おれは平和が好きだ!
だって人生のらくらに過してぇじゃん?
が、持論のおれですが。


「狂犬ってのが居るんだろ?」
「…わ、わんわんお!」
「……」
「なんつって…」
「…つって?」
「やー、なんでもないッス」

ユースタスの額に漫画でしか見たことないような青筋が浮かび上がったので勝手にくだらないことをべらべら喋る自分の口にチャックをした。
我ながら賢明な判断だ。

「て、ゆーか。おれに聞くのが間違ってるっしょ、おれのか弱さはユースタスが噛み潰したそのストロー並みよ?」
「……」

そう言って指をさすと歯形付きまくりのストローに視線を移すユースタス。

「ま…確かに弱ぇけどな」
「確かにとかぁ…」


5月の連休も終わって漏れなくおれも五月病を患う中。仲良くなったというか下僕にしていただいたというか…。
そんなお友達のユースタスと昼休みの教室で座談なんかを楽しんでいた
このクラス、1年C組はまぁ見る奴殆ど頭悪そうな奴ばっかで、勿論おれも該当する。
ユースタスは…頭悪そう以前にお近付きにはなりたくないタイプだ。見るからに不良だし。
そんなユースタスとお友達になった理由はよくありがちで、席が前後してるんですよねー、みたいな。ユースタスが前に座ってるお陰で随分と見通しが悪いけど漏れなくバカな僕には黒板に書かれる文字が見えずとも関係なく。
堂々と惰眠を貪るわけだ。

「…ユースタスさぁ、」
「あ?」
「その狂ったわんちゃん探してどうする気ですか」
「…タイマン?」
「ハートフルわんわんライフフラグ!」
「リアル格ゲーはどうだ?」
「チャイナドレスの女の子相手ならいくらでも。あれ結局下着着てんの着てないのどっち?」
「闘ってみたらわかるんじゃねーか?女子柔道部行こうぜ」
「女子柔道部は下にTシャツ着てるじゃん、ズボンだし」
「突っ込みはそこに入れるんだな」

話が逸れに逸れたところでユースタスが「まぁ…」と話の軌道を修正する


「タイマンは冗談だとして…、顔合わせてみてェ」
「血気盛んすなぁ。RPGだったら敵はスルーが定石でしょーよ」
「おれは皆殺し派」
「MPかアイテム消費で詰め」

しかし…うん。出来ればユースタスと狂犬、とは合わせたくないわけだ…おれとしては。知らないって嘘ついたけど…実は知ってる。でもおれって平和主義者だからさァー

「てか、ユースタス意外におれの話通じるよね」
「宇宙人と話すのは得意だからな」
「他に未来人と超能力者が友達だったり?」
「あー…まぁ、そんな奴もいるな…」






(ただの人間には興味が有りません!未来人、他エトセトラ!俺の所に来なさいッ!!)
(………うっぜぇー…)
(魔法以上に愉快なことねぇかなァ…パンチラとか愉快だよな)
(あ、ブラ透け)
(時間よ止れ!)




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