「あなたのほのおはすごくきれいだね」



マスターマスター、俺はそうやって言って笑うあなたの笑顔のほうがよっぽどきれいだと思います。俺にはそれを伝えられる言葉もなくて、清潔なベッドで横になるマスターを見るだけ。あなたは笑って俺を受け入れてくれました。だから俺はあなたのそばにいたくて、その願いもかない、きらきらと輝く毎日を送ることができました。できることならこれからも、俺が死ぬまでずっと、あなたとともにありたかった、でも、それはもう無理なのですか?俺には見守ることしかできないのですか?もう一緒に空を飛ぶこともできないのですか?あなたと戦うこともできないのですか?どうやったら、俺は、俺は、



目の前できれいに、でもどこか苦しそうに笑うマスターのいのちの炎が弱く、消えかかっていることに、気付いても、現実の辛さを突き付けられるだけで、俺にはなにもすることができない。それが、悔しくて、悲しくて、自分を殺してしまいたくなる。



「リザードン、」



マスターはやっぱり笑顔で、俺の顔に手を添えて、蚊の鳴くような声で言った。



「最後はあなたが、私を殺してね?」



ああ、あなたがそれを望み、それが俺の唯一できることならば、俺の炎であなたを抱きしめて、ともに死にましょう。なぜか、それが世界で一番幸せなことのように思えた。きっと、俺もあなたも、同じことを考えているのだろう。なんて、幸せすぎる。