キミの隣には 3
 



「俺のダチ来るけど構わねぇだろ?」

赤い髪のお兄さん。
少し紹介して貰った限りではユースタスと言うらしい。ユースタスさんはローと俺とペンギンを飯食いに連れ出した。
「何食いてェ?」そんな問いに空気を読んで、俺は元気良く「肉が!」と挙手をしてみた。ローには蹴られたがユースタスさんは「焼肉でいいか?」と意外にも笑って返してくれたから俺グッジョブ!とペンギンに親指を立てたらペンギンもグッジョブ、と称賛してくれた。
ローにはまた蹴られたけど。

連れて来られた焼肉屋の前で金髪で長髪人と落合う。この人がユースタスさんの友達のようで2人が並んでいると正に"類友"だと思えた。

「お前酒は?」
「いや、バイクで来た」
「なら俺も止めっか…お前ら飲み物何?」

個室の座敷に通され、上座にユースタスさんとお友達、その向かいに俺たち3人が座った。(見た目から既に)年上らしくユースタスさん達はチャッチャとメニューを決めて(因みに食い放題やらなんやら)俺たちへの気回しも忘れない物凄い面倒見のよさを感じさせる。

「取り敢えずビールで!」
「未成年がなに言ってやがる」
「意外に硬いんですね」
「罪を問われるのは側に居る大人だからな」
「……」

俺とペンギンの冗談故の軽口を適当にあしらう2人とぶすくれたロー。
いや、分かってる。これでも俺とペンギンは探り探りだしユースタスさんも多分居心地は微妙な筈だ。
それぞれがアルコール類一切なしのお茶やジュースを頼み、漸く場が整った。

「ユースタス・キッドだ…こっちはキラー」
「ペンギンです」
「シャチですっ」

本来ならローに取り持って欲しいところだが、ユースタスさんも期待はしてないようで自らで名乗ってくれた。

「呼び捨てで構わねぇぞ」
「敬語も必要ない。トラファルガーと同じように話してくれればいい」

ならばキッドさん、なんて呼ばせてもらおうかと思ったがローの方から鋭い視線が飛んで来たので止めておいた。
きっと自分が名前呼び出来てねぇから悔しいんだろうなァ

「いってぇ!!」
「あんまり調子に乗るなよ、シャチ」

背中を摘まれて飛び上がった。有り得ねぇ有り得ねぇ!捻りまで入れて来やがったっ!

「…あれは、また珍しい反応だな」
「だな…あいつちゃんとダチがいたんだって今ホッとしてるぜ」

物珍しそうにローを見るキラーさんとユースタスさんに俺とペンギンもローをマジマジと見る。

「……なんだ」

あ、すっげ不機嫌な顔。

「いやぁ?もっと早く教えててくれてもよかったのにな、って思っただけ。なぁペンギン」
「そうだな。と、言うか俺たちの事なんて忘れてて言うタイミング逃したんだろうなきっと」

ローのことだし、と笑うペンギンに頷く俺。
びっくりはしたけど、偏見なんてそんなのはなくて

「お前が真面に生活出来てて良かったよ」
「通い妻してやんなきゃって思ってたからなぁ」

むしろ良かったつかホッとしたっつーか…

「ローのお陰で頼れる先輩が出来て俺らもラッキーだし?」
「おい…迷惑掛ける気満々の奴がいるぞ。トラファルガーで俺には余裕がねェからキラーを頼れ」
「俺に押し付けられてもな…既にお前とトラファルガーの面倒を見てる俺の身にもなってほしいんだが」
「ローお前どれだけ迷惑をかけてるんだ」
「るせェ…まるで俺がガキみてぇな言い方すんな」
「なに言ってやがる」

「「お前は十分ガキだろう」」

そう、4つ重なった声にローは驚いていた。



  

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