恋人はどうでもいいような小さな嘘を吐く。それもすぐばれるような嘘ばかり。 隠すのもヘタだし、むしろ隠しきろうとしない。 軽い嘘を見破らせて怒られるのを待っている節がある。 「ユースタス屋、オモチャとか持ってるのか?」 「え、いや…持ってねェけど……」 ユースタス屋のアパートに上り込んで過ごす。ワンルームのそう広くない部屋だ。 何度も訪れている部屋だが、ユースタス屋がマゾをカミングアウトした今…改めてぐるりと部屋を見回してみる。 閉ざされた引出しや衣装ケース。その中に何か隠されているような気がしてならない。 「ほんとうに?」 「……あ、ぅ…」 「ユースタス屋」 「っ……」 チラッ、とユースタス屋の視線が衣装ケースに行く。それを見逃さず、おれは断りもせずに衣装ケースを開けて行った。 下段に、巾着袋や布や箱に包まれた物々を見つける。一つの巾着袋を開くと直径1.5cmから2cmくらいの玉が連なっている紐が出てきた。俗にいうアナルビーズだろう。 布に包まれているのはディルドやアナル栓。箱の中はエネマシリンジ…。 それからローションやラテックス手袋もあった。 「持ってない、ねぇ…」 「そ、れは…今使ってんじゃなくて前の…」 しどろもどろに言い訳をするが頬を赤らめて上目使いにこちらを見る表情には熱が籠っている。 おれは黒くなだらかなフォルムで括れのついたアナル栓を手に取るとユースタス屋の目の前に差し出した。 困惑したようにアナル栓とおれの顔を交互に見るユースタス屋に極力サディスティックに言ってやる。 「丁寧に舐めろ。この後どう使われるかは想像がつくだろ?」 「ッ、う…あ、む…」 きゅっと目を閉じてそろりとアナル栓の細い先を咥える唇。挿入部が12cmほどで一番太いところが3cmくらいだろうか。円錐状のそれを徐々に深く口腔に咥え、括れまで含む頃には嘔吐きそうになるのを堪えているのか苦しげに眉間に皺を寄せた。 「んううっ…ぇう…っ」 「大きなおしゃぶりだなユースタス屋。涎零して汚すなよ」 ユースタス屋の喰らいついているアナル栓持った手を左右に揺すったり抜き差しをしてやる。薄い頬の肉を押し上げ膨らむ頬袋や、上顎を抉られ呻き涙を浮かばせる歪んだ表情が扇情的でたまらない。 服の上から乳首を探り、もう硬く尖っているそれを捻りあげた。 「あがぁッ…ィう…」 「立って。中腰になって尻突き出しな」 痛みに喘いだ瞬間にアナル栓を口腔から引き抜いた。糸を引く唾液が伸びて撓みながらぷつりと切れる。 「ハァ…ん…。とら、ファルガー…」 「しっかり立っとけよ。自分で尻開いておれに見せてみな?」 ユースタス屋の下穿きを太腿の途中まで下げて張りのある染みひとつない真っ白な尻を剥き出しにさせる。 そして命令口調で指示を出せば、ユースタス屋自らが左右の手で尻の肉を鷲掴みにして尻の穴を晒した。 尻穴の皺が伸びて引き攣るほど左右に引っ張られた尻の肉が、本人の手によりぐにゃりと握られている。 腰をかがめて突き出された尻の狭間に顔を寄せてわざとらしく、スンスン鼻を鳴らしながら匂いを嗅いでやった。 「へぇ…あんまり臭いはしねェな…おれが来る前に風呂入ったのか?」 「あ…やっ、嗅ぐなよッ」 「フフ…結構使ってんだろうに綺麗な色してるな…」 「あ!まって…や、まだっ…入らなッ」 すっかり冷たくなった唾液がまとわりついたアナル栓の先を窄まりにすりつける。 ひくりと収縮するアナルはまだ慣らしていない。ユースタス屋が風呂に入るついでに自分で慣らしていたらそれまでだが、反応を見るに外側を丁寧に洗ったくらいでいるようだ。 アナルはしっかり閉じているが、普段からこのアナル栓よりも太いものを咥えているのだから唾液のぬめりだけでなんとか入るだろう。 痛みは伴うかもしれないが、それがユースタス屋には丁度いいはずだ。 「力抜け。ほら、どんどん入るぜ」 「ッ〜!んぅう!!」 「もう太いとこが入りそうだ…」 実況しながら、ぬぅっと苦も無く入っていくアナル栓を一度抜き、抜け切りそうなところでまた太いところギリギリまでを突っ込む。何度か抜き差しをしてやると、尻を開きながら中腰の不安定な体勢をしているユースタス屋がカクカクと膝を震わせていた。 今にも前のめりに倒れそうな姿をみながら、一思いにアナル栓の括れまで押し込んだ。 「ん、ぁう!?…くっ…ぅ…ぃた…ぁ…」 慣らしてなかったアナルには少し負担があったのだろう。じんじんとした痛みにユースタス屋はすすり泣くように痛がった。それでも体勢は崩さず、尻も開いたままだ。 顔が見たくてユースタス屋の正面に回ると、痛みに歪む表情は恍惚としてた。中腰の股間に垂れ下がる半立ちのペニスからはカウパーが細く糸を引いて垂れ落ちていた。透明な糸状の粘液はまるで長い春雨のように見える。 指に巻き取る様にカウパーを掬い上げて、半開きになっているユースタス屋の唇に塗ってやった。 女の、グロスを塗ったような艶のある唇が美味そうで我慢できずに吸い付く。唇のしょっぱさは口腔の甘味を引き立てるのには打ってつけのような気がした。 「ふうん。結構平気で歩くもんだな」 「括れんとこは細いからな…そんな長さもないからイイとこにあたんねぇし割と平気」 アナル栓を付けたままのユースタス屋を外に連れ出した。曰く、形状的にくびれが大きいので太い部分が中に引っ掛かり、あまり拡張もしていないアナルなのでちょっとの腹圧と直腸運動では栓が抜ける心配はないらしい。 尻に異物を挿めて歩くのだから相当だろうと思っていたが、流石にユースタス屋くらい経験があると普通に過ごせるようだ。プレイとしてはまずまずな方だと思ったのだが、甘かったか。 「…なぁ、ユースタス屋」 「あ?」 「入ってる奴、ひり出せるか?」 「………今、かよ…」 「今。出したら入れなおしてやるよ…ほら」 人通りの多い道を、それをいいことにユースタス屋の尻に手を這わせた。 ゆったりしたボトムの内側で、蠢く直腸にアナルプラグが遊ばれる。アナル栓の引っ掛かりが上手く出ずに苦戦しているようだ。 おれは何食わぬ顔でユースタス屋の隣を歩きながら、アナル栓の底を引っ張った。 腹圧と息みで一気に滑り出てきたそれと、歩みの止まるユースタス屋の足。 「なに立ち止まってんだ…行くぞ」 「ッ…」 傍目には、立ち止まった連れを促す様に見えただろうか。 再びアナル栓を押し込んでやった手で、ぽんぽんと臀部を叩く。 声を上げないように咄嗟に息を飲んだユースタス屋の顔を、これからもっと見たいと思った。 |