Chamomile


「〜〜っ。もー、重たいわよトラファルガーッ」
「ユースタス屋ぁ…」
「なんなの、甘えて…なんか、あんた身体熱い?」
「うー…」
「…?」
「おっぱい痛いの…お腹も痛い、腰も頭もっ」
「…生理、はじまったのね…薬飲めばいいじゃ…」
「それに!」
「え?」
「ムラムラする!!」


よく晴れた日の朝、キッドがまだ惰眠を貪っていると、俯せになって寝ていた背に無遠慮な重みがのしかかってきた。
寝苦しさに呻きながら目を覚ましため息をつく。心当たりは一人しかいないのでとくに騒ぎはしないが非常に迷惑だ。
ブラを付けずにキャミソールとショーツだけの格好で寝ていたキッドの腹部に細い腕が絡みついて肩にぐりぐりと押し付けられる頭。
そんなキッドの寝込みを襲っている犯人のローもまた、キッドと同じような格好をしているのか素肌の触れ合う感触がする。

「ムラムラ…って、や!ちょっと…!」
「ユースタス屋にも生理腹が移ればいいんだわ…」
「なに八つ当たりしてるのよっ。…それより手!何処触ってっ…んんッ」

うだうだを恨み言を吐くローは、キッドの身体を弄りショーツの脇から指をくぐらせ秘裂を探った。
乾いた指が女芯を執拗に嬲り、キッドは逃げようと身じろぎしながらローの手を掴む。

「ぅああっ、あっ、やっ、なんで私に…っ」
「私だってユースタス屋とエッチしたいのに最低でも4、5日できないのよ…」
「自分で、オナればいい…のに!」
「嫌よ…オナニー嫌いなの」
「んん!んくっ、あ…やだ…やあ!」
「ふふ…クリトリス大きくなってきた…濡れてきたの?音、くちゅくちゅ言ってる」
「ふっ、あ…あぁ…っ」

びくんっと身体を跳ねさせ、キッドはローの指で絶頂に達した。ローは蜜がまとわり付いた指を下着から引き抜くとわざと音を立ててその蜜を舐め取った。

「ん…ユースタス屋味…。ねぇ、気持ちよかった?」
「……」
「ねぇ、ユースタス屋…っう!?」
「…むらむら、するのよね?」
「…ゆ、ユースタス屋…?」

むっつりと頬を膨らませたキッドは寝乱れて跳ね飛んでいる髪もそのままにむくりと起き上がり、ローの腕を引っ張ると今まで自分が身を沈めていたベッドに押し倒した。
キッドは絶頂感の余韻で息を弾ませ少し目を潤ませてはいるが、怒っているのか眉をしかめてローの胸をぎゅっと鷲掴みにする。

「いった!痛いっ、痛いユースタス屋っ…んぐぅっ!」

長い爪が乳房に食い込いこむくらいにローの硬く張った乳房をぐにぐにと揉み、ローがいくら痛がって暴れても余計に荒く揉みしだく。痛い、止めてと言う唇はキスで塞いで、上顎を擽るように舐める。

「あふっ、あ、んん!ゃ…!」

腫れぼったく敏感な乳首をキリキリと捻り上げ、ナプキンを当てている股の間にキッドはぐりぐりと膝を押し付けた。
ローは足を閉じようとするもキッドの身体に阻まれてそれもできずに、胸を触られる痛みに悶えながら必死にキッドの身体を押しのけようと足掻く。
ギュッと閉じられているローの目を見ながら、キッドは枕の下に手を突っ込むと、いつも二人で使っているオモチャを引きずり出した。
ローの耳の傍でビィイイインと唸りだしたモーターの音。ローはまさか、と驚き目を見開いた。

「んぅ!ッ、…ぷはっ…キッドぉ!」
「すぐイっちゃいそうだけど…」
「ひゃ、アッ…ぁああ!」

カプカプと片方の胸を食みながら、キッドはローの腹部からサニタリーショーツの中に手をくぐらせる。指先に捕まえているローターを引き連れて女芯に軽く押し当てた。
しびれる様な振動が弱い部分を休むことなく刺激し、甘い疼きが下肢に集まってくる。

「あ、あーーっ」
「あんまり動くと漏れるわよ…シーツ汚れちゃう」
「やぁっ、だって…!きっど、やだっ、そんなしないでっ」

クルクルと、陰核の頂ではなく周りを擽る様にローターで撫でもどかしさを与える。月経からの腹部の重い痛みとローターの痺れにヒクヒクと性器を疼かせれば経血か愛液かわからないそれがぷくぷくと泡が生まれるように体外に出ていくような気がする。

「はぁ…っ、は…ん、キッド…」
「イきそう?」
「うんっ、うん…っ、イきたい…キッド、イきたい…っ」

素直に快感に従うローが、甘えるようにキッドにねだる。「イかせて、イかせて」と身体を摺り寄せて、キッドが陰核の頂にローターを押し付ければすぐに押し寄せてくる強い快感の波に飲まれた。

「んやぁあっ!あうっ、あ…ああっ」

高い声を上げてびくん、びくんと震えたローは強い絶頂感に達する。目の前が一瞬白けて、ツゥンと耳鳴りがした。

「はぁっ…はぁ…」
「ふう…あー…爪の間まで汚れちゃった…」

ローが弛緩した身体を投げ出して余韻でぼうっとしていると、ショーツから手を抜いたキッドが自分の手を眺める。ローの経血に汚れた指先をスンスンと鼻を鳴らして独特の匂いを嗅いだ。
自分ならばともかく、キッドがそんなことするとは思わなかったローは恥ずかしくなり、初めて居たたまれなさを感じた。

「ゆ、ユースタス屋っ早く手、洗って!」
「言われなくても洗うわよ…と言うかシャワー浴びてくる」
「ん…」
「あんたは?」
「ユースタス屋のあとで…入る」
「っそ」

長引く絶頂感と、キッドにイかされと言う胸の高鳴りにドキドキと煩い胸を押さえながら、ローは暫くの間起き上がることができなかった。




「…おなか、いたぁい…」

キッドのあとにシャワーを浴びたローはお腹どころではなく腰も重く痛み、キッドに荒く揉まれた乳房も火照りと疼痛で憂鬱な気分になった。
むらむらは解消されてもいまいちすっきりしない、とへろへろした足取りでリビングにたどり着く。

「自業自得よ」
「ユースタス屋があんなに強くおっぱい揉むから…」
「知らない。人の寝起きにヘンなことするトラファルガーが悪い」

ツンケンした態度にちょっとだけしょんぼりしながらローはクッションの上に座り、膝を抱えた。

「…はい、これ飲んで」
「…あったかい…」
「薬、いる?」
「いらない…かな」

差し出されたマグカップには冷えに効果的なホットティーが注がれて柔らかい香りにほっと溜息が零れた。
ぽふっと腰回りに掛けられた軽くで柔らかい毛布と、ローの傍らに寄り添って座ったキッドの温もり。

「生理の情緒安定さを理由に何してもいいとか思わないでよね」
「…ふふ。…ごめん」

ローの腰を摩るキッドの手の優しさに生理初日の苛立つ気分が和らいだローだった。




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ローは生理のもろもろが重そうだな…と思います。
キッドもそれなりにありそうだけど薬飲めば平気って思える派だと思う。

生理が重いときは言動に波が出ますよね…と言うお話でした。
ローは自分の非を感じて反省するとデレ100%+幼さがでるだろうな…と思ってます。

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