蓼食う虫も好き好き


シャチのこと下っ端に見てる、そんなキラーさん。ずっと舐めてて、シャチもへたれさ隠そうともしなくて。
航海中、立ち寄った街で偶然会って、いいよるシャチをウザったそうに無視して歩く。
んで、ちょこちょこ不埒な輩が「いい女連れてるなァ」って来るのを「でしょぉ?」ってでれっとした顔でシャチ。
「ネェちゃん、そんなひょろっちぃ男やめておれたちの相手しろよぉげへへ」なんて言う男に、「最初からこいつの相手もしてない。迷惑だ、連れだと思ってくれるな」って心底嫌そうなキラーさん。
ドっとおこる笑いに、そーかそーかと不埒な男の手がキラーの肩に乗り…そうなところで、キラーさんの武器がその手を切り落とす。
でもブ男の方がもっとごめんだ触るななんか移りそうだし見るからに臭いから寄るな。つって男どもをあっという間に伸す。
シャチ君拍手喝采。
「いやー、流石流石。ユースタス・キャプテンキッドんとこの鉄砲玉」
やんややんやとキラーを褒めて讃えるけど、キラーの刃がシャチの頬に1筋の線を。
「なんの真似?」
「えー?」
「あれ、なんの真似なの?」
背後で倒れてる男を親指で指す。男の眉間に刺さるダガー。
「おれ、ダーツが得意で〜」
「私の獲物に手を出した…屈辱」
「ごめんなさい(ハンズアップ)」
「そんな言葉が聞きたいんじゃない」
「君に触れたから」
「…」
「マスも掻けないようにしようと思ったら君が先に手を斬っちゃっただろぉ?出したダガーを引っ込めるのも癪だったモンで適当に投げたら『大当たり』だっただけだよ」
ニヤニヤ笑うシャチ。でも、実際キラーの肩に男の手が触れた瞬間にダガーは投げられていて致命傷。キラーが手を斬るのと…。
キラーは刃を下ろすと仮面の内側からシャチを見つめる。…と、片足を引き、蹴り上げる。コキン!
「うごぉあ!?」「ふんっ」
股間を押さえて蹲るシャチと、踵を返してずんずん歩いて行くキラー。
シャチと随分距離が空き、ツーっと汗を流すキラー。緊張させていた手からやっと意識と力が抜けていく。
この間、キラーにあったのは得体のしれない恐怖だけでした。
びっくりもしました。まったく殺気を感じ取れなかったしシャチの行動の一端も見ることも感じ取ることもできなかった。
自分の横を通ったはずの刃の軌道すらわからなかった。
シャチにそんなことができたなんて…と薄ら寒さすら感じました。
恐怖と、得体の知れなさと、なんかとてつもなく腹の底にわいてきた悔しさから思わず蹴ってしまったシャチのキンタマ。
随分あっさり蹴ってしまったけど、手応えもあったけど、シャチも悶絶していたけど、あれだけのことをする男の股間をそうやすやすと蹴ることが本当にできたのかと疑心暗鬼もある。
キラーさん、初めて本当に怖い思いをしました。

ここから恋愛に発展させたいです。因みに、シャチはもろに金的食らいました。今、きっとベポに腰をとんとんしてもらってます。
ペン「なにをしてるんだ、バカじゃないのか」
シャチ「ふぐぅう…」
ロー「大方、美人引っ掛けようとして失敗したんだろ」
シャチ「ぐぐぅううう…ッ」

前にも、ハートのメンバー語り的な物でシャチは暗殺向き…的な位置だと語ったのですが。
キラー「殺気が1つもしないな…お前」シャチ「殺そうなんて思ってないよ?おれは。笑いながら適当に投たナイフで相手が死んじゃうだけ。よっぽど相手に運がねぇんだよ」
そういう男が良いです。そして、一番最初に笑って死ぬ男。


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