キスがしたい
ロー→キド
愛しくて愛しくて
愛しいということを臆面もなく伝えて
"キスをしたい"
と、瞳を見据えた。
視線がぶつかり、逸らすことを躊躇う双眸に己の双眸を細め
もどかしい距離を埋めていく
相変わらず躊躇いが浮かぶ双眸は、それでも開かれたまま
俺の方が耐えかねて瞳を閉じた。
無防備を晒して更に距離を埋め
唇が重なる寸前に何か音が聞こえた気がする。
しかし汐風に阻まれその音は俺の耳にははっきりとは届かなかった。
少しだけ開かれた唇と己のそれが重なる
キスを終え、瞳を開くことが少しだけ恥ずかしいと思った。
汐風に掠われた音は何処に辿りつくのだろうか。