あなたは遊びのつもりでも







歪む


「好きだユースタス屋」

この言葉が本気なのか何なのかおれには全くわからねェ
だってそうだろ。
こんなニヤついた顔で、抑揚の無い声で
信じろって方が無理

「こんなに愛してるって言うのに…ユースタス屋は全然分かってくれねぇなぁ」

そう言って溜息を吐く口元が笑みを模り歪んでいる
その笑みが怖いとおれの胸はキリキリと音を立てる

「…好きだ」



「好きだ、トラファルガー」

感情の見えない目を見据え無表情に言葉を紡ぐ
ゆっくり正確に言葉を吐き出しもう一度繰り返す

「好きだトラファルガー」

キリキリ音を立てる胸を無視して
頬を滑るそれを無視して

「愛してるのに、分かってもらえねぇのは辛ェよな、トラファルガー」



見据える先の唇が苦く歪む
頬を滑るそれが視界を曇らせ波を呼ぶ
啼く胸は当てつけのように痛みを訴える

目の前にはおれが見たかった真面目な顔
聞こえてくるのはおれの知りたかった真意の言葉


「…ユースタス屋、」







謝罪の言葉こそ、この歪みを正せぬ程の不実。



***
ロー←←←キッド

友達な2人。
ローは「好きだ」とか言ってキッドをからかうのが好きなだけ。
キッドが自分に好意を持ってることに気づいてない。

キッドはローのことをどんどん好きになっていくのにローに言葉通りの気持ちが無いことを知ってるので余計胸が苦しくなる。
でも苦しさに押しつぶされて吐露。
ローは勿論そんな気が無いからゴメンナサイと言うしかない。

この後の2人がお友達でいられるはずもなく。
悲恋。


見たかった真面目な顔と欲しかった本気の言葉が
後悔と哀れみを含んだソレで「俺にはそんな気はなかった」
だったらすごく胸が痛いよね。

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