ぎゅー。
 



(2013/08/09 より)

「ユースタス屋?」
日付が越えたころ、先にベッドに寝転がっていたキッドに呼ばれローはのこのこ近寄った。するとキッドの腕が首に伸びて絡み付く。
ローは腕に引き寄せられるままキッドの上に覆いかぶさり、瞠目しながら見下ろした。
「…どうした?」
「今日、ハグの日だぜ…知らなかったか?」
「へぇ…知らなかった。良い日があるもんだな」
悪戯めいた笑みを浮かべるキッドにローはつられて笑いながら、キッドを抱きしめ返す。
向かい合い、抱きしめあったままベッドに横になるとローはキッドの腕枕に寝ることになった。
重いとも文句も言われないのでこのままでいいのだろう。
キッドは片足をローの上に乗せて楽な体勢を取っている。
「ハグだけ?」
「他に何がシてぇんだよ…」
「えー。そりゃあ…」
「はは…キスくらいならいいぜ」
「そんだけかよ…」
「だってもう遅ェだろ…今からヤってたら寝るの遅くなんじゃん…ン、…」
「んー…しかたねぇか…」
「ふ、ん…あ、バカ…シねぇって…」
「背中触るくらいいいだろ?」
「あ…っ、ロー…、ふ、ふ…っ、くすぐってぇ」
もぞもぞとシャツの裾からローの手がキッドの背をじかに這い回る。キッドはきゅっとローに抱き着き頭を摺り寄せた。
「キッド…もしかしてすげぇ眠い…?」
「んー、…」
「なんだよその微妙な返事」
「うるせぇ…つか、もっと、背中触って…きもちい」
「やっぱり眠いんじゃねーか」
ローは笑いながらキッドの背中を触りギュッと抱き寄せる。片手をズボンと下着のゴムに潜らせて直接尻を撫でてみても咎める声は聞こえてこないが、腕枕をする手がローの後ろ髪を引っ張った。
とはいっても軽く引く程度であるし、ローも抱く気があるわけではなくじゃれているだけだ。
ローの手が尻を触ったまま、特に悪戯に動かないことを知るとキッドはもぞもぞと動き居心地のいい場所を探した。
ぽつりぽつりと会話を交わしながら、次第にとろとろとした眠気に意識を沈めていく。
ローはおやすみ、とキッドの唇をついばみ目を閉じた。
狭いベッドで抱き合いながら、明日の朝お互いにどこか寝違えていなければいい、そんな風に思いながら。



明日の朝、キッドが起きるまでローの手はキッドのパンツにログインしたままです。お尻さわりながら寝れる幸福感。
男の人って、まぁ女の人もあるかもしれませんが、ズボンの中や服の中に手を入れて寝てたりしますよね。私は襟首に手をいれちゃって首元がだるんだるんになっちゃうとかよくあるのですが。
キッドはローに腕枕して、ローの襟足や肩甲骨を触りながら寝ています。なんか安心するそうで。
ハグの日に限らず隣りにの彼らはこうして寝ることはままあります。羨ましい限り。


 

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