ボクは今日もつながりの洞窟で休んでいた。今日はあの変態もまだ来ていないようで、静かだ。
水面に映る自分の青を見てふと思い出す。ここがヤツの鼻血で赤く染まった日の事を。本当にあれはトラウマだ。
「?!」
ちゃぷん、動くと水音が響いた。波紋が広がって、ボクの顔がぼやける。
なんで、ボク、
「見つけたぞ!」
洞窟内に人間の声が響いた。
でもそれは、いつもの甲高いヤツの声ではなかった。
「捕まえたら、良いコレクションになる!」
ちょっとでもアイツが来ただなんて、期待した自分を呪いたい。
((なんであいつが居ないのに、あいつのこと考えてるんだボクは。なんて))