Thank you clap!

「ちょろい」と言われたらそれまでですけど

-いつも隣りに-

なんとなく、無性にやりたくなるのはいつものことで、彼が疲れんのは知ってるし明日も仕事だってことは重々承知してる。
でも、けど…

眠そうにしながらテレビを眺めてるユースタス屋に寄り掛かってみる。
するともそりと身動いで、俺が寄り掛かっても疲れないように座り直した。
これはまずまずだ。
そろりと腰に抱き付き膝枕の体勢に。
眠気で頭が動いてないのかユースタス屋は組んでいた足を戻して俺の頭に手を乗せてぽんぽん叩く。
よしよし。
甘えるように腹部に額を押し付けると撫でていた手が止まる。
ごそごそと服の中に手を入れて腰や背中を撫でると困ったような声。

「…、おい…黙ってりゃテメェ…付け上がんなコラ」

眉間に皺を寄せておれを見下ろすユースタス屋。
手が伸びて来たので制裁と言う名の耳引っ張りか、頭をはたかれるかを覚悟して身をすくめて身構えると予想に反してその手はおれの鼻を軽く摘んだ。

「む。…?」
「変な顔…明日まで我慢出来ねぇのかよ。明後日休みなのに」

まるで、今日は良い子にしていろと言うように頭を撫でられた。

「明日…」
「もー、眠ィし…今日は勘弁しろ」

とろんとした瞳はただ眠いだけなのだろうに、体よく断ろうと並ぶ言葉や微睡んだ声音も相俟ってとても優しげであっさりと毒気を抜かされる。

「…触るだけ」
「ほんとかよ」
「ユースタス屋…」

もうすっかりヤりたい気持ちは削がれたが、この瞬間を終わらせてしまうのがもったいなくておれはユースタス屋の膝に寝転んだままでいた。
声には出さずユースタス屋が笑って、またテレビを観始める。
ユースタス屋の服の中、未だ素肌を触る手も咎められずにそのまま。

ユースタス屋の指先が時折おれの頭皮を擽るように動き、おれはヤりたかったことすらも忘れてしまうのだった。





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