をすればいいよね。

こうやって書くだけで満足してしまうから安いし易いんだよな…。
また暇なときにでもキッドの性格とか細々したのを書きたい。中坊キッドをあと1個くらい書いた後には高校生キッドも書いてもいいかもしれない。


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