馬鹿と阿呆はなにかと後悔する


ユースタス屋は馬鹿だから喉の奥まで平気でおれのチンポを咥えるもんで案の定ゲロしやがる。
チンポ咥えたまま逆流させた胃内容はクリーム色で粘ついてペースト状で。
ジーンズの前開けてチンポだけ出してたおれの腹から下にべったり這って落ちる生暖かなゲロ。
くせぇし纏わりつくゲロ塗れの服は何とも言いがてェ。

カエルが潰れたみてぇな声でゲェゲェ嘔吐いて、苦しさと喉を焼く酸のせいで涙目になって鼻水を垂らした。

ゲロの滴る口許
粘りのある唾液が糸を引いてる落ちる顎
涙と鼻を垂らしながら、それでもまた嬉しそうにゲロに塗れたチンポにしゃぶりつく。

また、そんなに奥まで銜えて苦しいだろうに。
鼻水の詰まった通りの悪い鼻でぶうぶう吐息を押し出して。

酸っぱい臭いにおれは些か、胸を焼きまして。
つい、ついついもらいゲロ。
ユースタス屋の頭目掛けてぶちまけた。
つい少し前に食ったなんとかスパゲティの成れの果て。
べっとりと、いろんな意味でイヤらしくユースタス屋に纏わりついて。
先に床を汚していたユースタス屋のゲロにおれのゲロが追加された。
ああ、あれはサラダに入ってた赤ピーマンかプチトマト、どっちの破片だろうか…なんて。

「ごめん、ユースタス屋」
「……」
「ごめんね」

びっくりしてるユースタス屋に、ひっくり返したなんとかパスタとサラダ風味の酸っぱい味が残る唇で謝罪のキスをした。
触れた鼻先と頬に、ユースタス屋に向かって吐きつけたゲロが引っ付いた気がしたけど。


「目、開けらんねェぞ…クソやろう」
「開けない方がいいぜ、開けてると酸っぱさで染みるしな」
「もう目に入ってんだよ!」
「ああ…それは失礼」

ゲロの垂れた瞼をピクピクさせてるユースタス屋に、おれは少し涙でぼやけた視界で教えてやる。

「風呂、行こうか」
「うん………っぅえ」

ユースタス屋が2発目のゲロをで噴射しないうちに、手を引いて風呂までの道のりをゲロを引っ張って歩いた。


ソープの匂いに、何となく酸っぱい臭いが混じるような気がするのは、歯を磨いて口を濯いでも、喉の奥にまだゲロが引っ掛かってる気がするからだろうか。

そんなことより


風呂でセックスしてすっきりして、ついでに頭も正気に戻った。
三回髪を洗ったユースタス屋も、三回目のシャンプーを泡立てた辺りから憂鬱気を増していた。

最初から風呂でヤッていれば面倒はしなかったのに。
今頃、部屋中に異臭を漂わせているだろうおれ達のゲロ。
片付けまで考慮出来るような頭が最初からあれば、ユースタス屋もゲロ吐くまでチンポ銜えて悦ぶ馬鹿ではないわけで。
おれも、そんなユースタス屋を可愛がって好きでいる阿呆ではないわけで。


そんな馬鹿と阿呆は、無意味にだらだらと、冷えて行く湯の中で脳ばかりか身体までも心行くまでふやかしてしまうのだ。

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