「悪かった」
素直に口から出た謝罪に女は元からデカい目を大きく開いた。

女と別れ、ユースタス屋の姿を追って走った。
言い訳も思い付かないままだが、携帯へと電話を掛けても電源を切ってるのか繋がらない。
無機質な音声が無情にもその旨を伝えた。

ユースタス屋は俺が遊び回っていたことを知ってた。
多分ずっと前から。
それなら、何故何も言わずにいたのだろうか。
確証がなかったから?
なら、探りを入れて来るはずだろう?
他に相手がいたから?
それなら、俺の都合に振り回されたりはしないだろう。


怖かったんだろうか。
俺がさっきの女相手に言ったように…本命じゃないと面と向かって否定される事が…?
飛んだ自惚れだと言われるかもしれないが、本当にそうだとしたら…。

「…はぁ……」

走っていた足が止まる。
どう、取り繕おうか…
繕えるのだろうか。俺がズタズタに割いてしまったのに。
ただ、不謹慎にも

君が酷く傷付いていてくれたとしたら


期待していいんだろう?
俺は、俺がユースタス屋の本命だと信じて疑わない。
それがせめてもの懺悔だ。




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