別の世界を臨む俺らの遊戯



*別の世界を臨むロキドの遊戯




蒼白の身体に紅潮した首から上が不似合で、でも苦痛の表情が可愛くて仕方がない
夢中で腰を打ち付けると呻くような悲鳴が上がっておれの鼓膜を刺激する
その声もすげぇ可愛いと耳元で囁いてやってもきっとこいつには届いてねぇんだろう
それでもいい、こんな可愛い姿…じたばた暴れる手足が邪魔だなんてこと思えるはずもない。もっともっと暴れりゃあいい
愛しくなまめかしくゆらゆらと宙を泳ぎおれの身体にすがりついて殴る蹴る押し退ける
振り上げた手がおれの瞼を掠めて割れた皮膚から赤い液体が滑り落ちて鼻先へ顎へ流れ伝って行く。
薄く開かれた瞼から覗く瞳に「ざまぁみろ」と言われた気がしておれは堪らずにまりと笑いながらそれならばとじわりじわり両手に力を込めた
掌の下で踊る血管、潰されてごりごり動く気管
変色し始めた唇がパクパク動いて涎が零れた。なんて卑猥。
いつもは瑞々しく艶やかな唇は今はガサガサに荒れている
ガサガサと隆起する皮膚を舐めて潤してからそっと歯で剥げかけの薄皮を取り除き口腔に溜る唾液と共に嚥下した
滑らかになった唇をもう1度唾液を含ませた舌でなぞってひやりと冷たいそれを堪能。
するといつの間にか暴れていた手足がへたりと落ちているのに気付いた
呼び掛けの代わりに勢い良く腰を揺らすと左手の指先がひく、と微かに動く
それから間も無く半分勃起したペニスから白濁が膿の様にどろりと溢れそれが栓をしていたのか白濁が途切れると透明な水がサラサラと溢れ陰毛や結合部を濡らしていった
少しだけツンと鼻に刺さる臭いに欲情する
蕩けた尻はおれが塞いでいるが尖端に纏わりつく粘土のような固りを感じている。
さて。

「…ユースタス屋」

口付けて舌を差し込むと舌根が奥まで落ちているのが舌先が触れるだけ。
部屋に時計の秒針が時を刻む音だけが響く
おれの声とおれの鼓動、おれの血流、おれの筋肉の収縮する音なんてものは時を刻むよりも細く些細な音

「ユースタス屋…戻って来い」

ほら、と胸を辿り行着く凹み付近へ重ねた両手を添えて時を刻む早さで数回押し潰す
ぐきゅぐきゅと骨が歪む軋む

「ここだぞ…戻って来い」

鼻筋通った綺麗な鼻を摘んで顎を持ち上げる晒された白い喉元に無数に走る赤い筋と斑点を見ながら唇を含んで息を吹き込む
途端にふれる胸部

「来い…ユースタス屋…愛してる」

そしてまた凹み付近をベコベコと押し込む。
息を吹き込れる

「ユースタス屋…」
「…、……っは…」

ゆらりと胸部が緩く波を打った
ぴくりと指先が跳ね
ふと瞼が開きおれが映る

「お帰り、ユースタス屋」

温かな額にキスをして髪を梳いてやった

「…トラ、ファルガー」

そろりと背に回る指先がひやりと冷たく皮膚を刺し掠れた声が音を繋ぐ


心臓が五月蠅い



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何処かに行きたかったユースタスとトラファルガー

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テーマ「人外ファンタジー」
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