床の下


あぁ、またいやがる。
決ってそこに現われる白くて米粒みてぇな虫がわらわらと活発に蠢く。
汚ぇ汚ぇ…気持ち悪くて仕方がない。
「なぁ、ユースタス屋…なんであそこばっかに虫が涌くんだろうな?」
ぱちりと安い音を鳴らして火の付く電子ライターで煙草に火を点けた
「はぁ?巣が出来てるって…あー…んじゃあ業者呼ばねぇとな。殺虫剤使ってもなかなか死なねぇし」
ふーと煙草の煙を虫に向かって吐き出す。
わらわらわらわら、わらわらわらわら…
「煙が好きじゃねーのかなァ…」
ザァッと波が引くように居なくなる虫にクツクツと笑いが零れた。


虫の涌く床。その上を歩くとぎしりぎしりと良く軋んだ。
もしかしたら床が撓んでんのかもしれねぇ。
それとも

床下が腐っているんだろうか。

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