こんにちは!名字名前です!並盛中学校に通う雲雀先輩に惚れたごく普通の恋する乙女です!学校のみんなはそんな私を普通じゃないと言いますが、どこが普通じゃないのか私には分かりかねます。それはそうと、素敵ですよね雲雀先輩!一目見たときから私はあなたの虜ですよ!キャッはずかし!雲雀先輩に毎日猛アタックをする私ですが、それから分かったことがあります。雲雀先輩ってば実はツンデレなんです。おはようございますって挨拶(毎日の第一印象が大切ですから)すると、毎回決まって返事はしてくれないんですけど、それってあれですよね、照れてるんですよね、雲雀先輩っていっつも一人で孤高の存在ってかんじだから、きっと人と触れ合うことに慣れてないんですよね!というわけで、じめじめと雨が降るこの日、私は雲雀先輩に傘を貸し、あわよくば相合傘なんてゲフン!たくらんでゲフン!…計画しているわけですが。あ!見つけた雲雀先輩!あんなとこでなにしてるんだろう………ま、いいや。雲雀せんぱああああああああああああああああ



「君、こんなところで何してるの?」



い!い?…一瞬バレちゃったかと思いましたが違うみたいです。
誰と話してるんだろう…気になった私は物陰にかくれて雲雀先輩を観察…様子をうかがうことにしました。雲雀先輩の周りには人なんかいなくて、いるのはダンボールに入って寒そうにしている仔猫。な、なんてベタな………



「こんな雨の中で、風邪ひくよ?馬鹿なの?」

「にゃー」

「何してるのかって聞いてるんだ。答えなよ」

「にゃー、にゃー」

「そうしてれば誰かが拾ってくれるとでも思ってるわけ?」

「にー」

「甘いね、世界はそんなに甘くないんだよ」

「にい」

「………まあ、僕が拾ってあげないこともないけど」



な ん と い う こ と だ
ひ、雲雀先輩がかわいすぎるよお!ハアハア!私は雲雀先輩が子猫を学ランに隠して去っていってからも、しばらくその場で悶えていました。雨とかしらねえ。この燃えたぎる熱いパトスは誰にも止められねえ!猫相手になんなんだあの人は、あのかわいさは!女であることを一瞬忘れてしまったよ!どうしよう!惚れ直しちゃいました雲雀先輩!なんてベタな不良なんですか雲雀先輩!とりあえず、次の雨の日に校門前にダンボールに入ってで待機しようと心に誓った私でした。







「……なにしてんの」

「わんわん!雲雀先輩!拾ってくださいわん!」

「咬み殺す!!!」

「猫派でしたかぐはあっ」



「毎日よくやるよなー名字って。おもしれー!」

「ただの変態だろ!何考えてんのか訳わかんねーぜ…」

「獄寺くん…(ごめん名字さん…フォローできないよ…)」